駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

イメージを読む,モナリザの微笑

2015年01月29日 | 

す                  

 絵が好きで自分でも油彩画を描くのだが、美術史の勉強をしたことはない。勿論、小中学校で図工を習ったので、ないと言っては図工の先生に申し訳ない。常識程度の知識しか持ち合わせないと言い直そう。

 絵の目利きに関しては洲之内徹に影響を受けた気がする。何というか、独特で個性的なものなのだが、洲之内コレクションから何かを教えられたのは確かだ。審美眼が果たして学ぶものかあるいは学べるものかには疑問もあるが、影響を受けた。尤も、洲之内には絵画の鑑賞の手ほどきをしようなどということは眼中になく、唯、己の鑑賞体験をくねくねと語っただけなのかもしれない。

 もう一人、絵画の鑑賞法を教えてくれた人が居る。こちらは教えることに自覚と情熱を持ち、語らずにはいられない先生、若桑みどりさんだ。残念ながら直接教わる機会はなかったのだが、洲之内に劣らず強烈な個性の持ち主だ。若桑ファンは同列に並べるのには抵抗があるかもしれない。

 若桑先生の「イメージを読む、筑摩書房」を読むと、絵画鑑賞の目が開かれる。絵画を見るのは文学と違い言葉に依らない、非言語的な表現(イメージ)によって伝えられているものを理解することに他ならないと教えられる。西洋美術(に限らないだろう)は歴史的背景というか、西洋の文化と歴史を知らずしては理解出来ないのがよくわかる。果たして絵画は読み解いて鑑賞するものかという疑問や反論もあろうが、それは「イメージを読む」を読んでからのことと思う。

 果たして、なぜモナリザは微かにほほえんでいるのであろう。

コメント (2)
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