142円台で一度下げて、141円を割るかと思ったが、結局141.2円くらいで折り返したようだ。140円でかなり長く停滞した分、ここから145円までは比較的速いかも知れない。ただ、145円越えは相当に難関だろう。神田大明神からの強烈な牽制が来るはずだ。
しかし、ここまでの上昇にはファンダメンタルズからのわけがある。一番大きかったのは、昨日だかの日銀の安達政策審議委員の、金融緩和継続発言だと思う。政策審議委員は、日銀の重要な方向性を決める位置にある。総裁、副総裁を除くと、その上位格の委員となるのが安達氏である。ここが、物価が下振れリスクがある、などと言っているのだから、YCCは鉄壁である。
これに対して、昨晩はなんと、スイスに続いて、英国も0.5%利上げ。これでクロス円はぐんと上昇して、円安を牽引した。国内では、絶対緩和、国外では利上げラッシュ。これだけ強い円安要因があっては、テクニカル的な行き過ぎ感や、日本株買いだけでは止めることはできないだろう。145円の時の、神田発言と日銀当局者の温度差が今から楽しみである。
以上から、145円でまたしばらく留まるものの、ドル円150円越えは相当の確率で見えてきたと考えている(シナリオの再確認となる)。