さて、ドル高基調が続いており、金も低落傾向である。このドル高、通常とは異なり、雇用統計の値がよかったことで、米国回復の傾向を期待したことから始まったのであった。同時に、ドルキャリーの巻き戻し、円キャリーの復活といった連想から一時大幅円安となった。これが雇用統計時の第一段階の動きである(アメリカ回復期待ドル高)
次にドル高から通常の連想で円高となり、急激に87円台までドル円が下がった。株も若干安くなった。これが第二段階の昨日あたりまでの動きだ(リスク懸念ドル高)。
さて今日辺りの動きを見ていると、ドル高の基調は変わりなく、金も下げ気味であるのだが、NYの株価先物はむしろ上げている。ということは、ドル高の性質として、むしろ第一段階の方が強くなっているという見方もできる。ドル円もとりあえず87円まで下げたところでリバウンド的(窓埋め的)上昇もあり得るところであり、このドル高の性質の評価という問題は今後重要になってくると思う。あれだけのドルの垂れ流しで、長期的に米国経済の良評価でドルが上がる理屈がないのだが、当面皆がそう思えば動くのが為替相場である。何を思ってドル高となっているのかという問題は充分に考える必要があるだろう。それによってドル円の上下も定まってくるはずである。GSRは横ばいであるが、ドル高の要因をGSRの動きやNY株の動きからさぐっていけば、今後の動きはわかってくるだろう。今の相場の中心課題は「ドル高」であり、この性質がつかめればあとの考察はついてくる、と思う。
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