ドル円は79円を割ってきた。米国10年債利回りが過去最低を更新してさらに下落している状況ではこれはやむを得ない。というより、この78円レベルで留まっていることがむしろ不思議だ。P&Fでは米国債利回りはさらに低下する可能性が高く、この先の動向が気になるところだ。
今の状況を一言で言えば、米国への過度の信頼集中だろう。米国ももちろん財政の問題などいろいろあるが、とにかく流動性のある資産と言えば、ドル現金、米国債ということになる。金もそこそこではあるが、CRB指数が下がりつつある現在、コモディティ一般への売りの傾向を覆すほどの信頼性はない。全世界の資産が究極のキャッシュであるドル(基軸通貨)に向かっている。
ドル円相場は、基本的には、日米金利差がひじょうに大きな変数となっており、現在の状況では、今すぐに上昇を開始する可能性は低いだろう。日本円への信頼性はさほどではないものの、買っておいて不安な材料はなく、ドルと並んで避難通貨となっているのはわかる。
ドルストレートではドル買いがめいっぱいに積み上がっており、ユーロドル、ポンドドルなどで節目の値に来ており、また円売りポジションも徐々に減っている。しかし、全体として、ドル買い、円買いの動きに、すぐに相場のトレンド反転が来る気配はまだないとしか言いようがない。前からの計画通りドル円が78円台を下がっていくに従ってドル円ロングは縮小していく予定である。同時にドルストレートでのドル買いも徐々に利食ってなるべく損失を相殺しておきたい。
今年が円安への転機の年になるというサイクル的な見通しは変えていないが、その実現にはもうしばらくの時間がかかりそうだ。
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