三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

国を守る

2005年12月05日 | 戦争

某氏より『シンポジウム・記録集 大震災の教訓は生きているのか』をいただく。
阪神大震災から10年、「追悼・連帯・抗議の集い」のシンポジウムの記録である。
その中で、野田正彰氏がこんなことを言っている。

この阪神で自衛隊の姿がなかったと、盛んに言われて、それで、新潟に行くと自衛隊の姿が公然と見えます。(略)
私たちの文明では、未だになぜ大砲とか銃を構えた車両とか船が災害地に行くのか。(略)
なぜ今、逆のことが起こらないのか。災害用の船とか、ヘリコプターがあって、それが急に戦争をやらなくてはならなくなったから、砲弾を急遽つけて行くというんだったら、そのほうがまだましなんですけども。

なるほど、災害があった場合、自衛隊が救援に行くのは当然だという感覚は、私にもある。
そして、自衛隊の力で多くの人が助かったように思っている。
ところが阪神大震災の場合、瓦礫の中から救出された人の80%は近所の人によってなのだそうだ。

地震、台風、津波などといった災害があった際に、速やかに対処、行動する組織(文字通り自衛隊です)が必要だという意見は以前から目にする。
ところが、そのことについて議論されることはないように思う。
自衛隊があるんだから、そんなものをあらためて作る必要はない、ということか。
じゃ、自衛隊の仕事とは何なのかということになる。

(追記)
安倍政権では集団的自衛権の行使を容認しました。
自衛隊の仕事が増えたわけです。

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10 コメント

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Unknown (RR)
2005-12-11 18:13:31
普段救助隊をしていて、いざ有事には軍隊?そんなことでまともに機能するわけが無いじゃないですかー。軍隊としての訓練を受けていれば自然と施設の設営や撤去、人命救助から避難所の運営(食事・医療)なども含まれますが、救助隊の訓練で銃を撃ったり複雑なハイテク兵器の操作はしないですからね。大は小をかねることができますが、普段小さいものがいざというときに大きいものの代わりを務めることは難しいのです。
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自衛隊に責任なし (加納 綾一郎)
2005-12-12 04:02:05
現代はミサイル兵器の発達、移動の高速化に伴い、僅か数十秒単位で戦闘が行われる時代です。普段の戦闘訓練無しに即有事に対応はできません。

災害救助はあくまで裏芸であり、本来の任務である「国民の生命と財産を守る」が疎かになっては意味がないと思うのですが?



そもそも、アメリカ第七艦隊の救援参加を断り無駄な犠牲者を出したのは村山政権であり、自衛隊の迅速な展開を妨げたのは左翼系自治体首脳。

自衛隊にはその意思も能力もあったのですが。

シビリアン・コントロールですぐには動けなかっただけ。

それとも、旧軍よろしく独断専行していれば良かったのですか?
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救助 ()
2005-12-12 08:14:44
コメントありがとうございます。

野田正彰の言ってることの後半、たしかにおかしいと思います。

災害救助隊が武器を持って戦争に行くなんてこと、そりゃ無茶です。

言葉のはずみでそんなことを言ったんでしょうね。

自衛隊だけが活躍している、そういうマスコミ報道への批判がまずあります。

そして、国内外の災害に対して軍隊が出動しなければ、まともな救援活動ができないということはない、災害救助などを普段から訓練していて、速やかな活動ができる組織が必要だと思います。



>「自衛隊出動の命令が出ず自衛隊不在のため、80%もの人たちを一般の市民が救助せざるをえなかった」ってのが正解でしょう。

一般市民が「せざるをえなかった」のではなくて、「すべきだと思った」から救助活動をしたんでしょう。



>災害救助はあくまで裏芸であり、本来の任務である「国民の生命と財産を守る」が疎かになっては意味がないと思うのですが?

ということは、自衛隊に災害救助を任すべきではなく、災害救助のための専門の組織が必要だということでしょうか。
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Unknown (蒼夜)
2005-12-12 18:29:15
野田正彰氏の発言の「災害用の船とか、ヘリコプターがあって、それが急に戦争をやらなくてはならなくなったから、砲弾を急遽つけて行くというんだったら、そのほうがまだまし」

に対して

「災害救助はあくまで裏芸であり、本来の任務である「国民の生命と財産を守る」が疎かになっては意味がないと思うのですが?」

かと
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Unknown (加納 綾一郎)
2005-12-12 18:33:28
>ということは、自衛隊に災害救助を任すべきではな

>く、災害救助のための専門の組織が必要だということでしょうか。



阪神神戸大震災の教訓をもとに、既に災害救助専門チームはハイパーレスキューをはじめとする組織があります。

ただし、消防庁にも得手不得手があります。

瓦礫の除去には土木工事能力を持つ工兵部隊。さらに救援物資の輸送には、ヘリコプターを持つ自衛隊のフォローが必要です。

戦闘に役立つものは、平時にも十分役に立つのです。



つまり、何も自衛隊を「サンダーバード化(笑)」する必要はなく、お互いに補い合い、助け合えばいい、という当たり前の結論です。

問題は石原都知事が出てくるまで、警察・消防・自衛隊の横の連絡、共同訓練がさっぱり行われなかったことにあります(嘆息)。

命を救うためなのに、「自衛隊憎し」な、左翼系知事が邪魔していた訳で。
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ふむ ()
2005-12-12 22:03:43
うーん、説得力がありますね。(笑)

とはいえ、私としては自衛隊の活躍に期待しなくてもいい体制作りをしてほしいと思っています。

それと話は違いますが、問題を武力によって解決すべきではないというのが、私の基本的な立場です。

理想論だと言われるでしょうが、まずはそこが出発点だと考えています。
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Unknown (蒼夜)
2005-12-13 07:40:38
「武力で解決すべきではない」はごく普通なことかと

「武力での解決もやむを得ない」という選択肢を認められないのは理想論ですが
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あれっ ()
2005-12-13 19:15:31
「~かと」という連体止めの文体、ひょっとして座禅をされている○○さんでしょうか。



>「武力での解決もやむを得ない」という選択肢を認められない

「認めない」というのは私の理想とは少し違うのですが。

それはともかく、武力での解決をせずにすむ社会になればいいですね!
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Unknown (蒼夜)
2005-12-14 04:38:08
坐業なら少々たしなみますがまぁ別人だと思われます



武力解決しないですむようになればいいんですけどねぇ・・・

話を聞かない奴が多くて困りますね
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我が家でも ()
2005-12-14 20:34:32
力で抑える方が話し合いよりも面倒がなくていいですからね。

家でもそうでしょう。

もっとも、妻や子供の力のほうが強くなってきた昨今では、武力では私が負けそうですが。
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