三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

地球温暖化と陰謀論(3)

2021年09月11日 | 陰謀論

地球は温暖化しているか、温暖化しているとして原因は何か、どういう影響があるかなどについて、どの意見が正しいかは素人にはわかりません。
とはいえ、地球温暖化肯定論の背景には陰謀があるという考えはおかしいことはわかります。

渋谷で若者対象ワクチン接種に朝から大行列というニュースに対し、ワクチン反対派の人たちがエキストラだとツイートしています。
http://urx3.nu/QRXg
陰謀論者の想像力には驚くばかりです。

ワクチン陰謀論者の主張は矛盾に満ちているし、人によって考えも違っています。
だからといって、陰謀論者の間で論争があるわけでもないようです。
これはなぜなのか不思議だったのですが、ナカイサヤカさんによると、解釈の相違にすぎないそうです。

國枝すみれ「新型コロナ 「反ワクチン派」は何を考えているのか」

ワクチン反対派の一部が、トランプ前米大統領の選挙での敗北を認めずに連邦議会議事堂に突入した陰謀論者「Qアノン」に合流していくのだ。白人至上主義者や、政界などが小児性愛者に操られていると信じる人たち、そしてワクチン反対派が、一つの傘の下に集まる。寄せ集めで主張もまとまりがなさそうなのに、「Q」がネットで発する文脈を共有することで共存する現象が起きている。なぜだろう。
「コミュニティー型だからでしょう。Qアノンは、与えられた言説を信じるのではなく、Qという人物の謎かけに対して、ああでもない、こうでもない、と自分たちで回答を考える集団です。自分たちが編み出した答えだから、どんな内容であってもそれは正しいのです。答えが千差万別であっても、それは解釈の相違なのです」

https://mainichi.jp/articles/20210707/k00/00m/040/134000c

池内了『疑似科学入門』にこうあります。
政治家は信用できない、大手企業は自分たちの利益しか考えない、メディアの伝える情報は歪んでいると我々は思いがちだ。

途上国開発や、巨額な予算の使い道や、企業の不正に対して私たちが憤るのは大事なことだ。その怒りをまっとうにぶつければ実のある成果が得られるだろう。なのになぜか怒りの矛先が的を外れ、子供じみた空想と結びついてしまった。「巨大製薬会社は悪だから代替医療のほうがいい」と考えるのと同じくらい浅はかで短絡的である。


代替医療についてもナカイサヤカさんの説明が参考になります。

「代替医療やマルチ商法も反ワクチン派の温床です。代替医療にとって、治らない病気を抱える人はいつまでも通い続けてくれる上客です。代替医療やマルチ商法に取り込まれると、ちゃんとした医者に行かなくなるので、客の囲い込みになるのです」


ワクチンに反対している人の中には、真面目に否定している人ばかりではなく、金儲けのためにウソを垂れ流している人もいるようです。
ロバート・ケネディの息子ロバート・ケネディ・ジュニアも反ワクチン派だそうです。
「米国民に広がる接種の抵抗感、なぜ…? 著名な反ワクチン活動家・ケネディ氏に聞く」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/76341

しかし、ロバート・ケネディ・ジュニアは反ワクチンで294万ドル稼いだそうです。
「「反ワクチン」が産業に 収益40億円、雇用も生み出す―NGO」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021081200307&g=int

池内了さんはこのようにも書いています。

地球環境問題の否定派は、それだけを見れば真っ当な意見を述べる。(あるいは、真っ当な点のみを取り上げる。)間違ってはいないのだ。そして逆に、肯定派が犯した間違いや盲点をついて、いかにも環境問題は誤認の上で騒いでいるに過ぎないという印象を与えることに腐心する。非常に巧みな戦術である。

歴史修正主義者の手口がそうです。

池内了さんによると、環境問題などないと主張する理由の一つは責任逃れです。

環境問題は存在しないと批判している人の意見にも聞くべきところはある。かれらの言うことは部分的には正しいのだ。しかし、環境問題に責任を感じなくてもよいと安心させてくれるため支持されている側面も忘れてはならない。環境問題に人間が関係していることは間違いなく、それを免除するかのような意見を一面的に受け取るのは危険なのである。

「環境問題に責任を感じなくてもよいと安心させてくれる」ということが重要です。

グレタ・トゥーンベリさんは中国の手先とみなされているそうです。
志葉玲「「グレタさんは中国を批判しない」は本当?―10億人の子ども達が直面する危機とは」

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんについて、日本テレビが「グレタさん“日本は世界の子ども苦しめる”」と題した記事を今月21日に配信したことが、一部ネット上で論議を呼んでいる。ツイッターなどでは、右派/保守系層を中心に、最大の温室効果ガス排出国である中国をせず、日本を名指しするのはおかしいとの投稿が相次いだが、実際にはグレタさんは日本だけを名指ししたわけではない。日テレの記事タイトルにも問題があるが、グレタさんに「中国の手先」とのレッテルを貼ることで、温暖化防止に対する自国の責任をうやむやにしようとする、日本のネット上の風潮もおかしいのだろう。

志葉玲さんは門田隆将の「スポンサーと噂される中国に益々肩入れ(?)のグレタさん。立派な大人になりましたね。」というツイートを引用しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20210830-00255727

「温暖化防止に対する自国の責任をうやむやにしようとする」のはなぜか。
我々が快適な生活を求めたために環境が破壊し、地球は温暖化したとなると、我々一人ひとりにも責任があります。
それはイヤだし、温暖化防止のためには今の生活を変えないといけない。
それよりも、地球は温暖化していない、環境は破壊されていない、今まで通りの生活をしていいんだ、と学者言ってくれたほうがうれしいです。
たとえそれがウソであったとしても。

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