コロナは風邪なんじゃないですか?というコメントがあったので、ちょうど良い機会なので書いておきます。この問題は、最後はコスト(社会的・経済的)に帰結します。インフルやお餅との比較はどうでもよく、コロナをどうするかによります。
今までわかってきたのは(効果があるワクチンができるまでは)、ある程度の対策をとると実効再生産数が1を下回り、そのままほとんど感染者がでなくなるが、緩むと実効再生産数が1を上回り、上昇するということです。放置すれば、どんどん上昇するのは、ブラジルや米国やインドで明らかです。そしてどんなにその割合が小さくても徐々に重症者・死者も増えていきます。大きな社会的コストがかかります(1を上回っている場合の今後5年間でのこのコスト値の合計をAとします)
逆に、1を下回らせるための対策(みんながマスクをする。大学がリモート授業をする。あちこち旅行に行かない。声を出して飲み食いしない。外国に行かない。)を実施することによって、社会が受ける大きな損失があります。(1を下回らせるための今後5年間でかかるコストの合計をBとします)
問題はAとBがどちらが大きいかということになります。自粛派はもちろんAが大きいとみます。反自粛派(ただの風邪派)はBが大きいとみます。しかし、現状ではそれを決定的に決めるだけの材料には欠けています。ウイルスの性質がわかったとは言えないからです。が、この冬を越えればかなり明らかになると思います(1年間でのウイルスの変異・気候耐性など。ワクチンができる可能性の判別)。
私の考えでは、この冬を越えるまでは A > Bと仮定して、自粛を続けるのがリスク・コストを考え合わせて合理的だと考えます。また、日本政府はぎりぎり1を保つ程度の対策でAもBも下げることを考えているようです。それもある意味合理的ですが、おそらく1をぴったりに保つことはきわめて難しく、この冬には大きな流行になって、先行している欧州諸国と同様に部分的ロックダウンになると考えています(エリオット波動分析など)。