FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



テクニカルにもいろいろあるが、10年以上の長期の予測が出来るのはサイクル論だけである。もちろん、ファンダメンタルでは最初から不可能なのだが。
 
サイクル論は、相場にはサイクル(循環)があるというもので、経済現象全体にそういう理論があるのことの延長線上にある考えだ。経済では、コンドラチェフの50年、ジュグラーの10年などのサイクルが有名だ。確かに、経済にサイクルがあるなら、相場にあっても不思議ではない。
 
サイクルは、折れ線グラフに描けば波動として表現されるため、波動理論と言ってもよい。相場における波動理論はエリオットに始まるが、現在では、メリマンなどが有名である。前にも書いたように、テクニカルの中ではもっとも科学的な証明がしやすい分野であると言えると思う。
 
日本でもサイクル論に則ったテクニカルの研究は多い(このブログでリンクをつけてある、小龍氏陳氏のブログはサイクル論に特に優れている。)他に、サイクル論者として評論活動をしている人に若林英四氏がいるが、彼の著書の『黄金の相場学2005~2010』(2004)を見ると、「アメリカの不動産バブルは必ず崩壊する。その時期が、2007年から2008年。・・・一番深刻な問題は、ファニイメイやフレディマックといった、住宅金融会社が巨額の不良債権を抱え込む恐れがあることだ。」と、サイクルに基づいて、4年後の状況を示しているのには驚くしかない。彼も、この著書以後のインタビューで、2011年にドル円が74円になると予測しているが、聞くべきものがあると思う(ちなみに、著書の中の予測よりも下値を下げて予測している。これは直前のドル円のトップが低かったことを反映しているのだろう。)

黄金の相場学 2005~2010
若林 栄四
講談社

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キウイ円(NZDJPY)は最近は70円から90円くらいであるような気がしているが、実際は、100円から45円くらいまでダイナミックに動くペアである。このチャートでわかるように最近の最低値は42円だったと思う。
 
このZAIの記事ではもう少し前までのチャートがあるが、100円を超えていた時もあることがわかる。
 
このサイクルはあまり両国の経済状況とは関係なしに動くので分かりにくい。おそらく豪ドルやドル円やポンド円などその他の状況の影響が大きいのだと思う。
 
ということで、あちこちで書かれているキウイ円の底値が70円くらいだろうという予測は極めて根拠に乏しいものであることはわかると思う。



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先日の記事で注目しておいたドルインデクスが73を越えた。ここを越えるとさらに伸びる例がここしばらくのことなので、恐らく明日から数日はドル円の上昇、ユーロドルの下落があると考えられる。
 
ドルインデクスの上昇と、ニュージーランド経済の下降によって、キウイドルは相当大きな下落が予測される。その後に(おそらく)控える円高によるキウイ円の下落=キウイドルの下落もあるので、キウイNZDにとってはまさに踏んだり蹴ったりの状況が出現しそうな案配である。キウイドル0.6で、ドル円70円だと、キウイ円は42円になる。そこまでいかないまでも、長期でのキウイは当分買えない状況であろう。



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前にテクニカルも後講釈的な部分があるということを書いた。これは複数のサポートやレジスタンスラインがある場合、それのどこで止まるかは結局わからないという意味である。
それに対して、とりあえず、特定のラインが引けて、そこで止まるのだから、それは当たっているという見解もあるだろう。
 
前者の「当たらない場合もあってそれはけっきょく後講釈になる」については自明だと思うので、後者の「なぜ当たるか?」について考えてみたい。
 
P&Fなどは需給を見るのである意味でファンダメンタルと近い部分があるが、特に不思議なのはフィボナッチ数列によって様々な値が決定できるテクニカルである。
 
なにか神秘的な、オカルト的なものであるかのような気もするが、これには実は科学的裏付けがありそうなのである。なお、隣り合ったフィボナッチ数の値の比は、周知のように黄金比(無理数だが、だいたい1.6180)に収束するのであって、フィボナッチも黄金比が基本であるので、これは、なぜ「黄金比」なのか?ということでも同じである。
 
中村滋氏の『フィボナッチ数の小宇宙(第2版)』(日本評論社)によると、近年、植物の花びらの数などがフィボナッチ数になることについての科学的裏付けがわかったそうで、それは、「ある点からもっとも遠い所に次の点を作り、次は、先の複数の点から遠いところに次の点を作る」というだけの原理で説明できるというのだ(詳しくは本を読んで下さい。その一番単純な例は、茎に葉が互い違いに生えるというような場合です。)
 
従来は、植物の遺伝子に黄金比が隠されているのではないかというような予想もあったのだが、それは覆されたわけで、むしろある意味で単純な形成が、実は黄金比になるという極めて重大な事実が発見されたのである。
 
このような単純な原理は、為替などの価格形成にも十分にありそうなものであり、為替や株の相場の記述にフィボナッチ数や黄金比が出てくることは、この解説を読んで容易に想像できた。
 
相場の価格形成にフィボナッチ数や黄金比がなぜ妥当するかということについての解説は寡聞にして知らないのであるが、この植物の場合の原理を応用することで将来詳しく解明されると確信したのであった。
 
フィボナッチ数の小宇宙 第2版―フィボナッチ数、リュカ数、黄金分割
中村 滋
日本評論社

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春山氏のブログ「おかねのこねた」を見ていたら注目すべき指摘があった。

現在の米国のちょっと落ち着いた状況も、Back to Schoolの季節の消費の盛り上がらなさで落胆するまでの「つかの間の安堵」に過ぎないというのだ。
 
「でも、そんな甘いものじゃないです、今回の金融バブルの崩壊は。。。
Back to Schoolの売り下げに落胆するまでの、「つかの間の安堵」に過ぎないでしょう。」(春山氏ブログより引用)

注目すべきはその時期 = Back to School。

米国では新学期は9月からの開始で、長い夏休みが終わり学校に帰る(Back to School)ことで、住居・文房具・衣服など多くの需要が生まれ、8月半ばはそのための消費が盛り上がるのが通例だ。春山氏の指摘では、その時期がダメなことによって、再度米国の景気の先行き不安が再燃するというわけだ。現在の「つかの間の安堵」(=ドル高)がいつダウンするかは現在の最重要問題であるが、ファンダメンタルからは8月中旬あたりというひとつのメドがあると言えよう。もちろん、その頃からは徐々に金融機関の3Q決算も見えてくる。サイクル論でも8月中旬に照準を合わせる意見もあり、まずはそのあたりを大きなドル安へのステップと考えたい。



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『日経ビジネス』誌に、標題のような特集があって、次のような計算がされています。
 
2000年の価格を100とした場合、金の代金で今はいくらになっているかという計算です。(括弧内は、ドル建てです)

     2000年1月   2008年7月
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
原油    100       150(504)
小麦    100        90(336)
NYダウ  100        31(104)
ユーロ   100        50(162)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このように原油はドルで5倍なのに、金では、たった1.5倍です。ユーロですら、金なら半額に減額しているというわけです。それだけ金が上がったとも言えますし、ドルが下がったとも言えます。金本位制はもう今では不可能ですが、金のすごさ=安定度を感じる数値です。




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来週はドル円上昇で始まると思うが、そのメドはどのあたりか?
 
先に書いたように108.27あたりにフィボナッチ数の233日の移動平均線があるが、ここはP&Fでもレジスタンスとなる部分であり、このあたりを抜けるのに若干の時間が必要だと思う。
が、現状ではこれを止めるだけの材料もないのであり、ドルインデクスの強含みの状況(恐らくユーロドルのさらなる下降)も合わせて、108円後半に達すると思う。今週のその後については、まだ予測する根拠を持たない。
 
なお、中期的には、短期市場が円高襲来予想に傾いている様子が観察されるので、これを踏み上げる方向に、夏から秋に意外な高さまでドル円が上昇するのではないかという憶測を持っている。あえて予測すれば115円以上という到底理屈で考えられない領域までのドル円上昇もあるかもしれない。理由はそこまでで大半のドルショートのストップが落ちると思うからである。これらは単なる憶測である。





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今度はキウイ円の日足のP&Fチャートである。
いわゆるトライアングルで、下放れを起こした状態と見られる。
 
昨日示したキウイドルのチャートは、いわゆるダイアゴナルトリプルボトム(下降しながらのトリプルボトム)で信頼度の高い売りシグナルである。マーフィーの『先物市場のテクニカル分析』によると、株の場合、この形が出た場合、93.5パーセントの確率で売りで利益が出るとしている。

なお、このキウイ円のトライアングルからの下放れも確実性の高いシグナルであるただし、この場合、トライアングルの形成最初が上昇から始まっているのがちょっと弱いところではある。
 
ということで、ともかく、対ドル、対円とも、NZDは、いましばらく下落すると見たい。なお、下落の値のメドは、トライアングルの大きさをどこまでとるかで異なってくる。小さく見れば3列ぐらいでこの場合は下落の大きさはそれほどではない。値についてはもうすこし慎重に考えてみたい(昨日72円と書いたのは訂正したい。)ということで、来週はまずはより確実なNZDUSDのショートを入れてみたい。


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P&Fで見るとNZDUSDに大きな下落の兆候が見える。チャートで下向きの部分が急に伸びているのがわかるはず。
 
NZDJPYもチャートは省略するが、同様である。NZDJPYで当面72円くらいまでの下落はほぼ確実と言える。これはすでにファンダメンタルからも言われていることであるが、テクニカルの数値でも裏付けられるので念のため書いておく。
 
ドル円が上げることが予想されるのでおそらくクロス円での下落はやや遅れるであろうが、キウイの今後の長期低落傾向は間違いない。



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移動平均線を越えないとか言っていたら、急になぜか円高が来た。昨日のNYの株安で確かに債券は買われたが、ドルインデクスは上げており、そんなに危機感があるとも思えない。ドル円が108円より上がれない所を見透かした短期筋の大手の仕掛けだと考えてよいと思う。来週は108円を超えてゆくと見ている。
 
ということで107円を切ったところでドル円はロング。クロス円は豪ドルや、ポンドなど、それぞれ事情を抱えるので、現状では特にコメントできません。笑



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