キラキラやポエムが作りだす『希望』や『常識』・「大学入学年齢の平均18歳」も貧困に加担
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/ab9be1d7c5a6c481b7f68a404e726bfa
キラキラやポエムが作り出す『希望』や『常識』-フィンランドの友人からのメール
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/4020cdf41ded55ecc0aac611d2f4c203
キラキラやポエムが作り出す『希望』や『常識』-スロベニアの友人からのメール
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/705098cab74301b8a64091a52a1efac5
の記事を書いたばかりのところに、タイミングの良い記事がありました。
現代ビジネス(2019年6月9日)
フランス人が18歳以上の子どもには金銭的援助をしない理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190629-00065514-gendaibiz-int
(前略)
少しぐらい無理をしてでも、子供が望むことをさせてやりたいと願うのは、親としてごく自然のことだと日本人の私たちは思う。子供にしても、自分がこんなに一生懸命努力しているのだから、親も喜んで援助してくれるにちがいないと。
ところが、そんな親子の協力関係は、フランスにはない。それは彼らお得意の個人主義が徹底しているからではなく、経済的な独立こそ大人の証にほかならないからだ。選挙権が与えられるのがフランスでは18歳だから、それを機に成人とみなされる。まだ大学生だから親がかりでも仕方がないという、エクスキューズは通用しないのである。そういえば日本も今は選挙権が与えられるのは18歳だ。
(中略)
フランス人は自立できなくても「自活」する
フランスでも親に経済的な余裕があったら、パリで学生をしている息子や娘が実家に戻れば、実家を往復する交通費くらいはお小遣いとして与えるにちがいない。お小遣いにしろ、あるとないとでは雲泥の差だ。だがそれは、子供が大学生のうちだけなのはまちがいない。社会人になった娘や息子に助け舟をだしたら、それこそわが子を冒涜することになる。
ちなみにフランスに「ひきこもり」とか「落ちこぼれ」がいないわけではないが、「自立」はともかく「自活」する。そもそも、「ひきこもって親と一緒に飯を食いたくないならトットと出て行け、ここはお前のウチじゃないんだから」とバシッであろう。
(後略)
この記事も、先に紹介した
マイナビ学生の窓口(2015年3月1日)
世界主要国の大学進学率、大学入学年齢はこうなっている!http://news.livedoor.com/article/detail/9896801/
の記述
「北欧では、高校卒業後、「経済的に自立する」ことが若者たちの常識となっていて、社会経験を積んだ後にキャリアアップや知的探求心のために大学に入ることが多いようです。
そして、企業も大学卒業年齢を問わない等、このような流れを受け入れる社会が形成されていいます。」
と同様のことがフランスに当てはまるように書いてあります。
しかし、今回私の欧米の友人達の話を聞いた限りでは、フランスでもこれはごく一部の家庭の話であり、また、学生への国からの補助の大きさを考えると、学生が親の援助なしに高等教育を受けたとしても、日本の一部の学生のような悲惨差はないのではないか、と思います。
とはいえ、グランゼコールに進学となると、これは親がかり援助は必須となりそう。
ウィキペディア
グランゼコール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB
ウィキペディア
グランゼコール準備校
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%BA%96%E5%82%99%E7%B4%9A
フランスの日々
グランゼコールの組織形態と学費
http://www.francedays.info/2008/08/blog-post_04.html
抜粋:
技術系のグランゼコールは公立が多く、年間の学費も0〜1000ユーロ(0〜16万円)ほどです。それに対し、商業系のグランゼコールは公立/私立が半分ずつぐらいで、学費も7000〜8500ユーロ(110万〜140万円)と高額でした。僕自身は商業系のグランゼコールが高額な授業料を要求していることを知らなかったので、訂正したいと思います。商業系のグランゼコールはかなり特殊で、一般の大学や技術系のグランゼコールと違い私立の率も高く、学費も日本のものと同額ぐらい払う必要があるようです。
グランゼコールは、私の若いニューカレドニア人の友人(父親はフランス生まれ、母親はニューカレドニア生まれのフランス人)が卒業しています。
彼のお母様はものすごい教育ママであったとのこと、日本のような学習塾はないにせよ、まあ、それなりにお金はかけ、18〜19歳にはニューカレドニアから我が子をパリに送ったわけですので、学費も含め教育に掛けた金額は莫大なものだったことでしょう。
(今友人は超高級ホテルチェーンで働き、米国を拠点に世界各地を飛び回っています。
彼の姉も高校卒業後はパリで学びファッションの仕事に就きました。)
グランゼコールのような教育機関が日本にできないものでしょうかね。
グランゼコールのようなものができると、職業に直結しない高等教育が軽視される可能性はあるかもしれません。
しかし、「大金かけて高等教育を受けてもアルバイトで食いつないでいる」人にとっては、頑張れば頑張るほど職に就く確率が高くなるグランゼコールのような教育機関はあってほしいです。
「大学入試でどこの大学に入ったかが大切」なんて言う意見が出たり、コネが就職にもものをいう日本-
Education 3
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/5d7ea6226d0c7d0424735b656277a213
で、池田信夫氏のコラムを紹介しましたが、再掲。
Newsweek (2011年12月22日)
『大学教育を否定する、ユニクロ「大学1年4月採用」の衝撃』
By 池田信夫氏
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2011/12/14.php
(前略)
「ユニクロ」を経営するファーストリテイリングの柳井正社長は、大学1年で採用する方針を表明した。すでに今年の4月2日に、内定を出したという。この社員は在学中は店舗でアルバイトをし、卒業と同時に正社員になる予定だが、4月3日に退学して正社員になったほうがいい。ユニクロの年収は300万円ぐらいなので、4年間で1200万円になる。大学の授業料は私立だと3年分で400万円以上になるから、大学を中退して就職すれば、合計1600万円以上も得になる。
こういう雇用慣行は、昔はあった。外交官には大卒の資格が必要なかったので、外交官試験に在学中に合格した学生は中退するのが普通で、外務省では「大学中退」がエリートだった(今は外交官試験が廃止されたので普通の公務員と同じ)。しかし、これは役所が「大学で4年間勉強しても社会では役に立たない」と考えていることになる。それなら高校生は、なぜ多大なエネルギーをかけて受験勉強するのだろうか?
それは大学がシグナリングの機能をもっているからだ。企業が労働者を採用するとき、誰の能力が高いかを判別することはむずかしい。面接しても誰もが「私は能力がある」とアピールするので、優劣がつけにくい。こういうとき多くの人が合格に多大な労力をかけ、点数で序列がはっきりしている入学試験があれば、卒業した大学を見るだけで学力試験をしなくてもいい。
つまり学歴は「私は**大学の入学試験に合格できる能力がある」というシグナルを出しているだけで、4年間の勉強は企業にほとんど評価されていないのだ。世界銀行などの調査でも、経済成長に教育のもたらす効果は統計的に有意ではなく、特に大学教育はほとんど寄与していない。しかし大学に進学することによって生涯賃金は上がり、高卒との収益率の差は拡大している。これは学歴のシグナリング機能によって、いい職につけるからだ。
(後略)