goo blog サービス終了のお知らせ 

三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

ジョン・ケリー『黒死病』

2023年01月23日 | 陰謀論

ジョン・ケリー『黒死病 ペストの中世史』は1447年から1450年にヨーロッパを襲ったペストの流行について書かれた本です。

ペストの死亡率は人口の30%、場所によっては50~60%が死んだとされる。
1343年~1450年、ヨーロッパの人口は、少なく見積もって30~40%、多くて60~70%を失った。

大勢の人が死亡したのはこの時だけではありません。
天然痘、インフルエンザ、赤痢、チフス、炭疽病などがくり返し流行し、人口の10~20%が死ぬこともあった。

また、地震、洪水、大雨、強風などの天候異変による災害で飢饉になることがしばしばだった。
13世紀末から次第に寒冷化し、1315~1322年には長雨と低温のために凶作が続いて大飢饉となり、イングランドの人口6~700万人のうち50万人が死亡。
ビタミン欠乏症、麦角中毒、発疹チフスなど様々な病気でも大勢が死んでいます。

飢饉とペストの流行は関係があるジョン・ケリーは書いています。
ペストが大流行する前には飢饉や伝染病の流行がありました。
胎児期や幼児期の栄養不良は免疫系の発達を阻害し、病気にかかりやすくなる。

2014年から2016年にかけて、ギニア、リベリア、シエラネオでエボラ出血熱が流行しましたが、リベリアでは1989年から2003年、シエラネオでは1991年から2002年に内戦が起きています。
内戦がエボラ出血熱流行の要因の一つかもしれません。

当時の衛生状態はひどいものでした。
ロンドンやパリといった都会でも、豚、牛、馬、羊、鶏、犬などが飼われていたし、ゴミや糞尿が大量に捨てられ、悪臭に満ちていた。
人々は服を着替えず、風呂にも入らない。
ネズミやノミが好む状態だったわけです。

当時の人はなぜペストで大勢が死ぬのかわかりませんでした。
鞭打ち行者が自分の罪を償うために自分自身を鞭打った。
これは苦行による滅罪で、神の怒り(ペストの流行)を和らげるためだったそうです。

ユダヤ人の陰謀と考える人たちもいました。
ペストの流行が広がると、ユダヤ人が井戸に毒を投げこんだなどの噂が流れ、各地でユダヤ人が虐殺された。

1348年11月には、フランス東部の情報通のあいだでは、ペストの原因が神の怒りでも汚染された空気でもなく、世界制覇をもくろむユダヤ人の国際的陰謀だということを知らない者はいなかった。

ユダヤ人も大勢死んでいるだろうに、どうしてユダヤ人の陰謀と思ったのでしょうか。

ヨーロッパ中世のキリスト教徒は悪いことが起こると常にユダヤ人に罪があると考えた。
ユダヤ人は金貸しをしているので金を持っており、それを奪うのも虐殺をする理由の一つだった。

1321年2月の大雪の後、フランスではらい患者が皆殺しにされた。
フランス国王に新しい王をすえ、男爵や伯爵も新しくしようというライ患者の、企みが明るみに出たためだという。
ライ患者は灰色か黒の服を着て、警戒を促すガラガラを持たなければいけなかった。
ユダヤ人とムスリムが盟約を結び、井戸に毒を入れるようライ患者を雇った。

ユダヤ人は儀式のために子供を殺しているという噂も流れた。
ディープステートという世界征服をたくらむ闇の組織の存在を信じる人は、彼らは小児性愛者だと言い、子供が行方不明になると、やっぱりと思うようです。

細菌やウイルスの存在を知らない中世の人がユダヤ人の陰謀だと信じたのは仕方ないかもしれません。
では、科学知識のあるはずの現代で、反コロナ、反ワクチンの荒唐無稽な陰謀論を信じる人が少なくないのはどうしてでしょうか。

ドイツ、クーデター計画容疑で25人逮捕 議事堂襲撃を画策と
ドイツ連邦検察は7日、政府転覆を図ったとして、25人を逮捕したと発表した。貴族の末裔や極右関係者、元軍人、ロシア人女性、陰謀論「Qアノン」の信奉者などで構成されるグループが、連邦議会議事堂を襲撃し、政権を奪取するつもりだったという。(BBCニュース2022年12月8日)

https://www.bbc.com/japanese/63884601

陰謀論者はバカだと笑ってすますわけにはいきません。
反ワクチン、反マスクの信者も過激な行動していますし。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。