週末の読書で、ヒトラーの『わが闘争』(上・下・角川文庫)を読んでみた。名前だけは知っているが読んだことのない書物というものは多くあるが、これも初めて読んでみたものだ。今の日本の政治情勢の中で、誰かをヒトラーに例えるような言説もあり、この有名な本は本当はいったいどういうものか興味があったからである。
結論的には、これはやはり恐るべき本であった。よく言われるように、政治宣伝のたくみな方法のあり方、国家における教育の意義、当時のドイツおよび欧州の分析など、随所に興味深い内容があり、現代に通じる問題意識がある。また、私が特に興味を持ったのは、現代のいわゆる陰謀論の祖形がここにあったことだ。シオンの議定書、フリーメイスンなどのキーワードをもとに、ユダヤ人の陰謀を論じていくスタイルには興味深いものがある。ある程度は知識として知ってはいたが、実際に読んでみると生々しい。
アーリア人種の絶対的優越性を述べる世界観、ユダヤ人に対する徹底的な悪罵の姿勢など、現代ではまったく認められないものが多いことは言うまでもないが、政治に関わる人間には、必読書であると断言したい。マキャベリの『君主論』、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』などと並んで、絶対権力者とはどういうものかということを知るための有力な教材だろう。小党分立の状態だった当時のワイマール共和国の情勢と現代日本の政治状況には確かに共通性がある。これからの日本を考察する上でも、欠かせない書物であろう。
さて、本題の、為替については、ドル円、上下どちらもあると思う。可能性はここから、上が7で、下が3というところか。自分はここでは積極的円買いはしないで、ドル円が、下に落ちたら買う、上げたら売るの繰り返しとしたい。
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