FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



昨晩のNYはたいした材料がないかと思っていたら、CITの破綻懸念などから一気にリスク増大相場となってしまって、VIXやGSRが急上昇して、ドル円が下降した。これはまったく予想外で、GDPの時にロングをもう少し利食いしておけばよかったと思っても後の祭りである。今日になってCITの破産が正式に発表されそうな気配となってきたが、これによってアク抜けとなるか、余波があるかはまだわからない。昨晩の動きには月末要因がかなり大きかったとも見られ、月が変わってからの状況を確認してみたい。
 
さて、ドル円のNY終値はぎりぎり90円を保ったというところで、まさに徳俵に足がかかった状態である。テクニカル的にはここからの反発の可能性もあり、さらに下降の可能性もありではっきりしないが、どちらかと言えば中期的には上昇の目を残したと考えている。本格的なドル高相場に見られるLIBORの変化や金の急降下がなく、むしろ終値では金が上昇していることから、ドル買い戻しの動きは限定的である。月曜日からの予想としては、やや不安定さを残すものの、89円台を切ってどんどん下降していくという形は考えていない。実は自分ではドル円90円ちょうどでロングを入れているのだが、これは月曜日に大きく窓を開けて下落したらあきらめるとする。

株価の方はVIXがP&Fでトリプルトップの上へのブレークアウトになっており、もう少し調整があると見るのが自然だ。となると、ドル円もすんなりと上がるとは思えない。このあたりで神経質なもみ合いとなるだろう。中期的には、ドル円が93円以上に上昇するという見込みはまだ変えていないが、ポジション量には注意しつつ、さらに下げる場合は痛いがカットしていくつもりである。FXはなんの労働もなしに金銭が入ってくると思われがちだが、実際には、それは知的労働および精神的苦痛の代価なのだ。自分のお金で投機を行い、為替市場に流動性をもたらしているボランティア、それが個人トレーダーである。^^;



コメント ( 16 ) | Trackback ( )




さて、ミシガン指標はほどほどであったが、その前にスイス中銀によるドル買いフラン売りの介入があった模様で、ドル買いが進んでいる。とはいえ、それほど強烈なものではないので、ユーロドルや金の下げもさほどではない。今日はあまり大きく動かずこのレベルで週を越えそうである。ともかく、月が変わってからの相場に期待したい。
 
先月からドル円の月サイクルが復活してきているようであり、月初めの満月にドル円が高く、月終わりの新月に低くなっている。来月は4日が満月でありそれにむかって上げていくという形が考えられる。11月相場はかなり大きく動くことは間違いないのであり、ここはレバレッジを上げて大きく益を伸ばしていく必要がある。努力してみたい。




コメント ( 20 ) | Trackback ( )




フラクタルのことを調べていると、べき乗分布というのがひとつのキーワードとして浮上してくる。これは少し前から言われているものらしく、参考文献も探してみるときわめて多く、社会科学でもブキャナンの研究などが有名である。まずは、この図をご覧いただきたい。これは、ある通貨ペアが、NY終値で、ある日と翌日とで何pips上下に動くかというのをたくさんの日で統計して、その日数(頻度)を縦軸、動いたpipsを横軸としたグラフとして見ていただきたい。

上側のグラフはそれが仮に「正規分布」だとしたもので、数十pips動く日が多く(レンジ的動き)、そこから徐々に頻度は下がり、数百pips動く日はそれより少なく、数千pipsとなると極めてその日数は少なくなる。標準偏差で言うと3σ(標準偏差の3倍)より外にはほとんど値はなくなる。

下側のグラフは、それがいわゆる「べき乗分布」だと考えたものだ。数十pips動くことが極端に多く、そこからはガクンと頻度が減る。ただ、そこからの減り方は緩慢になり、3σのずっと外側、たとえば数千pipsでも値がある程度ずっと存在している。つまり、超ロングテールであり、例外的事象の起きる確率が高い。つまり、流行の表現で言えばブラックスワンが発生しやすい。
 
ここまででおわかりと思うが、実際の為替の動きは、このべき乗分布に近いことが知られている(下の高安氏著書参照)。だから、急激なブレークアウトが発生したりして、例外的な値が継続していく。昨年の豪ドル円やポンド円の下落の様子を思い起こして欲しい。一日に数百pipsの下落がどんどん継続したのだ。標準偏差の考え方を元にしたテクニカルの指標のボリンジャーバンドで言うと、バンド内で反発するというのが、為替を正規分布的に捉えた見方であり、バンドからのブレークアウトで順バリするのが、べき乗分布的テクニカルの見方である。発案者のボリンジャー自身は、後者を薦めているのだが、それは実に、理論的にも正しいわけである。
 
為替の現象は、このように、ありきたりの現象と、そうでない現象とが対数的に大きく頻度が違っていること(真ん中が突出)、そして、珍しい現象が意外に高頻度で起きること、の二つの意味を持っていることから、トレードにおける枚数配分が非常に重要であることがわかる。つまり、ありきたりのふつうの相場では枚数を少なく、例外的相場では、対数的に多くの枚数を投下することではじめて利益が取れるものなのだ。このメリハリの付け方こそがトレードの正否を握っている。それは為替がべき乗分布することに起因していると考えられる。

べき乗分布には、その他、本質的にフラクタルな分布であることなど、いろいろなおもしろい性質があるが、詳しくは週末に再度掲載したい。基本的参考文献としては、次の二つをお勧めしておく。

経済物理学の発見 (光文社新書)
高安 秀樹
光文社

このアイテムの詳細を見る


歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
マーク・ブキャナン,Mark Buchanan
早川書房

このアイテムの詳細を見る





コメント ( 7 ) | Trackback ( )




さて、このあとしばらくはまだ不安定ながら円安方向に動きそうである。前の円高の反動が続いているという観測である。

問題はドルであるが、これがむずかしい。現在のドルは、

1 新興国・資源国への買いの調達通貨(ドル安方向)
2 米国の財政懸念におけるドル不安(ドル安方向)
3 米国景気の持ち直しによる評価(ドル高方向)
4 米国利上げ懸念(ドル高方向)
5 株安等におけるリスク増加(ドル高方向)

などの要素があり、どちらにも動きやすい。ここ数日は5が出ていたが、そこまでは1と2が大きな要素だった。ここで一応リスク懸念は当面去ったと見ているので、そうなるとまた、1と2が支配する相場になるのではないか。ということで、しばしのドル安・円安を予想しておく。ユーロ安を予測する意見が大勢のようであるが、ユーロインデクスの日足はこのところかなり長くMA50を割ることがなく、今回もあと少しでMA50にタッチしそうなところで反発している。反発するとしばらくは上げになるようであり、半月程度はユーロドルの上昇を予測しておく。ポンドは円安といっしょに上昇すると考えているので、ポンド円は意外な上昇となるだろう。


コメント ( 6 ) | Trackback ( )




さて、米国GDPが予想より良かったということでリセッションだかデプレッションだかが終了の気配ということで、リスクが吹っ飛んでドル円が上昇した。為替トレーダーのメンタリティはまことに移ろいやすい。

円高が一段落は問題無いが、ドルストレートもポンドドルを中心に上げているのがひとつ問題になる。やはり、今回ドルキャリートレードの巻き戻しがあったところが、さっきのGDPがきっかけで元に戻ったという側面もあるようだ。良い指標でドル安というこの動きから推測するに、11月の前半は、またドル安・円安の動きとなるのではないか。とすると、やはり金も上がることになる。1100ドル台前半くらいまで行きそうである。


コメント ( 5 ) | Trackback ( )




ドル円が90.50まで押してきた。思ったより深く押した印象だが、まずはこのあたりを底と考える。ここより先はオーバーシュートと考えるが、万一90を割ってくるようだとロングの一部損切りや利食いも必要になるだろう。今回のロングの根っこは89円なのでまだ余裕はあるが念のためである。
 
ドルストレートは、ユーロとポンドが完全に分離してしまったため先行きが読みにくくなっているが、こちらもユーロドル1.47がメドと考えている。これ以上ユーロが下げるとユーロドルは全部当面切っていくことになるし、金の方もやや心配になるが、金の1030は前回までの高値であって大きな節であるから、おそらくここで止まると考えている。今日明日の動きを注視したい。ユーロポンドは0.88を予測する向きが増えているが、そのあたりまでは覚悟かもしれない。その辺でロングを確保していきたい。



コメント ( 13 ) | Trackback ( )




このところポンドとドル円はじつに動きが似ている。ポンドが上昇を開始したので、まもなくこの円高が止まって、ドル円上昇に転ずるだろう。
 
なぜ、ポンドとドル円が似た動きをするのか不思議である。


コメント ( 2 ) | Trackback ( )




ドルストレートの調整によるドル円の下降が続いている。そろそろいい水準に来たという観測だ。ドル円が90.50円を大きく割っていく様子は感じられない。ドルストレートはそれよりも不安定だが、ドル円の限界から類推するに、今回はこのあたりで一度戻していく可能性が高いと思っている。現状は、91円でドル円ロングをかなりポジション取りしている。ユーロドルロングは少し買い増し。ユーロポンドロングは含み損のままホールドだ(分量は少ない)。金は1030台では当然買い増している。今回の調整で1000ドルを割るイメージはない。

今回の調整は、この先の大きな調整のミニバージョンであるという見方にますます傾きつつある。このあと、ドル円上昇、ドルストレート上昇の後、11月には大きくドル円・ドルストレートが下がる、いわゆるドル高・円高になるという見方だ。株も商品も下がるだろう。とにかく、ドル円93円から94円の天井を確認したら、そこで一度すべてのポジションはほぼスクエアにして、その後の戦略を考えることとしたい。ただ、もし下落があるとしてもそこから完全な市場崩壊へと進むとは考えていない。もういちど上を見ることもあるだろう。ジグザグ模様の市場となると想定している。




コメント ( 5 ) | Trackback ( )




ドル円、ドルストレートとも押し目となってきた。ドル円は91円前後までの押し、ドルストレートはほぼ現状レベルが底と考えている。ということで、そのあたりを目標に徐々にロングを入れていく予定である。特にドル円は90円台があれば大きく買っていきたい。


コメント ( 7 ) | Trackback ( )




さて、民主党に政権が移って最初の仕事とも言える予算編成が進んでいる。国会審議も始まろうとしている。日本のこれから、また、我々FXトレーダーにとっては長期的な為替レートの動向を考える上で、民主党政権がどういうものであるかは、注目すべき問題だ。
 
ここで、また例によって大マスコミはあまり役に立つ情報を流してくれてはいないので、ここは、ブログに頼ることになる。日本の政党政治、そして国会のあり方について、私が現在一番信頼しているブログは、「田中良紹(たなか・よしつぐ)の「国会探検」」というブログだ。著者の田中氏は、TBSで硬派の報道番組記者として鳴らした人で、退職後は、国会報道を中心にあらたな報道のあり方を模索している。良心的かつ精密な知見を持った人だ。

今日の「改革の本丸は国会にあり(1)」というブログ記事もなかなか良いところをついていて、極めて役にたつ。ここしばらくのバックナンバーを読んでいただければわかるが、日本の政治・国会に対する見方の鋭さは半端ではない。まあ、ひとつ読んで見て下さい。



コメント ( 9 ) | Trackback ( )



« 前ページ