昨晩はS&Pの米国債見通しの下方修正によって大きく相場が変動した。しかし、コメント欄でもご指摘があったように、何らかの政治的な動きと連動したものかもしれず、私も、ただちにこれが決定打になって暴落に向かうということでもないと思う。どこが発信地かはわからないが、いわゆるアドバルーン(観測気球)の一種と考えていいのではないか。しかしながら、米国リスクが表面化したには違いなく、今後もくすぶりつづけ、年内のどこかで本格的に火の手が上がることになるだろう。
相場の動きも、そういう意味で、今後、次の段階で起きることの予行演習としてとらえることができるだろう。私が気になったのは次の点である。
1 金(ゴールド)の急速な上昇(これは当然。まさにストレートな反応だ。)
2 スイスフランの一瞬の上昇(これもリスク回避。)
3 円の上昇(なんと言っても危機時には黒字国通貨。まだ円は捨てたものではない。ドル円は上げ下げが激しい一年になりそうだ。)
4 ドルの上昇(これは株などの現金化に伴うものだろう。ドル安での反応はこれからじわじわくる。本番でも同じ動き、上げて下げ、になると思う。)
5 株の下落(インフレとか言ってもやはり米国リスクが高まれば株は下がる。株のショートにますます自信を持った。)
6 GSR(ゴールドシルバーレシオ)の低下(一番驚いたのがこれだ。今まで株の下げでGSRが跳ね上がらなかったことはなかった。今回のGSRの下げは驚異だ。銀が「本質的」に変わったのではないか?と疑う余地があるだろう。今後、要検討。ちなみに、GPR(金プラチナレシオ)は上昇した。これは普通の動きだ。)
ほかにもいろいろあるが、この中ではGSRは意外性が高かった。全体としては、今回の件で本格的崩れになるとは思えないので、しばらくこのあたりで揉んだあと、次の米国株価上昇、おそらくクロス円も上昇ということになると見たい。先に書いたように、米国利上げ後、しばらくしてあたりが本番になるのではないか。ただ、VIX指数は、一昨日に下方ブレークしたのに一転して、上方ブレークしてしまった。株価の先行きについては、もう少し様子を見てからよく考えてみたい。
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