駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

診断書の怪

2009年05月14日 | 医療
 鴻池副長官が辞任した。危機管理能力の無さが主罪、公費濫用が重罪である。一般国民は当然だろうが、医者としても納得いかないのは、健康上の理由という嘘がまかり通ることだ。麻生首相が任命責任と言われても病気じゃあと適当に逃げている。病気が主因でないと認めた河村官房長の方がよほどまともだ。交代したほうがいい。いや交代では上手くゆかない河村首相、麻生議員とし官房長官には女性議員を推薦したい。
 診断書は医者にしか書けずその権威は厚く保護されているが、政治家向けの診断書にはしばしば医者も頭を傾げる。勿論、通常の診断書も科学的範囲内であれば、患者の立場を守るように配慮することがある。例えば来院2日前から嘔吐下痢で寝ていた場合はそれが現状から妥当に推定できれば遡って書くなど。
 今回の場合は野党議員が皮肉るように健康過ぎて?エキストラコースを楽しんだ?様子で、入院が必要な病態とは思えない。なんでそうした診断書を書くのだろうと思ってしまう。
 まあこれほどではないが、患者の言い分通りに書くのを何度も拒否してきた。恐ろしい顔で睨まれたり、捨てぜりふを聞かされたので医者ばかりを責めることもできないと思うが。
 こうした構図はこの国に深く巣くう病態で世論の後押しなしには変わらない。その通りと言われる方は自分の場合も当然と受容する心構えをお願いする。そうでなければ本当の力にはならない。
 ところで、国務を司る人の健康管理には長く疑問を持ってきた。医学はこの30年で長足の進歩を認めている。ついこの間現役で亡くなった小渕さんなどはキチンと健康管理をしていれば倒れないで済んだと思う。表現は適当でないかも知れないが、一流の臨床医に診て貰っている議員は少なそうだ。その点では小沢さんは賢いと言えるかもしれない。
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