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波佐見焼が有名になった理由・「焼きムラ」について

2023年03月04日 | 生活・日常

無名だった波佐見焼 なぜ人気に - Yahoo!ニュース

陶磁器卸商社・西海陶器(長崎県波佐見町)の3代目、児玉賢太郎さん(39)は地場産業の波佐見焼をワールドワイドなブランドに押し上げた立役者のひとりです。企画開発を行うグループ会社・東京西海(2013年創業)を足がかりに“MADE IN HASAMI”のブランドを矢継ぎ早に立ち上げて結果を出し、32歳を迎えた年、15年に家業の代替わりを果たしました。しかし児玉さんはおごることなく、「わたしの仕事は父がまいた種に水をやること」と言います。

「こんなものが売れるわけがない」  社長で父の盛介さんは児玉さんに強烈な一言を浴びせました。  矢面に立たされたのはテーブルウェアの「ハサミポーセリン」。篠本拓宏さんをデザイナーに迎えたそのブランドは、一切の装飾を廃しシンプルを極めたフォルム、そして独自の配合と焼成温度がもたらすざらりとした手触りを特徴としました。  篠本さんはインテリアショップのイデーでキャリアを積み、ロサンゼルスを拠点に活動していた知る人ぞ知る存在。ハサミポーセリンは西海陶器アメリカ支社の主導で2012年に始動したばかりのプロジェクトでした。

 児玉さんはこのブランドを東京西海の目玉として売り出そうとしていました。  「焼き物と言えば釉薬でコーティングするのが常識でしたから、父の理解の範疇を超えていたのでしょう。しかしふたを開けてみれば増産に次ぐ増産。最高のスタートが切れました」  この方向で間違いない――。自信を深める児玉さんのもとに一通のメールが届きます。送り主は米国のアップル社でした。  「いまどきお粗末な迷惑メールだと思ったら本物でした。ハサミポーセリンの存在を知って直々にオファーしてきたのです。アップルのマグカップはうちでつくりました」

(後略)

私が脳出血を起こして、食器を夫や息子が洗うようになって、お気に入りのそろいの茶碗を雑に扱うのが気になって買ってきてもらったお茶碗が、「波佐見焼」。

その時と違って、お茶碗などの洗い物をできるようになった私が、今度は大き目のマグカップが欲しくなって夫と出かけて購入したのも「波佐見焼」。

私が遠くのお店に買い物に行けるならば、「波佐見焼」という無名の焼き物で、しかも、他の焼き物ではおそらく不良品になあるような「焼きムラ」を「製品の特長」とするような焼きものは購入することはなかったのですが、近所で何とか歩いて買いに行けるお店には、「波佐見焼」の焼き物しか置いてなかったので購入しました。

「波佐見焼って初めて聞く名前だけど、なぜこんなにメジャーになったのだろう」
と疑問に思っていたので、すっきりしました。

「こんなもの売れるはずがない」-社長の盛介氏の言葉は、ハサミポーセリンのプロジェクトに向けられたものだったのでしょうか。

HASAMI PORCELAIN(ハサミポーセリン)|threetone【online shop】 (three-tone.com)

HPを見る限り、ジョルジョ・モランディの絵の被写体に似た色合いで素敵だと思いますし、たぶん盛介さんもそう思ったのではないでしょうか。

 

「こんなもの売れるはずがない」でなく、消費者の側である私が買うのにためらうとすれば、普通の焼き物でははじかれるだろう「焼きムラ]があることから。

もちろん、普段使い用であって、値段が手ごろであるならば購入することもありますが、「焼きムラ」があるお茶碗やお皿を客用にしたり、人のプレゼントに選ぶかと言ったら、おそらくしません。

この感覚は、60年代生まれの人なら平均的であると思うし、それに加えて私は潔癖、完全主義なので特に厳しい評価になってしまいます。

 

ワケあり焼きもの、ウソ&ホント? | 波佐見焼の通販サイト – Hasami Life

抜粋:

焼きものの原料は、石や土などの自然物。だからこそ、自然環境に大きく影響を受けます。気温や湿度によって、生地の収縮率や窯の中の環境が変わるので、職人たちは季節や天気と相談しながら、その都度細かく調整を重ねます。また、すべての工程に人の手が加わっているのも波佐見焼の特徴ですから、形やサイズ、焼き色にわずかながら個体差が生じるのも自然なことです。この個体差が「出荷できるレベルか?」を判断する作業を『検品』といいます。

検品という最終関門をクリアした焼きものは、「A品」と呼ばれてそのまま出荷されていきます。一方、なんらかの理由で突破できなかった焼きものは「B品」、つまり、“ワケあり品”となってしまい、通常の販売ルートにのることができません。このワケあり商品は生産量の1割くらいを占めます。職人の目から見ると、100点はつけられなくても、わたしたちが見たら「これって、どこがダメなの?」と思うクオリティの焼きものがたくさんです。

 

冒頭に記事の「アップル社が認めたから波佐見焼が人気」と言うのはちょっと悲しいです。

波佐見焼がこれほど広く売られるようになったのは、アップル社ほか、アメリカやシンガポールのおかげかもしれません。しかし、人気がでたのは、電子レンジ多用しても大丈な食器、値段も手ごろ、と言うところからであるように思うのです。

「焼きムラ」がどうしても避けられないのであれば、「開き直り」にも受け取れるような注意書きよりも(確か、私が購入したお店のディスプレイにも、「焼きムラは特性なので返品に応じません」的なことが書いてあったと思います。)、それが難点であることを認めたうえで、それを超えるメリットがあることを伝えるような売り方のが好感度があがりそうな気がします。

私が購入した茶碗とマグカップは「ギフト、雑貨店」で売っている少数から選んだもので、西海陶器さんのものではありませんでした。

でも、「焼きムラ」が「味」になるだろう製品を西海陶器さんはじめ、各メーカーさんが作っていくことで、本当の人気につながるとよいなと思います。


仮置き:

美の巨人たちージョルジョ・モランディ・グリッツァーナのアトリエ - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

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