駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

水際作戦に穴?

2009年05月10日 | 医療
 日本に新型インフルエンザが侵入した。予想されたことで、機内で見付けただけでも凄いと思うのだが、周りにいた人を取り逃がした?と新聞では大きな落ち度があったように報道している。過剰な反応だ。
 水際作戦は確率を下げる効果しかないことを常識ある人達は知っておられると思う。漏れたと大騒ぎするなら得意の鎖国しかない(鎖国しても侵入してくる人は居ると思うが)。
 費用対効果を考えて作戦を考えられるように、記者は誰よりも冷静沈着に取材報道して、いたずらに不安を煽ったり、頑張っている人を非難することは謹んで欲しい。その意味で河村官房長官を見直さねばならない。良く存じ上げず軽い人の起用との印象があったが、感情に流されない話し方は評価したい。桝添大臣は頑張っておられるが、冷静沈着かどうか少々疑問がある。咎めるよりも良案を出す環境を作るのが、主要報道機関の作法と思う。
 穴と言えば諸外国は巨大な抜け穴だらけなのだ。オランダへの入国はフリーパス、マスクなんかしている人は皆無。それがよいかどうかはともかく、きちんとした統計は取れていないだろうなとの感触を受けた。
 統計も眉につばを付けて読み解かなければならない。メキシコでの感染者は発表の10倍は居る。下手をしたら100倍くらい居るのではないか。死亡したり重症だった患者だけが統計に上がっていると思う。アメリカで数倍、日本は今のところほぼ正確と思う。軽い感染者ほど見逃されるので、死亡者は多くても数百人に一人くらいではないかと思う。
 もし日本が世界に誇れることがあるとしたら死亡者を出来れば通常インフルエンザと同等の0.1%、少なくとも最低レベルにすることだ。これは可能で、厚労省はそれこそ最大の知恵を絞って、作戦を展開してほしい。前線レベルになると急に自治体医師会任せなどと言わないように。官僚得意の無責任指令は駄目。
 私の予想を言えば熱しやすく冷めやすい国民性から7月くらいまでは、緊張感が持続かなり上手く対処できるだろう。11月通常インフルエンザがは流行し始める頃が問題だ。はたして今年のインフルエンザ予防注射の中身はどうなるんだろうか。
コメント (2)
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