駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

壁が動いている

2009年05月16日 | 世の中
 ベルリンの壁が壊され、バブルに穴があいた1990年頃には八十才が壁だった。二十年後の今、壁は十年後ろに下がり九十才になった。
 開業当初は七十半ばで徐々に老化による症状が現れ八十の声を聞くか聞かないかで寝たきりになったり亡くなられる方が多く、八十を元気で超えられる方は少なかった。いわば八十才が壁だったのだが、この二十年で壁が十年後退し九十才になった感じがしている。
 八十の峠を元気で越えられる方が増えた。そして八十半ばで徐々に老化の自覚他覚症状が出て、九十を前にして寝たきりになったり、惚けたり、亡くなったりする方が多くなった。これは町医者の大まかな感覚で、統計を背景にした話ではない。十年は区切りがよいのでそう感じやすい面もあろうが、かなり実態を反映していると思う。2020年には九十才を越えられる方が増え、壁もさらに数年後ろに下がると予想する。老人医療の対象者の年齢が上がってゆくだけのことで、そのこと自体は長生きするようになったと喜ばしいことだろう。
 しかしこれは想定外のことで、そのための社会の対応策ができていない。環境問題と並び社会の隅々まで変革を迫られている待ったなしの課題であることを国民一人一人が何処まで身に染みて理解しているだろう。高齢化社会あるいは環境問題という言葉には収まりきらない問題で、言葉で上滑りにわかったような感じを持たないように警告したい。何よりも高齢者のサポーターになる人達、悪化する地球環境下で生きて行く人達を権力の場に参加させる必要がある。内閣の平均年齢が五十五才を超えるようなことがあってはならない。女性議員の数をもっと増やす必要がある。
 問題発言:女達は何を手をこまねいているのか。
 場外発言:マスコミの手垢の付いた皮相の見出しに騙されない。親小沢反小沢など相変わらず中身のないレッテル張りに終始している。それに踊らされる民主党議員も居るようでXを呉れてやりたい。岡田の方が小沢に似ているのがわからないとは眼力がない記者達だ。未だましの選択でないのは民主に幸いだ。どちらも麻生より優れているのは、町医者にもわかる。
コメント
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