FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



ドル安に明け暮れて最後は金の暴騰で終わった一週間であった。金の勢いが強く、最後は銀がやや伸び悩み、GSR(ゴールドシルバーレシオ)がやや上昇した。前から書いているように、GPR(ゴールドプラチナレシオ)や、金銅比などはすでに上昇に転じており、もしGSRの上昇がある程度はっきりするとすれば、株価の調整入りとなる可能性がある。来週はその点に注目してトレードすべきだろう。その場合、さらにドル円が下がり、クロス円も調整となる可能性もある。これで本格的崩れになるとは思えないが、そろそろ波乱が見えてきてもいい時期ではある。


コメント ( 4 ) | Trackback ( )




昨晩のバーナンキ記者会見はほぼ予想通りの内容になった。QE2の予定通りの終了(QE3はなし)。出口戦略には触れず。QE2終了以後も緩和的政策を継続、と現在の経済状況から予想される範囲だが、出口の具体的方法にほとんど触れなかったことで、6月末までの投機相場の継続はほぼ決定と言っていいだろう。
 
ただ、ドルの安定について久しぶりに触れたことが注目される。やはり、現在のドル安へは若干の懸念があるようだ。このあたりを含め、6月以降の緩和的政策の動向が今後の焦点となるだろう。
 
いずれにせよ、当面は、ドル安基調で問題ないと思う。円は昨日の日本国債の見通し下方修正で円安になっているが、これも予想の範囲内である。クロス円は円安に動いていくと思われる。問題は、ドル円だが、これは微妙。ドルと円のどちらが弱いかでふらふらと揺れるため予測しにくい。トレードは避けておきたい。



コメント ( 12 ) | Trackback ( )




相場はFOMC待ちになっていてやや方向性を欠いている。FRBが大きな政策変更を打ち出さないことは間違いないが、その後のバーナンキの会見が注目だ。米国債のアウトルック下方修正にも関わらず売れ行きは問題ないようだし、景況感もよいということで、たいした内容にはならない感じがする。前に書いた信用乗数の状態や、昨晩のケースシラー住宅指数の最悪の結果などを見るかぎり、6月までは現状の金融緩和策を続ける以外の方法はないだろう。

相場はあふれるマネーを使っての投機相場となっており、ドルを原資に、貴金属・商品・外貨などなんでも買われている。チャートで示したのは、金価格を、ダウジョーンズコーヒーインデクス(コーヒー豆価格の市況による商品指数)で割ったもので、原理的にはGSR(ゴールドシルバーレシオ)などと同様に、金との対比でのその商品の価格の割安感・割高感を示す。つまり、このチャートは、「ゴールドコーヒーレシオ」のチャートである。

このゴールドコーヒーレシオのチャートを見るとわかるように、昨年夏から急激に低下しており、そのまま低下を続けている。金の上昇より、コーヒーの上昇率が勝っているわけだ。このチャートに似たものはどこかで見たと思う方もあると思うが、実は、これはGSR(ゴールドシルバーレシオ)とまったく同じ動きなのである。貴金属の中で対比していると銀の特異性が目立つが、商品全体では、銀の動きはコーヒーと酷似しているのである。

銀とコーヒーは、どちらも市場が狭いこと、また供給力に限りがあり相場の変動が甚だしいことの共通性がある。コーヒーの値段が今後継続的に高騰していくと思う人はいないと思うが、銀についてはそうではない見方がある。私見では、銀の永続的高騰に対しては懐疑的なのであるが、この金コーヒーレシオの週足を見て考えていただきたいと思う。もちろん、他人のそら似ということもあるので、ひとつの御参考までに。


コメント ( 0 ) | Trackback ( )




ちょっと多忙でブログ更新ができていないが、ドル安の見通しは、前回エントリーとまったく同じ。ゴールドは1520以上と書いたが、すでに達成しそうなのには驚く。ただ、それよりも脅威はシルバーだろう。まさかこの段階で50ドルをうかがうことがあろうとは、銀ブルのトレーダーでも予想していなかっただろう。ただ、銀以外でもコーンやコーヒーなど似たような上昇率の商品は結構多いようであり(数日前のゴジラさんのところのブログ参照)、なんとも凄い相場になってきたものである。将来のドル安を見越して、ドルを売って、金・銀・商品・外貨を買うトレードが盛んになっているのであり、まだあまりドル安への危機感は米国にはないと思う。しかし、半年後、一年後はわからない。

とにかくこの相場についていくしかないだろうが、まずは6月のQE中止予定前後、そしてその後、秋頃に予想される米国利上げには厳重警戒が必要だろう。ちなみに、米国の4月のマネタリーベースはさらに猛烈に上昇しているが、マネーサプライ(マネーストック)はほとんど停滞気味で、結果、信用乗数(貨幣乗数)が、0.764と、史上最低値をさらに更新している(画像参照)。

昔、手押しポンプ式の井戸を使ったことがある方はご存じだと思うが、井戸から水が出ない時は「呼び水」といって上から水を入れる(YouTubeの「呼び水」の解説動画参照)。そして手押しポンプのハンドルを上下させると、ちゃんと地下水が汲み上がってくるわけだが、現状の米国は、呼び水(マネタリーベース)をいくら流し込んでも、地下水(真の経済成長)が出てこない状況である。QEが終わったらどうなるかは、この信用乗数のチャートを見れば、あまりにも明白であると思う。バーナンキのあせりが目に見えるようである。しかし、S&Pのアウトルック修正でわかるように米国債には政治的黄色信号が点いた。LEAP/E2020の言う「絶対に必要なQE3、しかし絶対に不可能なQE3」の通りの状況が現出してきているのである。




コメント ( 15 ) | Trackback ( )




米国債の見通し下方修正というイベントが入ってしまって、ドルインデクスが上下したが、既報のようにドルインデクスのP&Fは下方ブレーク中だ。他に、ユーロ、ポンド、豪ドル、スイスフランがブレークしており、金、ダウゴールドレシオもブレークしている。これだけのドル安要因がそろうことは数年に一度のことであり、まずは今後しばらくのドル安傾向はほぼ間違いないだろう。ドルインデクスは当面70をめざし、金も1520~1550ドル圏に達するものと思われる。

米国リスクが意識されるようになり、ドル安には歯止めがかからない状況だ。米国債の見通し下方修正は、米国債のこれ以上の膨張への警告でもあり、これでQE3はまずは絶対に不可能な情勢だ。となると、QE2の終了、そして米国利上げの時期が次の焦点となってくるだろう。そこでいったんドル安は止まると思われるが、すでに何度も繰り返しているようにその後の見通しはきわめて不透明である。
 
QEが終わることが明確になるまで、とにかくドル安基調の相場は続くと思われる。クロス円もここまでの流れを引き継いで上げ相場となるはずで、ドル円もそれによって円安が強くなると考えている。すくなくともそれほど遠くないところで、前回の85円台は上抜くのではないか。(ただ、自分ではクロス円は買うが、ドル円は今回は買っていない。やはり、こうなるとドル買いは中期でリスクが高い。)



コメント ( 24 ) | Trackback ( )




昨晩はS&Pの米国債見通しの下方修正によって大きく相場が変動した。しかし、コメント欄でもご指摘があったように、何らかの政治的な動きと連動したものかもしれず、私も、ただちにこれが決定打になって暴落に向かうということでもないと思う。どこが発信地かはわからないが、いわゆるアドバルーン(観測気球)の一種と考えていいのではないか。しかしながら、米国リスクが表面化したには違いなく、今後もくすぶりつづけ、年内のどこかで本格的に火の手が上がることになるだろう。
 
相場の動きも、そういう意味で、今後、次の段階で起きることの予行演習としてとらえることができるだろう。私が気になったのは次の点である。

1 金(ゴールド)の急速な上昇(これは当然。まさにストレートな反応だ。)
2 スイスフランの一瞬の上昇(これもリスク回避。)
3 円の上昇(なんと言っても危機時には黒字国通貨。まだ円は捨てたものではない。ドル円は上げ下げが激しい一年になりそうだ。)
4 ドルの上昇(これは株などの現金化に伴うものだろう。ドル安での反応はこれからじわじわくる。本番でも同じ動き、上げて下げ、になると思う。)
5 株の下落(インフレとか言ってもやはり米国リスクが高まれば株は下がる。株のショートにますます自信を持った。)
6 GSR(ゴールドシルバーレシオ)の低下(一番驚いたのがこれだ。今まで株の下げでGSRが跳ね上がらなかったことはなかった。今回のGSRの下げは驚異だ。銀が「本質的」に変わったのではないか?と疑う余地があるだろう。今後、要検討。ちなみに、GPR(金プラチナレシオ)は上昇した。これは普通の動きだ。)

ほかにもいろいろあるが、この中ではGSRは意外性が高かった。全体としては、今回の件で本格的崩れになるとは思えないので、しばらくこのあたりで揉んだあと、次の米国株価上昇、おそらくクロス円も上昇ということになると見たい。先に書いたように、米国利上げ後、しばらくしてあたりが本番になるのではないか。ただ、VIX指数は、一昨日に下方ブレークしたのに一転して、上方ブレークしてしまった。株価の先行きについては、もう少し様子を見てからよく考えてみたい。








コメント ( 11 ) | Trackback ( )




S&Pが電撃的に米国債の見通しを安定的からネガティブに変更した。格付けは変わらないものの、これは大きかった。ゴールドは瞬間的に1490ドル以上に跳ね上がったのは当然だが、為替的におもしろかったのはスイスフランの上昇だ。これは予測通りであり、円が頼りなく、ユーロが懸念がある現状では、為替的にはスイスフランへの逃避が妥当だ。すでにスイスフラン円はかなり買っているが、今後も大きく下げたら買いましていきたい。

昨日のエントリーの最後を

「いよいよ始まりつつある」、というふうに思っている。

としたが、まさに始まった。

ちなみに今月のLEAP/E2020の予測では、QE2が終了すると同時に、利上げなどが予告され、ドルは一時的に上昇するが、その後、半年でドルが30パーセント減価し、秋には、米国財政危機、米国債危機、ドル危機のトリプル危機が勃発するとしている。その通りになるかどうかはまだわからないが、米国ソブリンリスクがいよいよ相場の中心に躍り出たことは間違いないだろう。今晩のNY株価が注目される。米国リスクで下げるか、インフレ懸念で上げるか、今後の株価の動向を見るのに重要な材料となるはずだ。





コメント ( 14 ) | Trackback ( )




画像はVIX(S&P500ボラティリティ指数)のP&Fだがご覧のように15日に4ボトムで下方ブレークしている。VIX(現在15.3)の目標値は、P&Fでの計算からするときわめて低くなる。最低でも一桁の下の方への突入は間違いないところだ。VIXの下降はすなわち株価の上昇であり、ここから見る限り、今後の株価の強い上昇の可能性が高い。実際に、ダウもS&P500も単独のチャートでも上げそうだと私は考えている。

しかし、欧州懸念でユーロが弱いため、ユーロドルは軟調、したがってユーロ円も軟調だ。だが、豪ドルやNZドルやスイスフラン、そしてポンドは強いため、全体としてのドルインデクスはむしろ下降気味。よってドル円も低迷。為替相場は波乱含みである。

そして、金が強い上昇(ダウゴールドレシオが下方ブレークしそうだ。)、そして、銀がさらに強い上昇(GSRはさらに下降)。CRB指数も実は上方ブレークしており、商品全体は明らかに上昇の方向性だ。
 
為替から見ると、ユーロの弱さでユーロドルが弱く、ドルの弱さでドル円が弱いため、なんとなく不安定な相場に見えるが、上のように、投機活動は盛んであり、全体としては上向きで、悪くはない。
 
このバラバラに見える動きの基底にあるのは、やはり米国懸念であろう。既述の米国債務上限の問題がそろそろクローズアップされてきており、米国リスクが相場のひとつの要素となってきている。為替の不安定と、商品・株の上昇を一言で言えば、「インフレ懸念」である。これから少なくとも1年、あるいは2年は、米国のソブリンリスクに振り回される相場になりそうだが、これは基本中の基本のドルの問題なので、相場は大きな混乱になる。今までにない価格の動きが見られることになりそうだ。

「いよいよ始まりつつある」、というふうに思っている。


コメント ( 11 ) | Trackback ( )




画像はGSR(金銀比・ゴールドシルバーレシオ)の月足チャートである。2010年中頃から急激な下降となっており、銀価格の上昇度の金への卓越を示している。GSRはここ100年くらい、100から20程度の間を動いているが、現在35となり、相当な下降である。この銀の動きについて、二つの見方ができると思う。ひとつは、「銀は本質的・構造的に変わった」という見方、もうひとつは、「銀価格は現在の相場環境により構築されたものでいつかメッキがはがれる」という見方だ。この二つについて考えてみたい。

一班に社会学では、ものの見方を「本質的」とする方法と、「構築的」とする方法がある。たとえば、男女差のようなものについて「男は女より力が強い」というのは男女の本質(体力)に根ざしているという説明がわかりやすいが、「男の子は黒いランドセル、女の子は赤いランドセル」のようなものは、男女の本質とは無関係で、何かの社会的・歴史的文脈で構築されたものであろう。

現在の銀価格の金価格より強い上昇については、本質的・構造的なものであるとすれば、二つ前のエントリーのコメント欄でご指摘があったように、銀の工業的な新しい需要の急増や、非常に古い時代はGSRは20以下であったことなどを根拠に、「銀は本質的に変わった。これからもっと大きな銀の上昇となってGSRの下降は長続きする。」ということになる。それに対して、私がコメント欄で書いたように、それが構築的なものであるとすれば、「QEの環境の中でGSRの下降は起きた。つまり、将来への不透明さがある時代、その賭とヘッジが両方ともできる対象が必要で、それが銀だ。QE環境が終われば、GSRの下降はいつか逆行する。」という見方になる。

この二つの見方のどちらが正しいかはもちろんわからないが、私としては、後者の見方を再度繰り返しておきたい。根拠としては

1 QEはとにかく特殊な環境である。今までに例がないアメリカの大量通貨供給であり、特殊な現象が起きても不思議ではない。
2 世界の貨幣価値の減価は確かに起きているが、金よりも銀にそれが強く作用する理由がない。
3 GPR(金プラチナ比)やGCR(金銅比)と比べると、GSRは異常な動きをしている。銀だけに当てはまる原因をさがしにくい。
4 相場形成の後半期には、しばしば、「本質的・構造的」な理由が述べられる傾向にある(若林栄四氏説)。日経のバブルでは、不動産価値による株価の上昇が言われ、株価のあり方が「本質的」に変わったとされたし、ITバブル期には米国の「ニューエコノミー」という形で、経済は「本質的」に変化したと言われた。しかし、いずれも単なるバブルであり、価格は言葉にはやされて「構築」されたものであった。
 
ということで、現在のGSRの急降下は、おそらく今年から来年にかけて起きるNYダウの崩落とともに逆転し、銀相場はひとつの終局を迎えるというふうに想定しておきたい。ただ、この後、金価格も上昇するため、GSRはそれほどでもなくても、銀がつれて上昇する可能性は残されているだろう。その場合は、金も銀もいったん下降してから、再上昇になるはずだ。ただ、その波動のぶれが銀の方が極端になるということになる。


コメント ( 11 ) | Trackback ( )




昨晩のNYは、下院が財政法案を可決し、ガバメントシャットダウンの当面の可能性が完全になくなったこともあり、ダウも上昇に転じた。金・銀も大きく上昇し、今回のミニ調整は終了したと思われる。今回の下げで、ユーロ円で119円台、ドル円で82円台にちょっとかかったが、ドル円はやや予想より下だったが、ユーロ円は想定した値である。ここから、ドル安、そして軽い円安の動きになっていくと思われる。

銀の切り返しは力強く、さらなる上昇が期待される。ただGSRはP&Fで見るといったんの目標値に達しているように思われ、銀の伸びはやや弱まるだろう。ただ、QE2の終了までは基本上昇という見通しには変化はない。金は今週から来週にかけて最高値を更新し、いよいよ1500ドルを目指す動きとなると考えている。株金レシオでは、S&P500ゴールドレシオがダブルボトムで下方ブレーク、ダウゴールドレシオも下方ブレーク寸前だ。金の上昇の勢いがついてきていると思われる。


コメント ( 10 ) | Trackback ( )



« 前ページ