相場参加者はまだ行方を見守っている段階であるが、ダウは12000ドルを回復しており、次の上昇へのきっかけを待っているものと思う。前から書いている通り、次は6月のQE2終了までの上げになると思われ、13000ドル超えは間違いないところと思う。ダウゴールドレシオの値からすると、その時に金は1500ドル越えあたりまでは行くのではないか。その後、突然なにかのきっかけで株価が崩れるものと考える。
しかし、ここまでのファンダメンタル的流れを見ても、またテクニカル的に対ドル通貨ペアの動きを見ても、ここからはドル安が主軸となった動きになることは間違いないだろう。円は、何かことがあれば、今回のドル円のような動きをする力はまだあることがわかったが、その作用はひじょうに限定的である。積極的な円買いというより、円売りのロングポジションを崩すための投機的動きという形であり、力は弱い。ドル円が76円までいったにもかかわらず、クロス円の崩れが弱かったことからも、円がかつてのような円買いの対象通貨でないことは間違いない。ということで、次の危機は、ドル安が大きな要因であり、ドル円もそれによってじわじわと下げる形となると思う。したがって、クロス円は、一時的な崩れはあっても相対的にはドル円よりもはるかに安定して推移するに違いない。ここからの株価上昇に伴って、ドル円は85円程度まではあげる可能性もあるが、その後は大きく下げるはずだ。クロス円も連動して動くには動くが、下げはドル安によって、限定される。
以上をまとめると、次のように考えている。
1 3,4月に想定していた調整相場は、この震災によって達成されたので、今後は6月に向けて全般に上昇する。
2 ここからはQE2の効果にしても、また、その後、米国ソブリンリスクが懸念されるにしても、すべてはドル安要因である。
3 円は積極的な買いの対象にはなっていない。一時の円売りポジションの投げがあっても(円買いの仕掛け)、積極的に買い進まれることはない。長期的には円安の流れはファンダメンタルからも決定的だ。
4 金(ゴールド)は、しばらく順調に株価にともなって上昇する。
5 6月以降に、QE2終了とともに、米国株価が大きく下落開始し、ドル安がさらに進行する。金が異常に大きく上昇する。ユーロドルも1.6以上、ドル円も一時的に70円を割るかもしれない。
6 2014年以降は、円安が大きく進行し、ドル安をしのぐ。ドル円も100円以上、ユーロ円もおおきく円安になる。
ドル円150円、ユーロ円300円などという時代もそんなに遠くないだろう。
ここから考えられるトレード方針はこうだ。
1 株とドル円は、上昇のち大きく下落となるので、買いはひじょうに慎重に、かつ、機敏に。
2 金は、一時下げたら買いで、押し目買いで問題なし。
3 クロス円は、しばらく上げ。6月以降に一時下げる。ドル円の下落が大きく、70円を割りそうになっても、クロス円の下げは相対的には少ないはずなので、今からレバレッジを低くしての長期ロングもあり。
4 ドル円はここからは上げたら、ちょっとずつショートを打っていく。85円を超えたら大きくショート。
5 ドルストレートでは、ユーロドルなど、押し目買い。
こんなことで、一番安心できるのは、金(ゴールド)のロングであるという前からの見方はまったく変更がないが、そろそろクロス円の長期買いも考えてもいい時期にさしかかったのではないか。ドル円の下げに影響されにくいものとしては、やはりスイスフラン円が一番であり、次に、ユーロ円そしてカナダ円であろう。10年くらいの定期預金と考えて、スイスフラン円やユーロ円を自分の可能なレバレッジの範囲で買っておくのはおすすめできると思う。豪ドルやキウイもスワップを考えると魅力的だが、一時の下げのリスクをどの程度と見るかによる。このあたりは個人の考え方によるだろう。自分は、スイス円、ユーロ円、豪ドル円あたりをここからすこしずつ買うことにしたい。
| Trackback ( )
|