ドル円の売り方、買い方の勝負はぎりぎりのところまで来ている。売り方の材料は、たまりにたまったロング、いつまでたっても増えない米国の銀行貸し出し(信用乗数の低下)、そして本命のテーパリングによる金切れというところだ。買い方の材料は、とりあえずの良好な米国指標、長期的円安の確実性といったところ。しかし、テーパリングの進行につれて売り方の材料の方がだんだん大きくなることは間違いない。
来週は前回安値の101.77円がめどになることは言うまでもないが、これが完全に切れたら大方の予測のように100円めがけて下落することになるだろう。ロングはこのあたりをストップとしておくしかないし、単純なロングはちょっと遠慮したくなる雰囲気である。
これに対し、特に欧州通貨の対ドル相場は順調に下げている。また、カナダも下げており、この方向性は変わらないと思う。安心なトレードとして、ユーロドルの戻り売りを中心に考えていきたい。スイスフランは円買いと連動して買われるという傾向があるのでやや単純ではないが、対ユーロペッグがあるので、円と違い暴騰の恐れもない(USDCHFの底値限定)ので、チャートを見ながらの戻り売り(USDCHFでの押し目買い)でいいと思う。豪ドルはやや動きが異なるが、下落の方向は間違いないところだろう。ちなみに、これらドルストレートの中で、P&Fで一番明確に下落シグナルが出ているのは、豪ドルである。
この先もこれらドルストレートペアは基本ドル買いでいいと思うが、この先、米国株価の暴落、経済悪化というパターンがある場合、テーパリングの一時休止(この場合、フォワードガイダンスにより失業率が問題なのだが)があり得る。万一これがあると、一転してドル安となるので注意したい。そういう意味でも雇用統計およびFOMCにはそのたびに厳重な注意が必要である。
しかし、もし米国株価の下落による経済悪化がテーパリングを休止させるほど大幅になれば、ドル円の下落幅も大きくなるだろう。当然、ひっぱられるクロス円の下げも大きくなる。ということで、万一ドル安となってドルストレートでのユーロ高などがあっても、円クロスではユーロ円等下げざるを得ない。新興国通貨と連動性の高い豪ドル円も下げに向かうだろう。
以上、結論としては、どう転んでも、現状最もトレードに適していて安全な確率の高いのはクロス円の売りであると思う。
粛々と進むテーパリング、それにつれて不安定化の度合いが進む世界経済、(先々)大きく崩れた場合の万一のテーパリングの一時休止、たまったロングが崩壊して売り圧力がなくなる時期、これらがこの2014年の相場要因であり、内容ははっきりしている。これらへの対応を間違えなければ決して難しい相場ではない。時期を計りつつ、毎日の着実なトレードをしていきたい。
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