道ばたに転がっている吸い殻をよく見ると、たいてい同じ場所に何本も種類の違ったたばこが落ちている。たいがいが側溝の細いすき間のあるふたか、ガードレールの植え込みの近くだ。無造作に捨てられている吸い殻を見ると、日本人のモラルの低さをひしひしと感じる。
私は禁煙を始めて、ようやく一年がたとうとしている。以前は煙の香りがすると、自分もポケットのたばこに火をつけて、煙をまき散らしながら、側溝にポイ捨てしていた。
しかし、自分がやめてしまうと、これほど嫌なものはない。今までいい香りだと思っていたあの煙のにおいが、遠くからにおってきても鼻につく。前を歩くおじさんが歩きたばこをしていると、速度をあげて追い抜きにかかる。最近では、たばこのにおいのする場所を避けるようにもなってきた。
禁煙としては大成功であろう。何で今まであんなものを口にしていたのか。たばこの麻薬性とでもいうのだろうか。副流煙が他人の健康に影響をおよぼすと指摘され、喫煙者は半ば犯罪者のように次第に隅に追いやられている。
人間とは勝手なもので、自分の都合で必要なものと不必要なものを選んで使っているが、たばこを吸う吸わないにかかわる考えや感じ方は、まさにそうだろう。
最近、近くのタバコ屋のおばさんがよそよそしくなった。販売機でたばこを買わなくなったのに気がついたのか。何となく遠慮しながら朝のあいさつをして通る。清々しい朝の空気をいっぱい吸い込んで。
最新の画像[もっと見る]
- 植松聖「人を幸せに生きるための7項目」 4年前
- 植松聖「人を幸せに生きるための7項目」 4年前
- 植松聖「人を幸せに生きるための7項目」 4年前
- ボー・バーナム『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』 5年前
- 森達也『i -新聞記者ドキュメント-』 5年前
- 日本の自殺 5年前
- 日本の自殺 5年前
- アメリカの多様性 5年前
- 入管法改正案とカファラ制度 6年前
- マイケル・モス『フードトラップ』 6年前
ただ、普段の自分から考えると煙草のメリットがほとんど感じられないので、あんなに高いものを買う気にはなれないですね。
私はたぶんその遺伝子がないのだと思うのですが、あまりおいしいとは思いませんね。
タバコがどんなものか知りたいのなら、ためしに人のタバコをもらって吸ってみたらどうですか。
これも社会勉強ですよ。