三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

被害者の気持ちと人権

2009年11月10日 | 日記

「複雑な心境」遺族ら会見 オウム2幹部の死刑確定
広瀬健一、豊田亨両被告に対する上告審判決を傍聴した遺族らが、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、最終審の判断を受けて、心境を語った。
 「地下鉄サリン被害者の会」の代表世話人で、営団地下鉄職員だった夫=当時(50)=を殺害された高橋シズヱさん(61)は、1審から最高裁まで傍聴してきた。「2人の被告は真摯に裁判に臨んでいた」と振り返った。「被害者や遺族が望んでいた判決ですが、2人は年齢的に私の子供と同じぐらいで、複雑な思いもする。オウム真理教事件の中では、2人は被害者だった」と語った。
広瀬被告がサリンを散布した地下鉄丸ノ内線で被害に遭い、重度の障害を負った浅川幸子さん(46)と傍聴した兄の一雄さん(49)も「許す訳ではないが、私も人の親。子供が過ちを犯し、判決を受けると考えると悲しい、複雑な気持ちになる」と話した。
 その上で、「被告は拘置所で最低限の保障を受けられるが、被害者は置き去り」と述べた。言語障害が残る幸子さんは「オウム、大バカ」と声を上げた。
 日比谷線で被害に遭った大上雅子さんは、これまで会見などを避けてきた。
 「事件には触れたくなかったが、事件を知らない世代も増えてきたなか、伝えていかなければならない」と、事件風化への懸念を口にした。
(産経新聞11月6日

被害者の方二人は複雑な心境だと言われているのだが、ではネットの反応はどうかというと、「死刑は当然。さっと執行しろ」というようなものがほとんど。
それと、千葉法相を死刑反対派だとして非難するもの。
極めて単純な感想である。
被害者の気持ちを考えたらということがよく言われるが、この人たちは被害者の気持ちを考えていないわけである。

「週刊新潮」に、結婚詐欺で逮捕された女性の知人男性が不審死した事件の記事があった。
女性は逮捕されていないし、起訴されていないし、裁判にもなっていないし、有罪が確定したわけでもないのに、実名、顔写真、経歴その他が詳しく載っていて、犯人扱いである。
無罪推定の原則以前の問題である。
これは「週刊文春」も同じで、「疑惑の銃弾」の反省をしていないらしい。
それよりももっと驚いたのが、「週刊新潮」は亡くなった男性(もちろん実名)のことを「吝嗇家」と書いていることである。
これはあまりにもひどい。
週刊誌の人権無視は毎度のことではあるが、だけどこんなことを平気で書く「週刊新潮」が、被害者の気持ちを考えたら死刑は当然云々なんてよく言えるもんだと思った。

コメント (2)
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