大きな事件があった。これをうけて、月曜日からの為替はどう動くか。リスクオフには違いないが、いったい何からオフ(離れる)のかが問題だ。
まず、事件が起こる以前の流れは、資源安・ドル高であり、これは12月の米国利上げを予期したものだった。しかし、この大きな事件で、また利上げは黄色信号が点いたのではないか。この点では、この要素はやや中立的になる。しかし、世界経済の不安定化は、資源安につながるのは変わらない。
次に、事件の直接の影響だが、EU全体のリスク度が上がると考える。これでISの攻撃が終わりとは考えられず、EU側からの攻勢もありうる状態で、政治・経済の両面でリスクが高い状態になるはずだ。フランスのみならず、EU全体の問題となったと思う。これに対して、アジア・米国はやはり少し離れた場所であり、相対的には安全だ。資金を円やドルに移す動きが考えられる。また、それ以前からのチャートでの、テクニカル的には、資源はさらに安く、ドルはさらに高くなる方向のチャートであることも明らかだ。
総合的に考えると、月曜日からの確実な流れは、やはり円高だろう。ユーロ円が下がると考える。ドル買いも発生すると思うが、ドル円ではおそらく下げだろう。ユーロドルは、追加緩和のゆくえが不透明でもあり、少々様子見としたい。豪ドルなどからの資金のレパトリ的動きもあるかもしれず、ユーロを売るならユーロ円の方が効率がいいのではないか。
こんな時にお金儲けの話で不謹慎ではあるが、故事にも「恒産なくして恒心なし」(孟子)と言う。平常心を保つには、一定のちゃんとした財産が必要だ。それは個人個人で考えていくしかない。そういう世界になってきたと思う。ISが、ロシア機爆破に続いて、組織的に先進国でテロを起こすことができる能力を持ったということは、今後、世界全体にも影響を及ぼす事実だろう。世界史の転換点と言えるかもしれない。
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