イギリスはじめ数か国で暮らしたことがあり、料理が大好き、グルメ・グルマンである友人Tと、料理が不得意、おおざっぱな私との会話です。
私「あなたの職場の界隈で、おいしいスコーンを食べさせてくれるお店はない?」
T「僕は、日本で供されるスコーンって余り信用していない。ほとんどの洋菓子同様、スコーンも、日本の店でスコーンと称して出てくるものの方が食べ物としては上で、スコーンであると思わなければ十二分に美味しいものだと思う。
でもね、やはりドロッとしたクリームやジャムをたっぷり付けて、ミルクティーと食するスコーンは、不恰好にバックリ割れて、妙に粉っぽく、うっかり噛むとぼそぼそと崩れてくるアレでないと、ダメなんだよね。」
私「ふーん。こんな私でも昔はスコーンを焼いたりしたのよ。家族に案外好評だったんだけど、もう何年も焼いていないわ。
私が焼いていたスコーンは、あなたがイメージするスコーンにちょっと似ていたかも。」
(誇らしげに言ったセリフ)
T「参照したレシピにもよるけど、君の手作りは実は近いものだったかもね。
林望の『イギリスはおいしい』の巻末にスコーンの焼き方が書いてあって、不器用なイギリス人が皆家庭で作るだけあって、さほど特殊な技能を要するものではないようなことが書いてあった。」
私「・・・・・」
Tは、私に喧嘩を売っているつもりはなかったそうです。