FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



先週のバーナンキ演説が特に内容のないものに終わったため、相場はややサスペンドといった模様になった。今週も安定性のない動きになると思われる。
 
ところで、中期的見通しだが、米国株価については、8,9月は毎年の悪化の時期であって、その後なんとか盛り返すという意見と、さらに下げて二番底を目指すという意見と、両様の見通しがあるようだが、私は前から書いているように、後者である。
 
今日は、もうひとつ別の材料からそれを示してみよう。サブプライム問題に始まった今回の景気悪化は、当初から不動産ローンという金融問題に端を発していた。(オイルショックの不景気などとは異なる)。そして、それは今でも尾を引いていて、民間の信用問題が、ソブリンリスクへと移転して、ユーロ圏の国家債務に象徴されるように、やはり金融問題がその中心的テーマとなっている不況なのだ。ここ数ヶ月では、バンカメの株価が大きく下落するなど、欧米の民間の金融機関の経営悪化も再度取りざたされている。

画像であるが、上段は米国銀行株指数、下段はダウで、それぞれ月足である。ご覧の、水色矢印で示したように、2007年も、そして今年2011年も、銀行株指数が下げ始めたポイント(矢印)からしばらくはダウはまだ上昇するが、数ヶ月遅れて下降に入るという流れになっていることがわかる。ダウだけ見ていると、今年のチャートは、一時的に下落して、秋以降また盛り返す可能性があるかのように見えなくもないが、銀行株指数の方のチャートでは、底からの50パーセント戻しに止まり、ダブルトップあるいはトリプルトップから、すでに裾野を下り始めており、この後、2008年のような大きな下落になる可能性が高いと見えるだろう。追って、ダウも同じ道を通り、2009年初頭のリーマンショック時の底を再度探る、あるいは更新する動きとなる可能性が高いと考えている。
 
株価は、もちろんセクター毎に異なった動きをするものだが、少なくとも今回に限っては、金融株の動向はひじょうに大きな意味を持つはずだ。今後も、銀行株指数についてはさらに慎重な観察を続けていきたい。



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週末はバーナンキに当面策がないことがわかり、次のFOMC期待で株は上げ、金も上げた。来週もこの流れとなるだろう。ただ、株の上昇には限界があり、ヴォラタイルな相場になることは間違いない。

さて、前から注目しているスイスフランだが、スイス当局の徹底的締め付け(週末にはUBSのフラン預金に手数料をつけるという噂も出た)によってフラン安に誘導されている。長期サイクルからもドルスイスフランは底値圏であり、ここからの動きは注目される。スイス円も110円近くに暴騰してから急落し94円台に低迷しており気になるところである。

さて、まずドルスイスフランの方であるが、私見では、もう一度、底(フラン高)を試し、来年前半にダブルボトムになってから上昇(フラン安)となると思っている。理由は、この後、ドル安による強い円高が来ると考えているからで、そのときに再度平行してドルスイが下げるはずだと推論するからだ。ドル円もドルスイスも日瑞両当局の介入が効かない状況が来ると思っている。

次にスイス円である。画像はスイス円の長期チャートであるが、ほぼ10年周期で山を形成しており、現在はサブプライム時の80円からの上昇に入っていると考えている。前にも書いたように、今後の円安(クロス円高)を先取りしているのがスイスフラン円と認識している。したがって、この後も90円から85円程度までの下げはあり得るが、そこからは数年後の120円から130円を目指して上昇にかかると考えている。過去の例では、70年代から1980年にかけては、たった2年で80円から120円に上昇し、そこから5年で150円となっている。80年代末から90年にかけても同じく2年間で80円から120円になっている。これを見れば、今回も、2013年に120円になっていても不思議ではないだろう。



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1900ドルを超えていたゴールドだったが、さすがにテクニカル的調整となった。証拠金引き上げがきっかけになったが、十分に考えられる調整である。1900ドルを超えて満玉を張っていた人もいないだろうから、金投機家の損害はおそらく少なかっただろう。下落前のコメントでも、亀井氏が「押し目買い、ただし、高値圏ではポジ調整」という方針であるという紹介があったが、納得の戦略である。
 
当方も長期玉を少なめにして放置でちょっと出かけていたので、ようやくこの午後に1770ですこし買い増しというところである。ダウゴールドレシオでは1900越えで5.7まで下げていたのが6.6程度にまで反発した。もともとのサポートの7.5まで戻ることは、いままでの例ではまったく存在しないので、そろそろ押し目買いの安全圏と言っていいのではないか。ストップを入れつつ押し目で買う姿勢でいきたいと思う。

バーナンキ演説が注目されるが、おそらくQE3と銘打ったものが打ち出させる可能性は少ないだろう。緩和姿勢の継続を何らかの量的な裏付けのもとで宣言するということではないか。いずれにせよQE1,QE2がどうなったかを考えれば、中長期のポジションには何の変化も必要ないだろう。ただ、株の中長期ショートはちょっと危ないので、もうすこし様子が見えてから、量の調整をしていきたい。

為替はまだわからない。これもバーナンキ演説のあと追っかけていく予定だ。ドル円はやはり戻り売り基調で考えていきたい。



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先のエントリーで,今後の大きな株価下落を予測したが、同じ方向でもうひとつ材料を示してみよう。画像は、ゴールドカッパーレシオの月足である。ご覧のようにリーマンショック以来、350を中心に前後50程度のレンジ相場だったところ、今月になって400をぐんと超えて、先週は466まで上昇した。ゴールドカッパーレシオは、GPRなどと同じく、金(貨幣としての金属)と銅(工業原料としての金属)との価格比であり、上昇時は経済危機を示す。今回の上昇の勢いは明白にリーマンショック時に至る時の動きと同等のものであり、今後ひじょうに大きな危機が来る可能性を示している。MACDを見ても、ゴールデンクロスが起こってシグナルが上昇し、またMA200とMA50が5年半ぶりに交差し、ここからかなりの長さの上昇期に入ったのではないかと思わせる。もちろん、月足の観測なので、来週からただちにどうなるかは、このチャートでは読めないが、先のダウゴールドレシオも合わせ考察するに、市場の雰囲気は、二番底に向かっていることは間違いないだろう。中期ポジションは、株の売りで、まずは問題ないものと思う。為替や金のポジションもそこを基準に演繹していくことになる。


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米株価の動向が気になる相場状況だ。かなり落ちてきているのでいったんの大きなリバウンドがあるか、あるいは、さらにもう一段落ちるか、ひじょうに読みにくい。しかし、チャートで示した株金レシオ(ダウゴールドレシオ)からは、さらにもう一段の株安がある可能性が高いように見える。

先日のエントリーで示したように、ダウゴールドレシオの月足ではRSIがかなり下がるべきだと言ったが、先週では月足RSIが28という値でありかなり下げてきているが、まだ下げ余地は十分にある。日足では、画像のように、レシオが再度6.0を割り込んでおり、現在の5.8あたりからさらに下げて5.0のサポートまで突っ込む可能性が高いのではないか。

株金レシオの下げのうち、金の上げと株の下げのどちらの可能性が高いかと言えば、1900ドルに迫っている金よりも、まだ11000前後にあるダウの方がはるかに下げ余地が大きい。リーマン時にフィラデルフィア景況指数がマイナス30であった頃にはダウは7000ドル程度だったわけで、現在のダウの価格は相当に割り高である。ということで、ダウゴールドレシオが5.0というと、金が1900ドルとしてダウ9500ドルの計算となり、場合によっては9月上旬までにダウの1万ドル割れが見られるということになる。

ダウ1万ドル割れとなれば、ドル円もさすがに76円というわけにはいかないだろう。74円台は見るのではないか。米国10年債利回りも2.0割れが常態化しそうである。


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前から書いているFRBのプリントマネー政策への共和党側からの批判がさらに過激になってきた。有力大統領候補のペリーが「バーナンキ議長が「今から来年11月の選挙までの間にさらに紙幣を増刷すれば『背信行為』とみなす」と述べて」いたが、さらに批判を過激化しているようだ。

FRB側は当然ながら無視するかまえだが、この問題は簡単ではない。QE3の実現にはさらに大きな障害となってくるだろう。FRBが批判され、金が高騰する、まさに予想通りの世界が始まったと言える。


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昨晩のNYはフィラデルフィア連銀製造業景況指数がマイナス30という超絶悪化によって一気に落下した。この値はもちろんリーマンショック時以来のものである。次のISM指数もおそらくひじょうに悪いことが予測される。

P&Fでも、金が上方ブレーク(目標値は1900ドル)、ダウが下方ブレーク(目標値は10200ドル程度か)、VIXが上方ブレークと、金の上昇、株の下落を志向するシグナルが出ている。ダウゴールドレシオも再度6.0を割り込もうとしており、一昨日の予想どおり、このあと大きく下げていく見込みだ。
 
金が1800ドルからどんどん上昇するというのはちょっと信じられない思いであるが、今は非常時なのでわからない。ここからはそれぞれの判断で投資(投機)していくしかないだろう。ここより上の金トレードはまさに未知の領域への挑戦となる。


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金が1800ドルを達成しやや上昇の勢いが弱くなり、スイスフランもユーロとあやうくパリティになりそうになるなど当面の天井をつけたかのようだ。またスイス当局も大規模な金融緩和を行うなど、スイスフラン下げに尽力中である。ということで、ユーロやポンドが買われるなど、逃避資金は次の逃げ場を模索しているらしい。

となると、やはり次の焦点は、円買いだろう。特に76.40あたりに堅固な壁があるドル円は不可解な動きになっており、この76.40あたりのドル円の下落に対する防戦のドル円買い(円売り)の主体が誰なのか興味があるところだ。オプションがらみの動きなのかもしれない。

いずれにせよ、焦点は大震災時のドル円最低価格76.25円の更新がいつになるかということに絞られてきた。当局もいろいろと口先介入的な動きに出ており、介入がなされるかどうか微妙なところだが、この76.40あたりのサポートはいつか崩れると思う。このところ、短期の戻り売りを繰り返しているが、もうしばらくはそのラインで行ってみたい。


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相場がやや膠着状態なので、不定期に書いている放射能関係でちょっと書いてみる。首都圏では、大気中の放射性物質の量はほぼ安定状態となってきたようで、大きく減ることもないが、急激に増加することもない様子だ。我が家のある東京西部では、マンションの窓のあたりで、0.10マイクロシーベルト毎時(実測)弱程度の放射線量で特に問題のある数値ではない。

むしろ今話題になっているのは、食品中の放射性セシウムだ。これはものによってはそれなりの値を示している。陸前高田市の松を、京都の大文字送り火に使おうとしたらセシウムが検出されたので取りやめたという騒動があった。ここで検出されたセシウム134が542ベクレル/kg、セシウム137が、588ベクレル/kgというが、これらは野菜などの暫定基準とほぼ同様であり、食べるならともかく、燃やしても何の問題もない値であろう。過剰反応と言うべきだが、原子炉事故の初期から、いろいろなことをはっきりとさせてこなかった政府の対応のまずさが招いたものとも言える。
 
ということで、実にいろいろなもの(食品を含む)に放射性セシウムが含まれているのは確かなのであるが、私の調べた限り、この暫定値レベルの放射性物質を体内に摂取しても、一生で増加する健康リスクは、私自身(中年男性)にとってはさほどのものではないと判断している。ただ、できれば少なめにしておきたいのは人情なので、やや危ない地方産かと思った食品は、放射性表面汚染をチェックしておきたいと思っていた。ただ、表面汚染をきちんと計るには、感度の高い大口径のGM管を備えたサーべイメータが必要で、今まで使っていたRADEX1706(弾丸型ガラス窓GM管2本)ではやや力不足である。
 
と思っていたら、3月にamazon.comに注文しておいたInspector+がようやくお盆の間に到着したので、さっそくこれを使っていろいろと計測している。Inspector+は民生用としては最高の感度と大口径のパンケーキ型GM管を備えたサーベイメータであり、定評がある。ただ、国内で買うとプレミアムがついていて20万円近いので手が出ないが、amazon.comでは割引販売で、堅牢なプロテクターとケース付きのInspectorxtreme(画像)で$514(4万円)で買えた(通常のものならもっと安価)。どうしてもInspector+が欲しい方はぜひamazon.comで買われるといいだろう。ただし、5か月待ちになる(クレジットカードへのチャージは出荷時)。また、一つの注意としては、amazon.comは、一部のものは日本の住所には発送してくれないので、このような電気機器部品などはオーダーすらできない。したがって、アメリカに私書箱を用意して、その住所をamazonに登録してそこに発送し、日本に転送してもらう必要がある。これは、私書箱転送業者がいくつかあるので、それにあらかじめ登録しておかないといけない。私はBongoという業者を使っているが他にもあるだろう。(8月20日追補・Bongo社のサーバーがハッキングにあってクレジットカード情報が流出したという連絡がクレジットカード会社からあった。この会社には当面依頼しないほうがいいと思う。他社にお願いしたい。)手間暇はかかるが、Inspector+が送料込みで5万円で購入できるのだから、やってみる価値はある。他にもamazonで日本に送ってくれない商品を買う時にも転送業者は便利である。(追補・Inspector+本体だけなら、日本の住所に送ってくれるようである。付属品はダメ。)

Inspector+はマイカ(雲母)窓のGM管を備えるため、α線、β線、γ線すべてを計測可能である。また、CPM(単純な放射線カウント)からベクレル値に読み替えるため表などもネットに多くあるので、これさえあればベクレル/㎡やベクレル/kgなどを測定可能である。厳密にはバックグラウンドの放射能を遮蔽するなどいろいろと難しいのだが、異常なものを見つけることならこれで十分だ。関東地方産の野菜などはこれで計測しているが、それほど高い値のものには今のところ出会っていない。しかし、異常に高いものがあればそれを検出できるのは心強いものだ。

国内メーカーからも空間のγ線を計測できる簡易・安価なサーベイメーターを発売する計画があるようであるが、このレベルの表面汚染にも対応できる機種もぜひ開発してもらいたいと思っている。

(追補)なお、Inspector+を買う方は、必ずGM管の保護用のステンレスプレート(Wipe Test Plate)も一緒に購入して下さい。ゴム製のケースがない場合にGM管の保護に必須ですし、また、Plateをつけた状態では、α線、β線がほとんどカットされるため、γ線の線量のみを計測可能となります(本来のマイクロシーベルト値をより正しく計測するため)。


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本ブログの中心課題のひとつである株金レシオであるが、ダウゴールドレシオの月足で長期のサポートラインの推移を見てみたい。ご覧の月足チャートの緑色の水平線で示したように、2002年以降のサポートは、22、17.5、12.5、7.5と下がってきており、つい先日、7.5のサポートが破れて現在6.49となっている。見てわかるようにリーマンショック時の最低値を完全に更新した。

問題は現在の6.49という値がどういう位置にあるかということだ。過去の、サポートが割れて次のサポートへと移行する際の状況を見てみると、上段のRSIの赤矢印で示したように、移行直後のRSIは、30ちょうどあるいはそれを下回っている。つまりサポートラインの階段を下りるところで、急激なダウンがあるということだ。ところが今回は、青矢印のように、RSIは31.42止まりである。つまり、今月中にさらにダウゴールドレシオは下げて、RSIが30以下になる可能性が十分に考えられるということである。

ダウゴールドレシオの下げは、株の下げか、金の上昇、あるいはその両方で実現されるわけだが、今回の場合、株の大きな下げがもう一度来て、金が1700ドル台をキープするというあたりのシナリオが可能性が高いかもしれない。よって、自分としては、ダウゴールドレシオのショート(すなわち、金ロング、株ショート)のトレードは継続するのがよいと考えている。

以上、ひとつの参考資料としてご覧いただきたい。なお、ダウゴールドレシオが下げる時は、銀行株指数も下げるという比例関係もある。金融株は買えない状況であろう。




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