あちこちの銀行が外貨預金フェアをやっていて、どんなものですかというお問い合わせが複数あったので、ちょっと書いてみたい。米ドルの外貨定期を、FXのドル円ロングと比較するのがいいだろう。
一般的にはFXの方が有利な点が多い。スプレッドの小ささがもっとも重要で、話題の1ヶ月8%年利のドル外貨定期などは、為替変動がなくても、1ヶ月の利息は、円転したら、往復のスプレッドに消えてしまってまったくうまみがない(場合によっては元本割れ)。あくまでも余剰資金をドルにしてそのままドルで置いて4%くらいで回して数年置くための入口(おまけ)に使うというのが本来である。また、税金については、外貨預金の利息は源泉で取られるのでわかりやすいが、為替益は、総合課税の雑所得になるので、けっこう税金が高い上に、FXとは損益通算もできない。(必要経費は付けられるので、投資雑誌や、セミナーなどの領収書はとっておきたい。)
FXにおいての、1倍ちょい程度のロングだと、リスクは最小。益はご存じのように分離課税2割で、損益通算も可能。必要経費もありで、悪いことは何もない。スプレッドも小さい。定期預金とちがって預け入れ固定期間もない。スワップも今なら利息と大差ない程度である。
ということで、FXができる人が外貨預金をするメリットはほぼないと思う。まあ、銀行の看板の信頼性程度だろうか。もうひとつあるとすれば、FXで低レバで置いておくと、ついついレバを上げて調子に乗る誘惑があるということだ。これを避けるためには、専用口座を開いて、ロングしたら見ないようにするのがいいだろう。