FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



今後のドルの動きを見るのに、オバマ政権の動きは重要だ。しかし、最初の動きはいずれも警戒すべきものだ。
 
ひとつはキューバのグアンタナモ基地の軍事法廷の停止命令である。これは様々な批判があったものではあるが、大統領令で軍法廷に直接に命令を出すのは異例のことである。さっそく、軍から反旗があがった。

(引用)

オバマ米大統領・荒波への船出:グアンタナモ、特別法廷停止を拒否 審理続行の方針

 【ワシントン大治朋子】イエメン沖で00年に起きた米駆逐艦に対する爆破テロ事件を審理しているキューバ・グアンタナモ米海軍基地の特別軍事法廷は29日、オバマ大統領が出した審理停止の指示を拒否する判断を下した。ロイター通信などが伝えた。オバマ政権側は今後、審理を停止させるため、訴追を取り下げる可能性もあるという。
 担当判事は法廷で、審理停止などの権限は大統領ではなく「裁判官にある」と指摘。裁判手続きの延期は「迅速な裁判がもたらす公共の利益を阻害する」と述べ、審理続行の方針を示した。

http://mainichi.jp/select/world/news/20090131ddm007030114000c.html

(引用終わり)

次が労組の強化の大統領令である。

(引用)
【ワシントン=西崎香】オバマ米大統領は30日、労働組合の活動を支援する大統領令を出した。企業寄りが批判されたブッシュ前政権下での政策を転換し、労働政策を大きく見直す方針だ。勤労者ら中流・低所得層の生活水準を引き上げる政策を進めるための政府委員会も発足させた。
 労組支援では「労働者組織に対する過去8年間の政策の多くを転換させる必要がある」と宣言。手始めに、連邦政府の公共事業に参加する企業に対し、社内で労組の活動をしやすくするよう定めた大統領令に署名した。

http://www.asahi.com/international/update/0131/TKY200901310047.html

(引用終わり)

オバマ政権の動きは、いずれも大統領の強い権限をもとに大衆に迎合した形での大統領直接の政治を行おうというものであり、一見よさそうであるが、いろいろなところで摩擦を起こしそうである。注目してみたい。



コメント ( 3 ) | Trackback ( )




英国のポンドの動向については、ジムロジャースがどんどん下げると言い、ソロスが下げ止まり感を指摘するなど、話題が豊富だ。また今月末はさすがにちょっと反騰した。これを材料にポンドを買う動きもあるようだが、とんでもない話だ。

英国の株価(FTSE)ひとつ見てみても、画像のようにきれいなダブルトップになっていて4000を割り込めば2000まで落ち込む可能性が高い。これは欧州の株価全体に言えることであるが、チャートの形からはさらに下があることは間違いない。

日本の生保などはまだポンド円の大量のロングを保有しているようであり、そのあたりから、まだ日本ではポンドに期待する向きもあるようであるが、見当違いな思惑である。イギリス経済の悪化はこれからが本番と見るべきであろう。


コメント ( 3 ) | Trackback ( )




為替記事を読むために『週刊東洋経済』1/31号を読んでいたら、おもしろい?記事があった。テレビの将来を憂うという内容で、日本テレビ議長の氏家齊一郎氏が論じている。憂うのはよいのであるが、かなり見当外れだ。

例えば

(引用)

(問い)インターネットの台頭も大きな構造変化ではないですか?

(氏家)それは違う。多くの人が誤解しているが、インターネットはしょせんハード。問題は、そこにどういうソフトを流すか、だ。例えばニュース番組。そのソフトの価値を決めるのは、ニュースを集めて選択して価値判断して流す主体が誰なのか、ということ。・・・日本テレビの信用。・・もしブログに書いてある内容をそのまま信じてしまうような人がいるなら、よほど客観的な考え方ができない人だろう。

(引用終わり)

大笑いの結論であって、いまや、そこらの新聞記者やニュースキャスターとは比べものにならない知的レベル、高度な情報レベルで世界中のブログが情報を発信していることをご存じないらしい。(あるいは知らないふりをしているのか。)また、それを取捨選択してあらたな情報体系を組み上げてゆく知的な読者層が育っていて、新しい書き言葉の文化が発生していることはまるで無視されている。

インターネット、特にブログやYoutubeといった新しい世代のWebは情報の受信発信の構造(情報のソフトウェア)を根本的に変えてしまった。そのことを知らないか無視しようとする、テレビ局経営者、そして、テレビは没落の一途をたどることは間違いないだろう。



コメント ( 5 ) | Trackback ( )




ダボス会議が始まったら急に金があがってユーロが売られた。何か偶然でないものを感じる。ダボス会議は世界の政財界人が集まって会議をするわけだが、実は、裏でいろいろと密談が交わされて、いわゆる内部情報というか、インサイダー情報を知ることのできる場所らしい。それが行われている時の通貨の動きには要注意だ。

これと関係あるかどうかわからないが、FOXテレビのグレン・ベックという有名なキャスターとロン・ポールとの対談の記事で、グレン・ベックが面白いことを言っている。ロン・ポールについて詳しく報じる豆長者氏のサイトによると次のようである。

(引用)

それは、メディアで全く報道されていないと思いますが、
私たちは、今、それを調べているところです。
それは、こういった国々、私たちの同盟国、フランスも、イギリスも、ドイツも。
彼らが、二週間前に、フランスで会合してたんです。
そこで、彼らは、新しい資本主義というか、政府がそのなかで役割を果たす、
そういうものについて話し合ったのです。

新しい通貨といったものについても、彼らは皆で話し合っています。
新しい金本位制が必要になると。

(引用終わり)

これはLEAP/E2020も言っている複合資源通貨バスケットによる新しい通貨構想のことであろう。今後ドルの価値が減価して、原油価格がGCC通貨(カリージ)で取引されるようになると、世界的な新基軸通貨構想が必ず必要となる。それには、商品(コモディティ)価格を繰り込んだものになる可能性があり、かつ、金価格を折こまざるを得ないと考えているが、そのひとつの証拠となる話である。

で、こういう話がダボス会議で裏で話されて、金の購入に繋がっているという推測はあながち誤ってはいないと考えている。ドルの次は、ユーロではない、複合通貨商品バスケット通貨であると、私は想像している。おおよそのイメージとしては、ユーロ・ルーブル・円・元・金・原油・小麦といったものである。


コメント ( 3 ) | Trackback ( )




今日も金が暴騰している。P&Fチャートで見ると、920ドルを越えるとそこからは下と等距離の垂直カウントでの上昇となるため、950までは一気に上昇することになる。

ここまでの非常にマクロなチャートの構造を見ると、巨大な三角保ち合いが上にブレークを始めたようにも見えるのであり、だとすると300ドル以上もの上昇が今後見られることになる。

いずれにせよ、チャートからは金価格の今後の上昇がみてとれる。


コメント ( 0 ) | Trackback ( )




ここまで分析してきたように、今後、イスラエルが暴発して、イランなどに核攻撃を加える可能性が高くなってきている。その場合の為替の動きを予想しておこう。
 
まず原油が上がることは間違いないので、それに連動して、ユーロドルが上がり、また、それにひっぱられて金も上がるだろう。
 
ドル円はいったんドル買いになるのではないか?ただ、ユーロドルの上昇分のドル安があるので、極端なドル円高にはならず、むしろそこから反転してドル安になると想像する。有事のドル買いは既に過去のものであり、なんといっても原油高、そしてユーロ買いになると想像している。もちろん、中東有事にロシアなどが関与すればまたわからないが、現状では、イスラエルとイランだけの問題としての話である。


コメント ( 2 ) | Trackback ( )




#追記あり

為替があまりおもしろい動きをしないので、今後の問題に発展すると思われる事象をちょっと。
 
日本の新聞ではあまり触れられていないが、今後全世界を揺るがす大問題が発生した。CNNのサイトから引用しよう。昨日のエントリーでも述べた反ユダヤの動きである。

(引用)

ローマ法王、ホロコースト否定の司教破門を撤回

エルサレム(CNN) ローマ法王ベネディクト16世は24日、ナチスドイツ時代のユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を否定する発言をした英国人のリチャード・ウィリアムソン司教らの破門を撤回すると発表した。イスラエルのユダヤ人当局者は、これに強い不快感を示している。

破門を撤回されたのは、聖ピオ十世会所属のウィリアムソン司教ら4人。同司教は先日スウェーデンのテレビ局に対し、ナチスドイツの収容所で死亡したユダヤ人は20─30万人にのぼるものの、ガス室で死んだ者はいないなどと主張した。

ユダヤ人側との連絡を担当するキリスト教一致推進評議会のウォルター・カスパー枢機卿は電話でCNNに対し、「(破門撤回は)法王の決定。自分の意見はあるが、法王の決定にコメントしたくない」と述べた。

聖ピオ十世会は1960年代のバチカン改革に反対したルフェーブル大司教によって設立され、非認可の儀式で4人を聖職に任命。この結果88年、当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世が4人を破門した。

(引用終わり)

大戦中のナチスによるユダヤ人大量殺害の事実を否定するものは恐らく誰もいないが、その規模や、いわゆる「ガス室」による数百万人の虐殺(ホロコースト)があったのかについては疑問をいだく人も多い。日本でも雑誌マルコポーロが廃刊になった事件(最近著者の西岡氏が再度webに転載したもの)などがあったが、現在はドイツの反ホロコースト否定法でその言論自体が禁止されているため、公にホロコースト否定を述べることは世界的にも許されていない状況である。今回のバチカンの決定はその流れに決定的に反するものであり、すでにイスラエルのユダヤ教指導者がバチカンと関係を絶つことを表明するなど大問題になっている。この司教は9.11は自作自演であったなどいろいろと発言しているようであるが、すくなくともこうやって堂々とネットでホロコースト(ガス室による虐殺)はなかったと発言していることは驚くべきことである。なお、このビデオでもわかるように、この司教自身は「反ユダヤ主義(アンチセミティズム)」の立場ではないと言っている。それは事実であろう。問題は、個人が反ユダヤ主義であろうとなかろうと、この時期に、司教を復帰させたバチカンの思惑である。
 
ホロコーストがあったかどうかについてはさておき、ガザでの非人道的なイスラエルの行為が明らかになったこの時期にこのような決定がされたことが、すでにこのブログで何回も述べている、反ユダヤの動きが西洋一般で強まるであろうことのひとつの明白な事実である。イスラエルは明らかに劣勢にたっている。今後を注目したい。中東でことが起これば、為替に及ぼす影響は極めておおきなものになるだろう。

(追記)

このブログの記事はとても参考になるので追加しておく。

(引用)

1月27日の火曜日、国連ではホロコースト記念のセレモニーが開催された。しかし、今回は国連スタッフの中で、欠席する者が多かったと、エルサレム・ポストは伝えている。
 最近になって、国連の枢要な地位を占める人たちが、いわゆる第三世界からの人たちによって、占められていることが、その裏にはあるのではないか。同時に、ガザ戦争が世界に与えた、ショックの影響も否定できまい。
 世界の多くの指導者たちが、ガザで起こったことはホロコースト、虐殺以外の何物でもないと主張したが、それに心情的に賛同する向きは、少なくなかったのであろう。
 同じ時期に、エルサレム・ポストが伝えたもう一つのニュースは、イスラエルのチーフ・ラビ(ユダヤ教の最高権威者)が、キリスト教の総本山であるバチカンとの、絶縁を宣言したことだ。
 ドイツで起こったホロコーストも、ロシアでも起こったポグロムも、いずれもキリスト教徒による、ユダヤ教徒殺害だった。もちろん、ドイツが行ったホロコーストには、他のヨーロッパ諸国も、間接的に協力していたのだ、と言われている。
 つまり、21世紀を迎えたいま、20世紀に大問題となった、ユダヤ教徒に対するキリスト教徒の対応に、大きな変化が出てきたということではないか。

(引用おわり)



コメント ( 0 ) | Trackback ( )




今日の豊島氏のブログでは、今の金相場について、若干の補足があった。こちらのブログを読んでいるわけでもないだろうが、補足情報として理解することができる。笑

(引用)

さて、これから2009年の半ばから後半にかけて、この問題がどのように展開するか。筆者はかねてから述べているように、マネタリーインフレが顕在化して、いずれ金価格を押し上げる材料となると読んでいるわけだ。ただし、足元の金市場は仕手戦の様相で要警戒である。

(引用終わり)

いずれは上げるが、今の900ドルはムリという読みであるというのだ。確かに金先物の短期トレーダーはかなり細かい値動きまでを見るのであって、長期にホールドする素人とは違う側面もあるだろう。金価格の動向は、ドル価格と直結するので、さらによく見てゆきたい。



コメント ( 3 ) | Trackback ( )




現代日本の異能の社会評論家の両者の対談本が話題になっている。副島氏の陰謀論に対して、佐藤氏がやんわりと否定しながら、両者の知識を総合する形でまとまっていて、ひじょうによいできだ。副島氏は単独だと陰謀論全開になってしまってややとっつきにくい印象があったが、こうやって読むとさすがに知識もある。佐藤氏のロシア欧州分析もまったく鋭いものがある。読み終わって為替関係で印象に残ったことは次の通りだ。

1 ドルの崩壊と新通貨体制の構築は間違いない(副島)
2 欧州とロシアが連携して、ユーロ・ルーブルを作る可能性がある(佐藤)
3 中東が起点となって核戦争になる可能性がある(両者)

いずれも従来のそれぞれの著者の主張であるが、世界情勢の裏事情に通じたふたり併せて読むと説得力がある。ドルが基軸通貨として終わったあと基軸通貨となりうるものがあるかということについて、今までどうもすっきりした解答が頭になかったが、ユーロ・ルーブルという枠組でバスケット通貨をつくるなら実現性はあるだろう。ユーロ・ルーブルそれぞれ単独では弱みを持つが、相互補完して、経済力と政治力と軍事力を持ったものとすることはできる。

もうひとつの中東を発火点とした核戦争の可能性は、私自身もひじょうに懸念している。経済悪化による、アメリカ国内の反ユダヤ感情の高まりは相当なものがある。今後、アメリカのイスラエルへのコミットメントの状況は従来どおりにはいかなくなる可能性が高い。それを見越した、アラブ諸国からのイスラエルへの圧力の増加、そして窮地に追い込まれたイスラエルの暴発(=イラン地下核開発工場への小型核爆弾投下)というようなシナリオは徐々に実現性が高くなっていると思う。そこまで行った場合、ロシアを巻き込んだ第三次世界大戦の可能性もまったく捨てきれるわけではない。1920年代の大恐慌が結局世界大戦の需要によって終局を見たのと同じく、今後来ると思われる超大恐慌が世界大戦にたどり着かないとは言えない情勢ではないだろうか。それくらい、今回の経済危機は問題が大きいと認識している。



暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠
副島 隆彦,佐藤 優
日本文芸社

このアイテムの詳細を見る


コメント ( 4 ) | Trackback ( )




金についての国内でのひとつの権威はWGC(ワールドゴールドカウンシル)の豊島逸夫氏だ。三菱マテリアルのサイトでコラムを連載していてまことに有益である。
で、それについて一言。

さて、豊島氏は今日も昨日に引き続き、金へのマイナス評価記事を書いている。

(引用)

昨晩は、シティーが2009年金価格見通しを950ドル(平均)から825ドルに引き下げ発表。UBSジョンリードは目先強気、今後3か月では反落予測。GFMS社の強気と対照的。色々プロの見方も割れておりまする。
まぁ、金融危機などの経済有事で買われるときは、一過性で終わることが多いと、筆者は本欄や新著でも指摘し続けてきているが。(「金を通して世界を読む」224ページ、「有事の金の本当の意味」参照)。

(引用おわり)

ちなみに昨日の記事はこれだ。

(引用はじめ)

しかし、原油、ユーロ、中国経済成長率が本格的に反騰しないと、金相場の持続的推進力には欠けると思う。900ドル、あるいはGFMSが言うように1000ドルをつけたとしても、それは一過性の“派手な打ち上げ花火”になろう。

唯一、今、日本人が金を買う強い論拠があるとすれば、円独歩高かな。以前にも述べたが、円独歩高ということは、日本人は世界中で最も割安に金を買える国民なのだ。まぁ、筆者は、今のマーケットには乗れないので、スキーリフトに乗って冬を過ごすことにします。(笑)

(引用終わり)

三菱マテリアルのサイトのコラムにしては、買い煽りでなくて、良心的であるとも言える。笑
 
しかし、二日にわたって金への攻撃的記事を書くというのは逆にちょっと不審である。実は、彼の所属するWGC(ワールドゴールドカウンシル)は「世界の主要金鉱山会社によって構成される非営利団体」だ。金鉱山の大半は、値下がりに備えて昔から金のヘッジ売りをしていて、今は損が出ている。だから、ホントは金にあまり上がってほしくないのだ。ほどほどに上下してくれるのがいいと考えているはずだ。
 
ということで、豊島氏の意見は一般にはいい情報が多いが、自分は、その所属組織を前提とすると、全面的には信じてはいない。ここは、ひそかに一般投資家の金投資を抑制するような記事を載せていると考えることも可能である。私見では、今後、どう考えても金は上がるに違いない。プロとされる豊島氏の意見が当たるか、素人の自分の考えが当たるか、今年の年末が楽しみだ。大きく値下がりをしていたら、本日の記事は謝りたい。笑


コメント ( 7 ) | Trackback ( )



« 前ページ