今日も鈍足台風のお陰で、土砂降りの中を歩いてきた。思いがけない地方にゲリラ豪雨で被害が出なければいいがと心配している。日ハムの大谷なら跨いで渡れそうな小川が氾濫するから要注意なのだ。
昨日は日中小降りになったせいか、結構患者さんが受診され通常よりやや少ない程度だった。午前早い時間に黄疸の中年女性が受診された。実家に寄った娘に言われて気が付いたそうだが、旦那に眼は付いているのだろうか、鏡は見ないのだろうか、目も身体も真っ黄色なのだ。そういえば数日前から尿が濃かったと言うが、暢気(過ぎる)な人も居るものだ。黄疸が強い割には元気なので肝炎ではなさそうだが、重大な病気の可能性が高いので、即入院を依頼した。
あちこち連絡手配して送り出してから、看護師が本当はもっと前からあったんですよ、患者さんて中々受診しないんですよねと言う。確かに細かい徴候は数週間前からあった可能性が高い。患者さんにはというより人間には色々な人が居られ、針小棒大から棒大針小の人までグラデイションの幅が広く、前線の臨床医は細心の注意を払わねばならない。どちらかと言えば針小棒大の患者の方が多く、こういう患者さんはくどくどと話が長く手が掛かるので歓迎されない。幾つか医院を転々とされていることがあり、ここは話を聞いてくれるとわかると堰を切ったようにまとまりのない話をされるので困ることがある。それでもこうした患者さんの中に、希ではあるが珍しい病気や深刻な病気が隠れていることがあるので油断できない。
人間の多様性を引き受けることなしに役立つ臨床医にはなれないと感ずる。