FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



株高も円安も急激に来たために、乗れていない人も多いようである。一度下がって再度上昇が期待されるところだが、そういう時に限ってなかなか下がらない。

久しぶりにドル円の週足チャートをMT4から持ってきたが、前から言っている左右対称がきれいにみえてきている。チャート解釈上は、逆ヘッドアンドショルダーズ(逆三尊)ということになり、そろそろ、片側の肩から下る(チャートでは上る)時期が近いという見方も可能だ。

左右対称を重視すれば、90円程度までの上昇が自然であるが、かならずしも対称にならない場合もあるので、そこは信じすぎるのはよくないだろう。ただ、このチャートを自然に逆三尊と解釈すれば、80円以下になる可能性も徐々に低くなってくることになる。注目しておきたい。





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現在の円売りの動きにはかなり強いものがある。円を売っているのは主に米国のファンドが中心と言われるが、当面の目標は前回高値の84円台のようである。上げ下げしつつ12月の選挙後には実現しそうな案配である。
 
選挙と言えば、情勢はかなり混沌としているものの、維新が予想以上に強そうである。橋下氏がかなり柔軟な政策をとっているのが功を奏しているものと思う。石原氏を「象徴天皇」として、「摂政・関白」である橋下氏が全権を握る体制と思われるが、現状、うまく回転している。前のエントリーでも書いたように、80才を過ぎた石原氏にはもう新しい政策を実施する力はないと思うが、都政における浜渦・猪瀬のように、有能な人を生かす力は持っているのだろう。
 
橋下氏の経済政策、特に金融政策はまだ不透明な部分が多いが、ここしばらくの彼のtwitを見ていると、金融緩和策に傾きつつあるようだ。下に引用したtwitにある、ニコ生での、緩和派の高橋洋一氏と、反緩和派の池田信夫氏の討論を見て、高橋氏に軍配を上げているという内容から推測できる。
 
例えば、今日の朝のtwit
 
「公選職である政治家は、専門家の意見、議論を聞いて、腹に落ちる方を選択することが仕事。政治は選択だ。高橋氏と池田氏の論戦は政治家にとって大変ためになる。一人の専門家に盲目的になってはならないが、それでも高橋氏の論 http://bit.ly/UmAXVN  が腹に落ちる。」

その前の22日のtwit

「ニコ生ガチンコ高橋洋一氏VS池田信夫氏視聴。高橋さんの圧勝だった。池田さんは、期待インフレ率を知らなかったようだ。名目金利が0だから金融緩和は意味ないというロジックの一点張り。池田さんの高橋さん批判の論ってこんな程度だったの?名目金利0でデフレだったら実質金利はプラス。」

私(やまは)も、ちょっと見てみたが、高橋氏の方が理論武装に優れており、また、実務の経験もあり、完全に高橋優位と判断した。正直、高橋、池田両氏とも経済学アカデミックの世界では、権威とは言えない方達だと思うが、私は、そういうこととは無関係に、内容だけで是非を判断することは可能だと思う。

もちろん、これだけで決まるものでもないが、維新の政策が、大きく、金融緩和派へ動いた瞬間を見た思いがしたのである。ネット時代の面白い見物であった。







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ドル円が82円台半ばまで来た。弱いと思われていた豪ドル円も85円を超えている。リーマンショック前の相場を覚えている方には、豪ドル円85円というのは落ちていくところのひとつの踊り場価格で、しばらく滞留していた価格として印象深いことだろう。
 
ここまでの急激な円安はもちろん投機的動きだ。AIAの堀内氏が、円高だと投機的と言うのに、円安だとそう言わないのはおかしいと、よく発言されているが、まったくその通りだ。円買いも円売りも投機的な場合はある。
 
この先の政治状況への思惑から、米国系ファンドを中心に、投機的な円売り活動をしているものと思われる。したがって、この先、逆流する時期も当然考えられるのであり、80円から84、85円ぐらいまでのレンジ相場が当面考えられる。ただ、落ちてきた時のサポートラインから逆算すると、90円あたりまで上がってからのレンジ入りも考えられ、そこが難しいところだ。
 
いずれにせよ、日足での円売りトレードはムリをしなければ確実にとれる場面であり、ゆったりと構えて、下で厚めに、上で薄めの買いを心がけていきたい。



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インフレだ、ハイパーインフレだ、円安だと世の中が騒がしいが、実際にどうなるかは神のみぞ知るというところだ。しかし、もし伝えられる通り、この後、ゆるやかな(あるいは急激な)インフレになるとしたら、FXは極めて有利な投資だ。
 
ドル円なら、現在1枚(ドル1万ドルに相当)ロング(買い)をするのに、証拠金は約3万円。もし70円まで下落する可能性があるとしてその余力のためあと12万円を考えても、合計15万円あれば「まあ」いいだろう(「絶対」ではない。念のため。)
 
で、それをロングしていて、万万一、数年後に100倍のインフレになったとする。為替レートは、単純に考えて、ドル円は8200円となる。この場合、この1枚のドル円ロングの価値は、当然、8200万円である。
 
もちろん、為替がからんだ投資はみな同じメリットがあり、米国債でも、米国株でも、米国株ETFでもなんでもいいわけだが、FXは気軽に自分の好きなレバレッジが効かせられるところがありがたい。
 
将来がインフレになるとしたら、これをやらない手はないだろう。
 
・・・・・・
 
と、考えている投資家(および、そう考える人が当面増えるだろう、と考えている投機家)が今ドル円を買っているわけで、そこから現在の円安となっているわけである。



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安倍氏がかなり過激な表現で、インフレターゲット論を展開するため、マスコミ、評論家入り乱れての論戦となっている。それ自体はとてもいいことだろう。金融政策が選挙の争点になったというのは、トレードするものにとってもうれしいことだ。自民党の公約に日銀法改正への方向性も盛り込まれたらしい。
 
さて、問題は、安倍氏の意見がどの程度妥当かということだが、これはそういうわけでいろいろな論がある。日銀総裁はもちろん大反対で、これ以上何もできないし、すると危険だという説。多くの新聞等もこれに賛成のようだ。
 
安倍氏の論がどうやらそのブレーンである三橋氏の示唆によるものらしいことが明確になってきて、その点からも、いろいろと反論も出ているようだ。確かに、三橋氏の意見はやや扇動主義的な表現があり、それを安倍氏が少し消化不良で述べている部分があって誤解を助長しているような気もするが、「現在の課題は財政再建よりもまずは金融緩和」という一点について考えるなら、それは正しいと考えられる。

安倍氏のFacebookで引用されている、イェール大学の浜田教授の意見

「ゴルフにたとえれば、今の日銀は雇用改善、景気回復という目標のホールを目指さずに、ホールの向こう側には<ありもしない>崖があると称して、バンカーに入ったボールをホールの方向に打たない、あるいはパターでしか打たないゴルファーのようなものです。」

というのは妥当な見解だと思う。

また、BLOGOSで小幡績氏が紹介する、「ある官僚」氏からの意見にある方法

「要は引き締め+デフレで先を見ても落ちはない、というかハードランディングのやりかたがどんどん厳しくなるから、早めに不時着?するよう、シニョレージ(やまは注、通貨発行益)をある程度使ってあらゆるやり方でデフレを反転させるべきでしょう。」

もひとつの哲学だ。ある官僚氏も言うようにいろいろなインフレターゲット的手法はあるものと思う。ここで、それを使っていけない理由はないと考える。このあたり、今後の選挙戦で論理的な方法で各政党が論議を戦わせてもらいたい中心的なテーマであると思う。

しかし、どう考えても、極端としか思えない論(下のロイターの伝えるもの等)が横行しているのは、何か裏があるかとでも思ってしまう。陰謀論ではないが。笑

「みずほコーポレート銀行国際為替部マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏はハンガリーの例を挙げ「昨年12月、ハンガリー議会はハンガリー中銀総裁が持つ副総裁の指名権限を剥奪し、政策金利を決定する委員会は3人目の副総裁を置くことで拡大するという中銀への規制法案を可決した。これを受けてIMF/EUは進行中のハンガリーへの金融支援を停止し、格付け機関も同国国債をジャンク級へ格下げ、ハンガリーフォリントも急落するなど徹底的に洗礼を浴びた」と指摘。安倍総裁が口にしているような(中略)スタンスが日銀総裁の人事権まで包括するようなものになった場合、円相場が金融危機後に経験したことのないような急落に見舞われる可能性は否定できない」と懸念を示した。」

ハンガリーと言えば、通貨史では、ギネスにも載る史上最悪のインフレを起こした国として有名である。現在の財政状況もきわめて芳しくない。日本と比較して云々すること自体、ナンセンスとしか言いようがないだろう。





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円安基調が続いているところ、ダウが軽く底打ちし、米国債の利回りも上昇してきた。ダウの下げはまだ先がありそうだが、当面、しばらくはなんとかなりそうだ。日経はP&Fでも完全に上方ブレーク。

ということで、今週から来週程度は円安基調でさらに上昇を続けそうな気配だ。ドル円、全戻しの84円は難しいにしても83円台は望めるかもしれない。そのあたりで、次のダウの下げで円高で80円から79円台あたりに一度戻るというのが理想的展開だが、どうか。

いずれにせよ、今の所、いわゆるテールリスク(出現比率は低いが、損害が大きいリスク)が出てくる可能性が極めて低いと思われる。中期は、テクニカル的な波動で見ていけばいいのではないか。

いろいろ政治絡みのことを書いたが、コメントに書いたように、結局は、なるようにしかならないと思っている。これには実は研究がある。左下の図書のリンクに引用してあるが、エリオット波動研究の第一人者のプレクター(『エリオット波動入門』パンローリング)は、エリオット波動が様々な社会学的事象に見られるという研究をしている("The Wave Principle of Human Social Behavior and the New Science of Socioeconomic" )。残念ながら邦訳はないが、中味は極めて面白い。人口その他の現象におけるエリオット波動を分析したものだ。もし様々な政治現象(例えば、政党別議員数)にも似た波動があるとすれば、投票行動もFXや株のトレーダーの行動同様、所詮、その流れに乗って行われているに過ぎないのかもしれない。


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今回は日本の政局がらみでドル円が大きく動いた。珍しいことである。これについては2説があるようだ。ひとつは、これは非常に珍しい、偶然的なことで、今後も相変わらず日本の政局はあまり為替には影響がないだろうという説。もうひとつは、今回は違う、この選挙およびその後の政権の経済政策は為替(特にドル円)に大きな影響を与えるだろうという説である。
 
私はいくつかの理由から後者をとりたい。その理由を二つにまとめて、以下に述べてみよう。まず、今回の政局が従来のコップの中の嵐的なものではなく、戦後長く続いた旧来の自民党政治からの大きな転換になると思うからである。古い自民党政治とは、それを補完する社会党とがお互いの阿吽の呼吸の中で、アメリカに与えられた枠組みをうまくこなしていく政治であった。しかし東西冷戦終結と、新興国勃興の影響によって、日本でもその枠組みが機能しなくなり、そこで民主党への政権移行が起こった。しかし、その状態は過渡的なものだろう。ここしばらくの不安定な小党の割拠の時代を経て、今回そして、次の選挙等を通して、次の体制が作られていくものと思われる。日本の対外的な姿勢にも変化がある。為替もおそらくそれらに連動して変化していくものと思う。戦後360円から始まった円高の流れはおそらくここで打ち止めとなり、次に長く続く円安トレンドのサイクルが開始されたと考えられる。つまり、為替の長期トレンドと、日本の政治体制転換とが連動して動きつつある時、それが今なのではないか?
 
次にもうひとつやや中期的な問題をあげよう。現在のデフレ・円高は、やはり政治の体制に一部責任がある。これが変化すれば、インフレ的な方向への政策のやりようはあると思う。また、それは世の中から求められているものだろう。(ちなみに、私はハイパーインフレ等は今の日本で起こらないと考えている。)
 
2009年2月刊行の若林栄四氏の著書『2019年までの黄金の投資戦略』で以下のような記述がある。(211ページ)

「2013年以降、日本の株価は再び上昇トレンドに入ってくる。背景はインフレである。2011年、2012年とデフレが続き、世の中的にはインフレ政策を求める声が高まっていく。新しい日銀総裁はインフレターゲット論者。その結果徐々に日本経済の物価は上昇し始める。(中略)懸念材料としては、日銀が極めて頑固者で、この期に及んでも一切、インフレ政策を受け容れないということだが、おそらく世論的にそれは許されないだろうと考える。少なくとも2012年までのデフレ局面で、日本国民は塗炭の苦しみを味わうことになるだろう。そうである以上、デフレ政策が継続されることは歓迎されず、インフレ政策を求める声がたかまっていくはずだ。」

この記事執筆の時期は、リーマンショックさめやらぬ中で、前年の秋にオバマが大統領に就任した頃である。なかなか良い予測ではないだろうか?このような流れに実際になっているものと思われる。

まだ短期での紆余曲折はあるものの、中期・長期での円安は、日本の今後の政局と密接に関係しつつ進んでいくものと考えている。




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まだ自民党政権ができたわけでもないのに、安倍政権への期待だけで、ドル円は跳ね上がった。今日の高値の81.45円は、3月の高値の84.18円から、9月の安値の77.13円まで見て、その61.8パーセント戻しとなる。14日の宮田レポートの予測値がまさに相当早めに的中したことになる。
 
しかし、おそらく、期待だけではこの61.8パーセント戻しというところは、かなりの行きすぎであり、今週中は82円台までは行かないと考えるべきであろう。このあたりで揉む展開を想定したい。ただ、宮田氏も述べるように、このシナリオだと近いうちに84円まで全戻しを達成する可能性もかなり出てきたと思われ、こここからは押し目で着実に買っていくのも一案であろう。

米国長期国債利回りは下げており、円安への基礎的条件はまだ整っていない部分がある。情勢をよく見つつ、慎重に短期長期織り交ぜてトレードしていきたい。


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あさっての解散が決まり、自動的に来年からは自民党中心の政権となることが明確となった。おそらく4月に任期切れを迎える日銀総裁も、安倍政権のもと、インフレ志向の人物となる可能性が高い。市場は正直なもので、すでに円安に振れている。この円安がホンモノになるかどうか、まだ不確定な部分も多いが、従来以上に、この後、ドル円史上最低値が更新される可能性は低くなったということだけは確かだ。為替トレードは確率とポジション量を勘案して行うものであることはいうまでもなく、その意味で、ここはドル円ロングの比重を増やすことが必要な局面だろう。



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相場は何か怪しい気配であるが、ぎりぎりで底抜けを免れている様子だ。ここは慎重に望みたい。多くの人が円安を希望・期待・予測しているが、ここは注意すべきだろう。
 
ちょっとトレードとは離れるが、まずは歴史ネタ。NHKの大河ドラマ「平清盛」を毎週欠かさずみているのだが、前回、面白いシーンがあった。伊豆に流罪になっている源頼朝のもとに娘(政子)を嫁にやった北条時政の言葉だ。
 
「わしは、介殿(頼朝)に賭けたのだ。」
 
全盛を極めている平家によって犯罪人とされている頼朝。それを婿にするという行為は、トレードで言えば、リーマンショックの最中にダウを買うようなものだろう。しかし、時政は、結果的には、賭けに勝った。時政自身は中途にして引退することとなるが、政子等の主導によって、北条氏は、日本で初めての武士の長期政権(鎌倉幕府)を築くこととなる。トレードもいつも賭けてばかりでは負けてしまうが、勝負の時というのはあってもいいものだろう。

もうひとつは文学ネタで。石原新党が「太陽の党」という名前になると報道されている。まだ正式決定ではないが、なんとも笑える党名だ。もちろん、石原氏の若き日のベストセラー小説「太陽の季節」にちなんだものだろうが、この小説、出た当時は、風紀を乱すということで社会問題化したものだ。決して文学としては悪いものではないと思うが、老年となった石原氏が若き日の夢よもう一度と考えているとすれば、なんともムリがあるように思う。小説のあの有名な一節をあげておこう。

「風呂から出て体一杯に水を浴びながら、竜哉は、この時始めて英子に対する心を決めた。裸の上半身にタオルをかけ、離れに上ると彼は障子の外から声を掛けた。
 「英子さん」
部屋の英子がこちらを向いた気配に、彼は勃起した陰茎を外から障子に突きたてた。障子は乾いた音をたてて破れ、それを見た英子は読んでいた本を力一杯障子にぶつけたのだ。本は見事、的に当って畳に落ちた。その瞬間、竜哉は体中が引き締まるような快感を感じた。彼は今、リングで感じるあのギラギラした、抵抗される人間の喜びを味わったのだ。彼はそのまま障子を明けて中に入った。」(太陽の季節・1955年)

今の石原新党からは、「乾いた音」は聞こえるだろうか。^^;






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