QEに関するアナウンスがあって以来、世界的に市場が不安定になっている。これは当然で、いままで世界中にばらまかれていたドルが回収の方向になるのであるから、米国の株式市場、米ドルを使ってアジアに融資している欧州、そして、アジア、新興国などへの投資ポジションが一斉に巻き戻されることになる。もちろんQEの停止の開始はまだ先であるが、今後を考えてポジションを軽くしておこうという動きになるのは当然である。
こうなると、いかに今後のドル高、円安が予測されても、当面はリスクオフの円買いへと傾くのはやむをえない。しばらくは円高傾向が続くものと思う。普通にドル円、ユーロ円などの戻り売りでいいのではないか。
ただし、本当にQEが完全停止されれば、日本の異次元金融緩和とまさに対照的な動きとなり、日米金利差も生じ、ドル買い、円売りの動きとなるはずだ。ただ、その際にも、今と同じように、もう一回、ドル投資ポジションのまき戻しによる、市場の不安定が発生するだろう。したがって、ドル円の動きはそれまで複雑な動きとなると思われる。
今後の、だいたいを予測すれば、
1(QEアナウンス) ドルによる投資ポジションを軽くする リスクオフ 円買い ドル円下落 (今ここ)
2(上記が消化される) ドル高、円安に戻る ドル円上昇 (秋ごろ?)
3(QE停止開始) ドルの巻き戻し 再度リスクオフ 円買い ドル円下落 (来年前半?)
4(QE完全停止後しばらくして) 市場安定 日米金利差 リスクオン ドル円急上昇(来年後半?)
このような流れになるのではないかと思われるのである。クロス円も同じ傾向だが、リーマン以前と異なり、基本の流れがドル高、円安になるため(以前は、ドル安・円安)、クロス円の上昇はスローペースになる。基本は、買いはドル円、売りはクロス円という方法が能率的になると思う。
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