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※旧Various Topics(OCN)

“カダフィ殺害映像を検索する人”と”無人機空爆を正当化する米政府”の共通点

2011年10月25日 | 海外ニュース・できごと

私が使っているこのOCNのブログでは、このブログの記事をどのキーワードで検索しているのかを知ることができるのですが、カダフィ殺害のあと、「カダフィ殺害映像(or 動画)」というようなキーワードを使っている人が案外いるのに気がつき、薄ら寒い気持ちになっています。

(私は『カダフィ殺害』については書いたものの、生憎(!)映像もリンクも貼り付けていませんから、私のブログを見たそういう輩はがっかりしたことでしょう。)

このキーワードで検索しているのは、「人が殺される場面を見たい」「血なまぐさいシーンを見たい」という人たちがほとんどなのではないかと思いますが、映画やゲーム感覚で、(いくら独裁者であろうと)人が死ぬシーンを興味や楽しみ半分で見たいという欲望-人間は残酷な動物であるのかもしれませんが、そこは普通の感覚を持った人間なら無意識に理性が働くものだと思います。

しかし、今はより動物に近づいている人が増えているのかもしれません。

さて、「殺害」といえば、オバマ政権になって米無人機攻撃が拡大していることについての記事が、23日の東京新聞(ワシントン、竹内洋一記者)にありました。

ここから一部引用します。

(前略)

現政権下で急増

米シンクタンク「新アメリカ財団」の集計では、パキスタンへの無人機空爆はブッシュ政権時代の2008年には年間33回だったのが、オバマ政権になって急増。09年には53回、10年には118回行われた。今年も今月20日現在で64回に達した。米政府は無人機攻撃の詳細は公表していない。

オバマ政権が無人機への依存を強めるのは、まず費用対効果が高いためだ。米空軍が保有する最新型のMQ-9「リーバー」は約1,700万ドル(約13億円)。約35千万ドルのステルス戦闘機F22に比べて格安だ。

無人機なら米兵の犠牲もない。最新型の無人機は、米本土でコンピューター映像を見ながら操縦。オペレーターは通信衛星によって空爆できる。

「ゲーム機感覚」

一方、無人機攻撃はまだ精密さに欠け、民間人の巻き添えや誤爆が最大の難点だ。新アメリカ財団によると、04年以降、パキスタンでの無人機攻撃による死者は最大2,634人で、うち471人は民間人。この事態が反米感情をあおっている。

パキスタン政府は領内への無人機攻撃を渋々黙認しているが、主権侵害だと不満を募らせる。同国の上下両院は今年5月、無人機攻撃は国際法違反だとして、即刻停止を求める決議を全会一致で採択した。

国際法に触れるとの疑念は国連でも指摘されている。昨年5月の国連と区別報告は、「敵対行動に直接関与していない民間人」を空爆対象にすれば、民間人保護を定めた国連人道法に抵触する可能性を示唆。無人機攻撃をめぐり「テレビゲーム機感覚で人命を奪う危険がある」と疑問を投げかけた。

これに対し米政府は、「自衛権に基づく正当な攻撃だ」と反論。

(後略)

この記事で、(国連が、)“無人機攻撃をめぐり「テレビゲーム機感覚で人命を奪う危険がある」と疑問を投げかけた。”と書いてありますが、おそらくは「米国はゲーム機感覚で人命を奪っている」と訴える声が多くあると思います。それが米政府によって封じ込まれているだけで。

先の、ゲームや映画にあきたらず、興味本位で「本物の殺害映像」を探す人たちと、この米政府-ともに「軌道を逸していて、人殺しもバーチャルな世界での出来事にしか思えない」という点で共通点があるように思えます。そして2者は共に通常は常識的に振る舞い、「自分は普通の人(集団、国)」と思い込んでいるでしょう。

さて、米政府の軍事行動関係ついでに、今朝読んだ記事も一つ紹介します。

WSJ日本版(20111015日)

アジアの米軍兵力削減せず=パネッタ国防長官

http://jp.wsj.com/World/node_330818

[東京] 東アジア歴訪中のパネッタ米国防長官は24日、米軍横田基地に到着し、同基地で行われた米軍人ならびに自衛隊員との集まりで、米軍はイラクとアフガニスタンから撤収する結果、兵力をアジアにもっと振り向けることができるようになると述べた。米政府が厳しい財政状況の中でも、中国の急速な軍事力増強を監視する決意であることを示したものだ。

パネッタ長官は、財政面の圧力は強いとしながらも、アジアに展開されている米軍が削減されることはないと指摘。10年間にわたったイラクとアフガンでの戦争が終結した後には、米国は次の最優先地域をアジアに置いていると強調した。

 国防総省当局者は、他の地域の兵力を東南アジアやインド洋などアジア地域に移動させ、同地域での米軍のプレゼンスを拡大する方策を検討していることを明らかにした。

 パネッタ長官のメッセージは、予算削減によりコストのかかる地上軍や空母のアジア地域への配備にしわ寄せが出てくるのではないかと懸念している日韓などを安心させるとともに、軍事力を増強し南シナ海で海軍力を誇示している中国に警告を発したものだ。

「お金はないけど、軍事行動をしたい。負担は日本やアジア諸国にも協力してもらうつもり。」という本音が見え隠れするように感じるのは、私だけでしょうか。

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