FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



サブプライム問題発生以来、世界経済は激動の時期に入ったことは間違いない。今は小回復(リバウンド)期であるが、ずっと予測してきているように、大底はまだだと思う。世界にはリスクがまだ残されている。
 
20世紀的世界がその内包するリスクにより崩れていくのが今の時代だとすると、その残されたリスクは地域別に次のように分かれる。
 
1 欧州(通貨が統一されたのに政治的に統合されていない)
2 中東(古い時代の残渣である王制による独裁的体制)
3 日本(政治体制の弱体・国債発行残高増大)
4 中国(民主化の遅れ・多民族の分裂危機)
5 米国(膨大な米国債の膨張)
 
為替的には、このうちの1のリスクはすでに大底を見たと考えている。ユーロドルの1.1台が底で、今後は21世紀をかけて、ユーロ圏の政治的な統合へと徐々に進んでいくと考えられる。そして、今回発現したのは3の日本リスクだ。地震という天災によって発現したものだが、これは一旦は円高として表現されたが、今後は、円安リスクとして徐々に発現していくと思われる。2の中東リスクもほぼ時を前後して発現した。中東各国における民主化運動だが、これは最終的にはサウジアラビアの王制を倒すところまで行くだろうし、その時には原油の高騰やドルの弱体化へとつながるだろう。

そして、まだ大きく発現していないリスクは、4の中国リスクと、5の米国リスクということになる。中国リスクの発現はもう少し先になるかもしれないが、必ずどこかで現れると見ている。5の米国リスクは、6月末のQE2終了時に発現し始めると考えている。米国経済は失業率や住宅指標など再度落ちこみを見せており、QEによるカンフル剤(マネタリーベースは3月中旬にさらに跳ね上がっている。FRBのチャート参照)が、もし切れたら、米国株価はつるべ落としになるだろう。と言って、QE2による発展途上国のインフレは無視できない段階になっている。米国自身にとっても、インフレが緊急の課題になりつつある。FED内部でも、QEのさらなる継続への疑問符が投げかけられてるのが現状だ。「絶対に必要なQE3、絶対に不可能なQE3 (an absolute necessity for QE3, an absolute impossibility for QE3 )」というのはLEAP/E2020の最新号の一節だが、私も、QE3(第三次量的緩和政策)は政治的な面から不可能だと思う。それは6月以降の米国株価の暴落を意味する。

つまり、今年の後半は、サブプライム問題発生以来最悪の相場状況になる可能性があるのであり、そこまでの一時の上昇相場を上手に乗り切り、その後の下げに対処していきたいと思っている。



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震災後の為替にはいろいろな見方がある。円高、円安それぞれに論拠があるし、実際にまだ国債などの発行がされるには間がある。したがって、現在の値動きはあくまでもいわゆる思惑なのだが、現時点での思惑は、やはり円安が勝っている模様だ。
 
いろいろあるが、日本がこれから復興に向けて巨額のお金が必要であり、その現実的な解法(のかなりの部分)は、円を刷ることである(国債発行、量的緩和政策の実行)という見方なのだろうと思う。円の価値の減価ということであり、QE2でそれを実行中の米国ドルの後を追うということになるだろう。
 
ここしばらく書いているように、円およびドルのこの動きは結果として、クロス円の上昇につながるのであり、今後もすくなくとも6月のQE2終了まではクロス円が強含むことはかなり確実だと思っている。今日はかなり上がったので、豪ドル円の短期ポジの一部は手じまったが、また折りを見てさらにクロス円の長期ポジションを構築すべく考えていきたい。6月以降、ドル円の下降によって、そこまでの上昇を打ち消す程度の下落はあると考えているが、豪ドル円が70円を割るような事態は10年程度にわたって想定できないと思う。



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画像はドルインデクスのP&Fであるが、ご覧のようにまたもやサポートラインで跳ね返されて軽くドル高に戻っている。ユーロドルなども似たような形で、上方ブレーク寸前でややユーロ安になっている。
 
しかし、数日前のエントリーに書いたように、ドル安の圧力は強く、このP&Fでも、75割れへの圧力は強いものがある。もうしばらくここらで揉む可能性もあるが、いずれ75を割っていくことはほぼ確実だと思う。
 
先週はまたポルトガル発で欧州懸念が出たため、オセアニア通貨が買われ、そのため、ドルインデクスの下降が弱くなったわけだが、ドル安の基調が大きく変わったということでもない。今後も、基本、ドル安、そして円安の流れの中での相場になるだろう。

したがって、クロス円は高値圏を維持すると考えているが、年内に来るさらなるドル安では、ドル円が相当に下げると思うので、クロス円も引っ張られて下に振れるだろう。その際の振れ幅がなかなか予測しにくいが、そこを考慮に入れつつ、徐々にクロス円を買う長期戦略で行きたい。

ここから日本は一種の戦災復興相場のようになるだろう。膨大な財政支出が必要になり、結局は国債頼みになるはずだ。よく言われる、日本のデフォルトなどはまったく考えていないが、結局、今後の国債の償還は、円安=国内インフレによって徐々になし崩し(償還額の減少)になっていくというのが妥当な見通しだと思う。すでに、《長期円安は始まった》と見ていいのではないか。(ただ、ドル安があるため、ドル円は今よりさらに下げる時期が来るというのが、問題を複雑にしているのだが。)アジア通貨に対しては、円はさらに大きく下げていくと思う。人民元の対円レートは、10年単位では、相当に、元高円安となるに違いない。

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今回の震災では、実世界の様々な損失も甚大であったが、トレードの世界の損害も大きかったようだ。色々な報道にあるように、日経のオプションで、プットの売り(暴落時に、理論的には無限大の損失を受ける)を行っていた人が、とんでもない価格でロスカットになって大きな損害を受け、その追加証拠金を回収できない証券会社も大損害のようだ。

オプションは本来現物のトレードと組み合わせてヘッジに使うものだろうが、実際は、気軽にプットの売りをして、このところの上昇相場で稼いでいた人もおおいはずだ。

このブログでは、FXとCFDを扱っているが、これら証拠金差金取引では、レバレッジの制限もあるので、よほどのことがないかぎり、無限大の損害というような状態にはならない。今回損害を受けた代表的会社である、ひまわりホールディングスも、証券業務からは撤退するが、FXとCFDは継続するという。

今回の「事件」で、デリバティブの危険性を説くブログなどもあるようだが、私の考えでは、FXとCFDは気をつけてトレードすれば、決して危険なものではないと思っている。株オプション取引については、専門ではないので、論評は控えたい。

自分のトレードとしては、前に書いたように、3月の調整は予測していたので、震災の前々日に、FXでのロングポジションは半分に縮小し、CFDの株はずっとダウでショートで維持していたので、下げた所で一部利益確定できた。しかし、いつもうまくいくものではないので、レバレッジには注意して、あらゆるリスクを考慮しつつ、今後のトレードに臨んでいきたい。


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バナーが重いので、すこしブログの読み込みが重くなっていますが、なかなか読み込まない時はブラウザの再読込をかけてください。



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相場参加者はまだ行方を見守っている段階であるが、ダウは12000ドルを回復しており、次の上昇へのきっかけを待っているものと思う。前から書いている通り、次は6月のQE2終了までの上げになると思われ、13000ドル超えは間違いないところと思う。ダウゴールドレシオの値からすると、その時に金は1500ドル越えあたりまでは行くのではないか。その後、突然なにかのきっかけで株価が崩れるものと考える。

しかし、ここまでのファンダメンタル的流れを見ても、またテクニカル的に対ドル通貨ペアの動きを見ても、ここからはドル安が主軸となった動きになることは間違いないだろう。円は、何かことがあれば、今回のドル円のような動きをする力はまだあることがわかったが、その作用はひじょうに限定的である。積極的な円買いというより、円売りのロングポジションを崩すための投機的動きという形であり、力は弱い。ドル円が76円までいったにもかかわらず、クロス円の崩れが弱かったことからも、円がかつてのような円買いの対象通貨でないことは間違いない。ということで、次の危機は、ドル安が大きな要因であり、ドル円もそれによってじわじわと下げる形となると思う。したがって、クロス円は、一時的な崩れはあっても相対的にはドル円よりもはるかに安定して推移するに違いない。ここからの株価上昇に伴って、ドル円は85円程度まではあげる可能性もあるが、その後は大きく下げるはずだ。クロス円も連動して動くには動くが、下げはドル安によって、限定される。

以上をまとめると、次のように考えている。

1  3,4月に想定していた調整相場は、この震災によって達成されたので、今後は6月に向けて全般に上昇する。
2 ここからはQE2の効果にしても、また、その後、米国ソブリンリスクが懸念されるにしても、すべてはドル安要因である。
3 円は積極的な買いの対象にはなっていない。一時の円売りポジションの投げがあっても(円買いの仕掛け)、積極的に買い進まれることはない。長期的には円安の流れはファンダメンタルからも決定的だ。
4  金(ゴールド)は、しばらく順調に株価にともなって上昇する。
5  6月以降に、QE2終了とともに、米国株価が大きく下落開始し、ドル安がさらに進行する。金が異常に大きく上昇する。ユーロドルも1.6以上、ドル円も一時的に70円を割るかもしれない。
6 2014年以降は、円安が大きく進行し、ドル安をしのぐ。ドル円も100円以上、ユーロ円もおおきく円安になる。
ドル円150円、ユーロ円300円などという時代もそんなに遠くないだろう。

ここから考えられるトレード方針はこうだ。

1 株とドル円は、上昇のち大きく下落となるので、買いはひじょうに慎重に、かつ、機敏に。
2 金は、一時下げたら買いで、押し目買いで問題なし。
3 クロス円は、しばらく上げ。6月以降に一時下げる。ドル円の下落が大きく、70円を割りそうになっても、クロス円の下げは相対的には少ないはずなので、今からレバレッジを低くしての長期ロングもあり。
4 ドル円はここからは上げたら、ちょっとずつショートを打っていく。85円を超えたら大きくショート。
5 ドルストレートでは、ユーロドルなど、押し目買い。

こんなことで、一番安心できるのは、金(ゴールド)のロングであるという前からの見方はまったく変更がないが、そろそろクロス円の長期買いも考えてもいい時期にさしかかったのではないか。ドル円の下げに影響されにくいものとしては、やはりスイスフラン円が一番であり、次に、ユーロ円そしてカナダ円であろう。10年くらいの定期預金と考えて、スイスフラン円やユーロ円を自分の可能なレバレッジの範囲で買っておくのはおすすめできると思う。豪ドルやキウイもスワップを考えると魅力的だが、一時の下げのリスクをどの程度と見るかによる。このあたりは個人の考え方によるだろう。自分は、スイス円、ユーロ円、豪ドル円あたりをここからすこしずつ買うことにしたい。




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しばらくブログ更新を休んでいましたが、再開致します。このたびの地震で被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
 
さて、今日はG7の為替協調介入決定で、円売りが進んだ。株も、東電はじめ上昇したようだ。しばらくは上下するだろうが、だんだんと全体としては平常に戻っていくと思われる。一番のリスク要因であった福島第一原発問題だが、格納容器内に問題がとどめられた1~3号機、プールの冷却に徐々にめどがたちつつある3・4号機と、破滅的事態は避けられた模様だ。いろいろな専門家からの直接のアドバイスも受けたが、原発事故の最悪期は過ぎたと考えている。それにより、相場も、あとは、震災復興相場へと変化していくと思われる。
 
前回のエントリーで、テクニカル的要因から、相場に波乱が近いと予測したが、こんなことになるとはまさに予想外である。しかし、相場バランスからするとここでの調整は適切であり、ここから予定どおり6月にむけて、株価上昇という形になると思われる。テクニカル分析からも、ゴールドプラチナレシオがレジスタンスに達している他、為替もドル円の76円は軽いサポートラインである。ここらで当面のボトムは見たのだろう。ドル円の本当の大底は、次のアメリカ発の経済危機の時に来ると考えている。
 
自分のトレードとしては、FXは、先のエントリーで書いたように豪ドル円ロングを震災直前に手じまっておいたのは幸いだった。のこりのドル円ロングはあえなく80円で自動ロスカットになったがこれはやむを得なかった。いささか痛いが、豪ドルの方だけでも助かったのでよしとしよう。
 
このような形で、円買いが起きるのは、たんなる需給要因ではなく、投機的な動きが大きかったと思われる。やはり、次の経済危機では、またもや投機的円買いが起きる可能性があることを改めて考え直す機会となった。
 
CFDの方は、ダウがかなり下げたので、売りのポジションの一部を手じまった。またここから数ヶ月であげると思うので、そこで再度売り直しをしたい。金の方は、予想通り、株の下げにつられて若干下げたが、回復は早い。次のNY発の株価暴落の時の動きの予行演習となったと思う。こちらは予定通りホールドだ。

FXとしては、下げたところで、キウイ円を少し買った程度であまり動いてはいない。リスクが大きい時期なので無理をすることはないだろう。













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昨日書いたばかりのGPRであるが、下降し始めていたように見えたが、昨晩はまた高値をつけて上昇に転じたようにも見える。この上昇は、リスク回避方向であり、ファンダメンタル的には、中東問題の再燃ということになるかもしれない。

まだわからないが、3月から4月あたりに大きな調整が来るということは、かなり可能性が高く、今回のものがそれになるかどうか、気をつけるべきだろう。

ということで、数ヶ月持っていた豪ドル円ロングのポジションは昨日、83.50あたりをつけたところで手じまいした。値幅はあまりとれなかったが、スワップが意外についたのでよしとしておこう。ドル円ロングの方はドル高の目もありそうなので、もうしばらく置くことにしたい。




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このブログではよくGSR(ゴールドシルバーレシオ)について言及する。これは金と銀の比の動きで、銀が選好されるときは景気上昇、金が選好されるときは景気下降という傾向を見るのに使っている。

ところで、これと似た動きをするレシオに、GPR(ゴールドプラチナレシオ)がある。GSRとの差は、金(ゴールド)と白金(プラチナ)との価格差はそれほど大きくなく、また全体の変動幅も少ないということがある。そして、こちらがより重要なのだが、プラチナは市場が銀よりもさらに狭いため、短期の値動きが大きいこと、そして、工業原料としての性質が、銀よりもさらに強いため、銀よりも敏感にリスク回避・選好に同期するということがあると思う。ということで、ゴールドプラチナレシオ(GPR)はゴールドシルバーレシオ(GSR)と比較して、短期での細かな動きを見るのに適していると言える。動きは、GSRと同様に、リスク選好で下降、リスク回避で上昇となる。
 
このチャートはGPRの日足であるが、ご覧のように、この半年で3回ほどのボトムをつけて反転上昇している。GPRの上昇は景気悪化(リスク回避)であり、この動きを見れば、その他の動きも推測できるはずだ。赤い矢印で示したところが最近の波動のボトム(=リスク選好から回避への転換点)である。

で、実際ダウの動きと比較してみると

  GPRの反転上昇    ダウの下落開始

1  8月1日       8月9日
2  11月4日      11月4日
3  2月3日       2月22日

というふうに、GPRの反転上昇から、同日、あるいは1週間から2週間の間を置いて、ダウも下落開始している。(ちなみに、同時期のGSRからはこのような動きを見ることができない。)

ということで、今後あると思われるダウの下落を予測するのに、このGPRは必須の資料だと考えている。現在は、GPRは再度下げはじめており、そこからすると、今回のダウの下落もそろそろ底で、次の反転上昇期が近いことを示唆するものだと思う。GPRは左のリンク集に加えておいたので、ぜひ折りに触れて、ご参照されたい。


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全体的な傾向はドル安方向でいいと見ている。ただ、波が大きいのでひじょうにつかみにくい。ユーロドルは上方ブレーク寸前に見えるが、まだP&Fではブレークしていないので、下もあり得るだろう。要注意というところ。
 
ドル円は上昇と見ている。なぜなら、ドルの波動を、ドル円とドルスイスフランとで比較すると、ドル円の底は81円台で徐々に上昇しているのに対し、ドルスイスフランの底はどんどん下降している。つまり、円安傾向と、フラン高傾向が顕著である。この傾向はしばらく続くのではないだろうか。
 
金は、ダウゴールドレシオが標準レベルまで戻ってきたので、しばらくこのあたりで停滞しそうだ。





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