Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

キラキラやポエムが作りだす『希望』や『常識』・「大学入学年齢の平均18歳」も貧困に加担

2019年06月26日 | 教育

以下の記事は、女子大生の売春が増え続けている実態についての分析の記事ですが、抜粋した部分、売春する女子大生だけでなく、「富めるものが富めない者から搾取する構図」をズバリと指摘している良記事だと思いますので、ご覧ください。 

東洋経済(2016年8月9日)
女子大生は、なぜ「売春」せざるをえないのか
「大学は最悪の"組織的詐欺"を行っている」
https://toyokeizai.net/articles/-/130756 

(前略) 

鈴木:子どもと教育をお金稼ぎの的にした結果ですね。明らかに「大学全入」という方針を取るところがおかしい。そんなことを考えていると、職能教育は何歳からできるんだろうと思う。少なくとも中学を卒業するぐらいになったら、その子の職業適性がわかる。インターン制度もある中で、職能の発掘に専門性を持った人間が子どもの適性を見きわめて本人や親と相談することのほうが、よほど重要ではないかと僕は思います。 

「ポエム」に支配されてしまった若者と教職員 

中村:職能教育は、昔と比べれば「している気」になっているよ。学生をターゲットにしたインターンや研修とかたくさんある。「夢」という言葉が浸透して、東日本大震災が原因でポエムを信奉する若者が激増して、それが本格的に拡散されてしまった。職能教育のような将来への準備が具体性のないポエムに支配されて、行政や教職員まで洗脳されてしまっている。 

鈴木まだ世間を知らない学生にリアリティーのないキラキラした就業のイメージを「私たちの輝く未来」といったポエムをつけて見せる。そんなもん、カルトや自己啓発セミナーと何の差があるのか。それは職能教育でも何でもないですよ。 

中村:本来、職能教育は現実と向き合う作業だけど、具体性のないポエムでモチベーションを上げさせようってことばかり。それによって生まれているのは現実感のないポジティブな若者と、奨学金の残債だけ。言葉で操るだけでモチベーションが上がっちゃう若者が量産されているから、ブラック企業が流行したのも当然のことだよね。

鈴木:その層のキラキラポエム系の学生とブラック企業にありがちな自己啓発的な新人教育の親和性の高さは、僕もずっと感じてきたこと。やはりその界隈はかぶっているのでしょうか。

中村若者に提言したがるのは、ベンチャー経営者とか、名誉欲にまみれた社会起業家とか、ブラックで一財産を築いた居酒屋の社長とか。そんな連中の職能教育は自分の利益になる方向に誘導する。今こそ「夢はない、明るい未来はない」と言い切る指導者が必要でしょう。

鈴木政策提言の場にどんどんポエムやキラキラの親玉が入ってきて、お役所の役人さんは自分の目で現場を見ない人ばかり。加速度的に状況が悪くなっている。どうしても僕がいらだちを抑え切れないのは、学校の教員の問題です。たとえば、なぜ学校教員に奨学金問題の責任追及が行かないんですか。すごく密接に関与していますよね、学校教員と奨学金って。 

(中略) 

鈴木:そして、親は「学校はビジネスでウソをつく」ことを知ること。学校だから正しくてウソをつかないということは絶対にありません。学校の評価に資格取得率が何%というのは関係ない。その資格を取った人が、その資格を生かせる職業に何%が就けているのかが評価基準でしょう。 

中村:みんな資格にしか流れないよね。特に貧困家庭のまじめな子が資格に走るイメージがある。でも、弁護士や歯科医でも食いっぱぐれる時代に資格を取るなんて時間のムダ。さらに資格の怖いところは、職業の選択を狭めること。取得した資格を捨てる覚悟がないと、ほかのことにチャレンジできないでしょう。 

鈴木キラキラしたオブラートで無計画を包んで売りつける高利貸したちが世の中にいっぱいいるということです。そう考えたら、教育も住宅業界やカードローンと同じ臭いがする。キラキラを見せて、お金を貸す。最近は消費者金融の過払い金の問題がずいぶん注目されましたけど、それこそキラキラできなくなったら、大学に対して「学費を返してください」と言う権利があるんじゃないですか? 

中村:高校の先生と進路指導の先生が何年何月何日に「君の未来には夢がある」とウソをついたとか、大学が発表している就職率の内訳は労働基準法違反が常態化するブラック企業だらけだったとか、法律をこねくり回して因縁をつければ、「カネ返せ」のロジックが成り立つかもね。 

鈴木それこそ大学も授業料を取るのなら、満足のいく就職ができたら後払いでもらうというシステムにしたらいいのに。成功報酬は一般社会では普通の話ですから。なぜか教育だけが崇高なところとされて批判から逃れているのは気に食わないです。


マイナビ学生の窓口(2015年3月1日)

世界主要国の大学進学率、大学入学年齢はこうなっている!http://news.livedoor.com/article/detail/9896801/ 

によると、オーストラリア、ノルウェー、アメリカ、オランダ、日本の大学進学率と大学入学年齢平均は以下のとおり。 

オーストラリア
・大学進学率:96%
・大学入学年齢平均:26歳 

ノルウェー
・大学進学率:76%
・大学入学年齢平均:30歳 

アメリカ
・大学進学率:74%
・大学入学年齢平均:27歳 

オランダ
・大学進学率:65%
・大学入学年齢平均:22歳 

日本
・大学進学率:51%
・大学入学年齢平均:18歳

ドイツ
・大学進学率:42%
・大学入学年齢平均:24歳 

「日本の大学進学率は低い」といいますが、「18歳の大学進学率」となると、世界のトップクラスになるのではないでしょうか? (日本以外塾文化がある国(東アジア)では、大学入学年齢は18歳が主でしょう、きっと。)

ノルウェーの下段には、 

「北欧では、高校卒業後、「経済的に自立する」ことが若者たちの常識となっていて、社会経験を積んだ後にキャリアアップや知的探求心のために大学に入ることが多いようです。
そして、企業も大学卒業年齢を問わない等、このような流れを受け入れる社会が形成されていいます。」 

と書いてありますが、 

日本もこの方式をとるべきではないでしょうか。 

政府、アカデミアとは縁が切れない産業界。

大学卒であろうと高卒であろうと、人を選べば問題ない職種にまで、「大卒以上」に限定したり、限定しないまでも、大卒以下は履歴書だけで切り捨てられる。 

「大学院を出れば就職がよくなる」と勧められ進学して、その人が正規社員につけなくても、自己責任となる。 

大学も大学院も、親が負担すれば親の資産が減り、奨学金を活用すれば本人に借金だけが残る。 

「奨学金が払えない人が増えたから、大学無償化」なんて声を上げる人がいますが、それで一番おいしい思いをするのは大学です。 

もちろん、皆が高校卒業後働いてから大学に行く必要ないですが、「高校卒業後、親に無理をさせたり、将来返せるかわからない借金を抱えてまで大学に行くのが普通」というのは、どうなんでしょうか?

日本で貧困層が増えた一つの要因として、 

希望だけ持たされて教育費(塾代も含む)にお金を掛けさせられて、貯蓄もままならなかった。借金を負わされた。」ということもあるのではないかと思います。 

(ついでに言えば、一人1台の携帯代等、通信費も増えました。) 

‟希望”は人にとって大切なものですが、それだけに“餌”にされやすいことをお忘れなく。 

関連: 

Education
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/aa40b53e312e64216f3cdcc0caf4b9d5

 Education 2
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/ffc64e93759b2c4878520247d9a12e58

 

※次回に続く

(記事に書いてある大学入学年齢平均と説明が妥当なものかどうか、ちょっと疑問があったので、海外の友人達から情報を収集しています。
その回答を参考までに紹介します。

日本は、他国と違って私立大学が圧倒的に多く、国公立大学の学費が私立大学に合わせて高くしてしまっていること、奨学金がただのローンになっていて、18歳の子に多額の借金を負わせていること-友人達のメールを読みながら、日本が若者に優しくない国だと言うことを実感しています。

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