ゴールドシルバーレシオ(GSR・金銀比価)という指標がある。金価格を銀価格で割ったものだ。危機時には金が買われ、平時には銀やプラチナが買われるという傾向がある。したがって、危機が深まるとGSRは上昇する。この月足をみていただくと分かるようにリーマンショックで急上昇したGSRは2011年にかけて急速にさがるが、その後、じりじりと上げている。これが、中央銀行の異常な緩和に対する市場からの回答である。心配しつつも大事にはならず、とは言え安心できないわけだ。
それがコロナの初動で132まで跳ね上がったのが前回3月中旬である。現在98であるが、これは従来の月足(そして週足・日足)から見て妥当なトレンドラインまで戻ったものだ。したがって、ここからは、じりじりとした上げになっていくと思われる。つまり、次の危機待ちという段階だ。GSRと株価は直接の関係はない。しかし、市場の温度計の一種として常に観察していくべきものだと思っている。
これは驚くべきことであって、新しい金の時代が到来したことを意味している。何らかの形で、金が表舞台に復帰する前触れかもしれない。