FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



雇用統計が発表されたが、内容は予想より悪く、ますますQEの縮小が難しいという観測からドル安になっている。前のチャートで見たゴールドの下落トレンドも明らかに反転したといえる。ユーロドルも1.38越えが見込まれるということで、もう一段の大きなドル安相場となりそうだ。QE縮小がないとなれば、株価もさらに上昇するだろう(日米とも)。
 
ところで、ここまで、ドル円はユーロドルなどのドルストレートの動きと平行して、ドル主体で動いてきていたが、今日はなぜか違った。ドル安に対して、大幅円安で答えて、ドル円は上昇となった。もちろん、クロス円は大幅上昇である。
 
これが今日もっとも興味深い動きである。原因としては、先頃来の日本の貿易赤字の増大、そして日米の株価上昇を考える他はないだろうが、この動きにはおおいに注目していきたい。今日は、雇用統計の後98.10まで戻ったところで、ドル円は短期で買い増しした。この大幅なドル安でのドル円上昇は、今後のドル円のしばしの上昇を暗示するものだと考えている。

2007年以前の円安相場は、ドル安・円安の流れで強化されていったものなので、ドル安(ユーロドル上昇)でのドル円上昇は、それ自体不思議ではない。今年は、あまりにも、QEの縮小=ドル高期待が強すぎたのかもしれない。ここはおとなしく、流れに乗ってみたい。







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米国の動向待ちのいらいらする相場が続いている。この先どうなるか、政治情勢は不確定であるので、その他の面から考えてみよう。ドルインデクスは前にも書いたようにまさにギリギリのところだ。P&Fではむしろ下向きの方向性が強いが、80で留まらせようという力も強く、拮抗している。そこで、論理的にドルの逆をいくゴールドの動きはどうだろうか、それを見て見よう。

ゴールド(金)価格のP&Fは、掲げた通りであるが、あまりにも見事な下げトレンドである。特に1430ドル(昨年秋)からの下げを見ていただきたい。時間軸が圧縮されるP&Fでは、上値がだんだんと下になっていることが明確に見て取れる。この動きからは、金が再度高値を目指す可能性はかなり低いと言える。しかも、この自然な下げ方からは、何かの強引な操作ではなく、市場全体がだんだんと弱気になっていることを想像することができる。

金が上昇トレンドに入ることがないなら、ドルが再度大きく下落することもない、そういうふうに考えられるのではないか。市場参加者の金への信頼はゆっくりと下がっている。

ということで、ドルインデクスだけからはなんとも言えないが、金も考えると、ドルの反転上昇に若干の分があると考えていいのかも知れない。

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今年のノーベル経済学賞が発表になった。この賞は物理や化学のノーベル賞とは別物で正確には同じノーベル賞ではなく、米国の主流経済学者などの欧米人しか受賞できないと言ってもいいものだ。しかし、その範囲で言えば、現代経済学の動向を知ることができる点で意義はある。今年は、このブログでもなんども取りあげたケース・シラー係数(住宅指数)の発案者のひとりのロバート・シラー、ファイナンス理論の、ユージン・ファーマ、ラース・ハンセンが受賞した。いずれも米国の経済学の世界で超著名な人々であり当然の受賞だろう。彼らの業績に共通するのは、資産価格の算定についての功績である。時宜を得た受賞と言えるのではないか。
 
特にシラー教授は、今回のサブプライム・リーマンショックを予測した本を出版しており、今回の一連の危機ではスター的存在となった。今後もケース・シラー係数は、米国の回復ぶりを占うものとして重要であり続けるだろう。その意味で、感慨深い受賞である。

相場の方は相変わらずである。17日を待つしかないだろう。






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FRBがQE縮小できなかったところで、時間が逆戻りしたというか、止まってしまったような相場になっている。米国の債務上限問題もいつもの通りとは言え、オバマの指導力低下もあって、混迷している。期限である17日の間際まで決着はずれこみそうで、このドル安相場はいましばらく続くとみていいだろう。市場参加者も完全に方向性をつかめないでいるため、大きく変化する可能性は少ないものの注意すべき相場が続くことは間違いない。

短期はそれでいいとして、その後どうなるかについても、いろいろな意見が交錯しているようだ。波動論の予測者の宮田氏も、上がったり下がったりで苦心惨憺であるし、若林氏も下落論をとなえっぱなし(なかなか実現しない)の状態で、予測の難しさを示している。

自分としては、今後の長期円安はいろいろな兆候やサイクルからほぼ間違いないと思っているが、米国株価などがこのまま上がっていくこともあり得ないと思っている。ドル円ともに一度の大きな下落を経てのことになるだろう。その時期と幅が問題なのだが。

過去のドル円の下降の様子を見ると、一度85円まで突っ込んでから100円に戻り(2009年初頭)、次に85円になり95円に戻り(2010年初頭)と、2回の大きな波動を経て、2011年2012年の円高期となっている。大きく見ると85円と95円と100円というのがレジスタンス・サポートとなっているので、100円からはなかなか上がりにくい。この後、90円を割るところまでの下げがどこかであるかもしれないが、今の所その兆候はない。いずれにせよ、レバレッジと証拠金を考え合わせれば、下げに耐えうるポジション量は明らかなのだから、長期ポジションを形成しようと考える場合は、余裕をもって臨みたい。

短期的には、17日までは様子見でいいと思う。その日の動きすら、なかなか予測しにくい状態である。万万一の米国債部分デフォルトがあれば大変だし、大きく張る場面ではないだろう。




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広いレンジ内で動いていたドルインデクスだが、10月に入ってやや下を目指す力が強くなった。1日2日の動きでP&Fでも下方ブレークが出ており(掲載チャート参照)、久しぶりにドルインデクス75あたりを目指す可能性が出てきた。
円高はそれほど強くなく比較的ニュートラルな動きなのだが、そこまでドルが下がる(ユーロ等が全体として上昇する)とドル円もこのままではいられない。一度96円あるいは95円を割るあたりまでの動きがある可能性が高まったのではないか。円安派としてはがまんのトレードとなるが、流れに逆らうのは危険だ。かなり円売りも貯まっているので、底付近では急激なダウン・アップが予想される。気をつけながら、冬までの上昇期への反転時期を探っていきたい。


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