松本史朗『法然親鸞思想論』の前半は、平雅行『日本中世の社会と仏教』と袴谷憲昭『法然と明恵』に対する批判である。
二人は、法然は念仏以外では往生できない、すなわち諸行不往生を説いたと主張するが、それは間違いである、法然は諸行でも往生できるが、諸行往生は本願ではない、すなわち諸行非本願を説いたと、松本史朗氏は反論する。
もっともであるが、しかし「弥陀の下における宗教的平等」という主張に対する根本的な批判とはなっていないと思う。
後半は『後世物語』と『唯信鈔』は親鸞の著作であるという松本史朗氏独自の説が論じられている。
松本史朗氏は親鸞について専門ではないだろうと思うが、それなのにこういう論文を書くというのはすごいと感心した。
法然の言葉とされているものには後世の付加(特に親鸞系の)がかなりあるとは知らなかった。
それにしても、この松本説はどのように評価されているのだろうか。
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