休みであまり動きがないので、雑談をひとつ。
FXで一番重要なことは何かということ、いろいろなブログにいろいろなことが書いてあるが、自分が考えるのは次の1点につきる。それは、一つ一つのポジションがどの程度勝てるかという確率を自分で感じる・理解する・計算することができることだ。
ちょっとわかりにくいかもしれないが、次のようなたとえ話をするとよくわかるだろう。たとえば100万円の自己資金があるとして、どのポジションにも1枚だけを置けるとする。これで勝てるかというと、まず勝つことは不可能だろう。少なくとも自分にはできない。つまり、どんなに素晴らしい解析手段を使って、テクニカル・ファンダメンタルズから予測しても、そのポジションがプラスになる確率は5割をやっと超える程度だと推測している。だから、そのままの、5割をちょっと越えた勝率では、スプレッドでの損失を埋めるに至らず、総合損益はマイナスに留まる。いや、自分は通算7割はいけるという方には特に何も申し上げない。複利で計算すればわかるが、毎日トレードすれば数年のうちにとんでもない数値になる。
それに対して、一般勝率は5割だが、今日のあるポジションは8割方勝つということが「わかって」いれば、そのポジションには普段の2倍なり3倍なり、場合によってはフルレバ出動して、利益確保を目指すことができる。逆に勝つ確率が低いと「わかって」いれば、1枚で様子見をすればいいわけだ。
多くの人はもちろん無意識でこれを行っているはずだが、ポーカーで賭け事をしていると考えるなら、手札が良ければたくさんの掛け金を置くことができるわけで、FXの場合も、「手札」にあたるものを自分なりに計算して、このポジションはワンペア、このポジションはロイヤルストレートフラッシュと、確実に把握することができれば、たとえポジション全部の勝率が5割あるいはそれを割っていても、最終的損益はプラスにできることは容易に理解できるだろう。これがFXなどの投機がギャンブルと本質的に似ているゆえんである。ただ、FXでは普通は、その「手札」の価値は可視的ではないところが難しいのだ。
もちろん、テクニカル上・ファンダメンタルズ上でいい位置のポジションは全体として勝つ確率が高くなるわけで、それはそれで目指すべき目標である。しかし、最高にいい位置なのか、悪い位置(悪い位置にポジションを置く人はいないので、正確にはすごく良くはない位置)なのかを計測できる能力、そして、その確率に応じたポジション量を、冷静に、また、メリハリを効かせて制御できる能力こそ、一番重要なものであると思っている。
このことは初心者向けのトレード指南書に書くべきことと思うが、意外に触れられていないので、老婆心ながら書いてみた。FXが確率のゲームであるとはこういうことであろう。
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