駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

会議は踊るか機能するか

2009年05月19日 | 医療
 厚労省の新型インフルエンザ対策が変更される模様である。妥当だと思う。新型インフルエンザ対策は不確定要素が多いとしても科学的な事象なので会議から納得の線が出てくると予想するが、問題なのはメンバー構成である。以前にも触れたが現在進行形で患者を診ている医師を少なくとも四分の一程度は入れる必要がある。・・長の中には臨床経験の乏しい、あるいは臨床から遠ざかっている人も多いから非現実的なことを主張される恐れがある。本当の学者は臨床のことは臨床医に聞いてくれるのだが、元臨床医は現場感覚が薄れているのに聞かない傾向がある。
 均衡の取れたメンバー構成ができたら次は員数だ、七、八名が適当だと思う。十五名以上では本当の議論はできない。現在まで、まずまず合格の桝添大臣だが、本当に有能なスタッフを揃えているか、ご自身に危機管理能力があるか、これから問われてゆく。
 橋下知事は機を見るに敏な人だ。最初は半信半疑だったが、既成慣行に縛られず適切な提言をする。柔軟迅速な対応が厚労省で取られることを願う。
 こんな事を一町医者が心配するのは滑稽だが、どうして彼がメンバーじゃないのかということもあるし、現実に前線の対応はバラバラなのだ。
 神戸の友人医師が嘆いている。なんでまた神戸なんだろうと。確かに、なぜか美しい港町神戸は災害に見舞われる。インフルエンザはさして恐くないが、それよりも煩雑な対応の準備連絡作業、休業と風評の心配等で忙殺され医師会役員の彼は憔悴している。他人事ではないかもしれない。当地に来るのも時間の問題だろう。その頃には厚労省の方針も変更され、過剰な反応も鎮静化しているのを願う。
コメント (2)
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