FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



チェニジアに続いて、エジプト情勢も危うくなってきた。多くの報道にある通り、その原因となっているのは、アメリカのQEでばらまかれた膨大なドルが世界中にあふれて、小麦その他を暴騰させていることによる。各国政府にも福祉対策を充実させる余裕はすでになく、貧民層の暮らしが成り立たなくなってしまったのだ。この問題は、物価上昇と各国政府の無策だけでなく、今までならそれに対して、財政的に援助できた米国を筆頭としたG7諸国にすでにその余裕がなくなっていることも背後にある。中東だけでなく、インド、ブラジル、中国や、そしてアメリカの内部にも同じ問題の芽は潜んでいる。今年から来年はこのような問題が世界各地で頻発する年となるだろう。LEAP/E2020は、GEAB51号で、それを「地政学的時限爆弾」と称していたが、まさにその通りになると思われる。

サブプライム問題の時は、アメリカの一般市民の住宅を買うための借金を原資に証券化して世界中に売りさばいた。その結果は、ご存知の通り、それらの証券の価値は、狸の葉っぱのお札のごとく消え失せて世界中に大損害を与えた。今回は、アメリカ自身の信用を原資にドル札を刷って世界中にばらまいているのだ。民間か国かの差異はあれ、構図はまったく同じである。

今のところは、そのドル札が世界中に通貨インフレを起こしつつある段階であるが、これが行き過ぎて、サブプライム時と同じ事象=ドル札が狸のお札だった=ドル暴落を引き起こしたら、その惨状はサブプライムの比ではない。それだけは勘弁ねがいたいものだが、願っていても仕方がないので、金に投資して自衛するしかないだろう。

さて、当面の相場の方であるが、ほぼ週はじめの予測どおりに動いたと思う。金が30週移動平均(1310ドルあたり)ぎりぎりまで下げ、ユーロは1.38まで行かずに反転した。米株も(エジプト問題により)大きく反落した。

画像はダウゴールドレシオの日足であるが、このところの中期のレジスタンスである9.1あたりで天井となった模様だ。ボリンジャーバンドもかなり広がっており、まずは金の下落もここで当面の打ち止めではないだろうか。株金レシオは、どれだけの金で株1単位を買えるかという考え方のものだが、要するに株の(ドルなど特定の通貨にこだわらない)実質的な価値を表現しているものだと思う。本当に景気がよくなれば大きく上昇するものなのだが、現在の状況では9.0以上は上げ過ぎだと思う。

ということで、来週はとりあえず、ややドル高、金高になると思う。その後しばらく中途半端な動きが続いた後、エジプト問題も一区切りがついて、またもや、株の上昇相場(ドル安・円安)へと突入していくのではないか。




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ドル安基調にもかかわらず貴金属が下げている。利食いの動きと、高いところでの買いによる下げ圧力があいまって、価格維持ができなくなっているようだ。また、ファンダメンタル的には、株金レシオの久しぶりの大きな上昇でわかるように、景気回復が本物ではないかと思う人が増えてきたということが一番大きいだろう。本当に景気回復が来て、アメリカが復活するなら、金は安く、株は高くということだ。

ということで、テクニカル的(心理的)下げの要因とファンダメンタル的要因が重なった下げということでなかなかきびしい。週足の移動平均線では1310ドルあたりが目処であると前に書いたが、P&Fではご覧のように、数日前に3ボトムで下方ブレークしており1290ドルあたりが目標になる。まずはここまでは下げの可能性が高いだろう。この場合は、反転時期はそれほど遠くないと思う。
 
その下は前に書いたように1250あたりとなるが、これより下げるようだと、数ヶ月は上昇が期待できなくなる可能性がある。
 
いずれにせよ、今年前半までの問題であり、その後大きく上昇すると考えているが、レバレッジをかけている場合のトレードでは日柄も値幅も重要だ。とにかくは1300ドルを大きく割れないという形で様子を見ていきたい。


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この頃FXや株トレードでは、スマートフォンやスレート端末用の便利なアプリが増えてきた。だいたいどの会社も従来の携帯(いわゆるガラケー)用だけでなく、スマートフォン向けの対応をしてきているようだ。
 
金価格についてはCFD取引が盛んでないため情報があまりないようだが、金取引で有名なkitco社の出している無料アプリであるGOLD Live!(旧称Kcast)はなかなか便利だ。
 
画像(iPad)のように、貴金属のリアルタイム価格やチャートが見られ、またおまけで、主要通貨(対ドル)レート、株価指数などが見られる。特に貴金属については、ユーロ、円など主要通貨建て価格、オンス・グラム・キログラム価格がすべてクロスで見られるのが便利だ。また、それぞれすべてチャートにできるので、ルーブル建ての金1kg価格の5年チャートなんてものがすぐに見られる。

iPhone,iPad(HD対応)の他、アンドロイドやブラックベリーにも対応しているので、ぜひそれぞれのアプリ検索でkitcoかGOLD Liveなどで検索していただきたい。

貴金属取引をしている方の携帯端末には必須のアプリだ。


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今週は為替はひじょうに難しい。

ユーロについては昨日書いたとおり、これからしばらく、1.38上限、1.32下限あたりでレンジとなると見ている。ただ、その後で上または下に大きく抜けそうだが、上下の予測はつかない。
 
ドル円については、円がまったく自主性を失った動きとなっているため、ドル単独で見るべきだが、ユーロドルと豪ドルドルが別々の動きをしているため、ドルの動きが見えにくく、ますますつかみ所がなくなっている。円がらみは予測なしとする。
 
今週の一番の見所はむしろ株だろう。GSR(ゴールドシルバーレシオ)が徐々に上昇しており、VIXが反転上昇を継続する可能性がある(株価下落)。かなり大きな株価の調整が来る可能性が高まってきているのではないか。となると、ドル円・ユーロドルは下向きということになるのかもしれない。




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先週に引き続きユーロの動向を見たい。画像のP&Fのように、ユーロドルは上昇してきて、P&Fで上に折り返した。前回の予測の、シナリオ2の方になっているわけだ。こうなると、画像のように、下降トレンド(欧州懸念)に押さえられる上限である1.38あたりが今回のとりあえずの天井となるのではないか。そこから下がり上がりしつつ、1.36あたりで収斂し、次の、上方、または、下方へのブレークというのがもっとも考えられるところである。

もしそうなるとすると、このブレークはきわめて意味が重い。ここにあるのは、数年間にわたる、上昇トレンド(ドル安・青ライン)と、下降トレンド(欧州懸念・ピンクライン)がぶつかって作った大三角形であり、ブレークするエネルギーは大きそうだ。正直なところ、上か下かはまだ予測がつかないが、このところのユーロと円との関係(ユーロ高/円安)などを見ると、ユーロドルでも大きな上昇がまずは見られる可能性もあるかもしれない。とにかく、ユーロを手がけている方は、このP&Fの形を念頭においておいても損はないだろうと思う。自分ももうすこし方向性が決まったら、少しは乗ってみたいところだ。




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チャートは週足であるが、2009年来、2年間、MA30を下回っていない。MA30は、現在は1310あたりにあるが、この上昇トレンドは崩れないと考えている。その他のチャートからは、1280、1250あたりのサポートは固いのではないか。

ということで今の1340辺りから下は買っていける水準ではないかと思う。何かの機会の下ヒゲをねらっていきたい。

ただ、米株のP/Eレシオは相当上昇しており、こういう時期は金は逆行しやすいのも事実だ。注意はしておきたい。1250を割るようだと一時戦線縮小していくべきだろう。中長期的には全く心配していない。年度内に1800から2000も十分に射程範囲だ。


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フランスの民間シンクタンクであるLEAP/E2020は、今回のサブプライム危機前から警告を発していたということで、日本では特に、2chにスレッドが常時たつなど、人気がある。ここが発行するレポートはなかなか内容が面白いので、このブログでもたびたび紹介してきた。昨年あたりから、ユーロ高を予測しつつ大きくはずれてユーロ安になっているなど、2chなどではさんざんに言われているようだが、予測の当否はともかく、内容には読むべきところがあると思う。今月の刊行は51号(GEAB No.51/英語無料版)になるが、久しぶりにちょっと紹介しておこう。

彼らの予測によると、2011年は、彼らがレポートを開始した2006年以来、経済的にもっとも混乱する年になるとする。具体的には2011年の春から秋の間に、各国の国債による債務問題・公的債務の負担が頂点に達し、各国銀行のバランスシートの悪化、中国などの土地バブルの崩壊とあいまって、突然の大きな経済的なショックに見舞われると予想する。
 
主要な問題としては、米国の金利上昇=国債価格下落、財政悪化、によるドル安が重要であるとされる。それに対して、ユーロの問題は、ユーロの政治的一体化の促進により2010年に比較して大きく改善されるとする。
 
ユーロについては、多くのマスコミや識者が、政治的にばらばらなユーロ圏が、通貨だけ統合されている今の形の不自然さを述べ、将来的なユーロの解体を予測しているのに対し、このレポートでは、ユーロ圏の政治的統合が強化されるため、金融政策との整合性がとれてくると考えている。これはまさにフランスの望むところであるが、ドイツがどう出るか、予断を許さない。ドイツがユーロ圏に留まるのをよしとするか、あるいは独立して、中世の頃と同じように、西側の欧州とロシアとの両にらみの体制をとるのをよしとするか、まだ予想はつかない。この点についてはさらなる考察が必要だろう。ただ、当面、2011年は、ドル安のため、ユーロドルの一時的上昇という目もまだ残されているとは言えるだろう。
 
ということでいろいろな問題があるユーロはともかく、'We believe that 2011 will , globally, be the most chaotic year since 2006.' が真実になるかどうか、じっくり注目していきたい。







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バルチック指数が低下していることから、中国の経済鈍化に注意が必要だと先日書いたが、今度は、また意外なニュースが飛び込んできた。
 
各新聞などが伝えるように、「15日付の韓国紙・朝鮮日報は、中国やロシアとの国境に近い北朝鮮北東部の羅先経済特区に最近、中国軍が進駐したと報じた。中国軍の北朝鮮駐留は、1994年12月に板門店の軍事停戦委員会から撤退して以来17年ぶりという。 」(asahi.com
 
その規模は、以前の噂からすると1万人強のようであるが、明らかに、北朝鮮の政権委譲が発生した際に起こりうる混乱を押さえ込む意図であろう。かつて長くそうであったように、長期的展望としては、朝鮮半島の北部一帯が中国の属国(あるいはそれに近いものに)になる可能性が出てきた。そうなると、韓国の立場はひじょうに微妙になる。ここは歴史をひもとけば、そのようなことが起きた時の韓国の内部は、中国派と米国(あるいは日本)派との内部抗争が強くなることが考えられる(かつては常にそうだった)。いずれにせよ、21世紀のアジアは、20世紀後半よりもむしろ20世紀前半に似た様相になる可能性が出てきた。
 
今後のアジア経済の展望や予測をするには、明代から20世紀前半までのアジア史・ユーラシア大陸史についての知識が必要になるに違いない。

(付記)

中国は否定しているようです。


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今朝は土曜日、ひさしぶりに朝はちょっと外出して、車でちょっと行った先のスタバで朝食です。ラテを飲みながら、MacBook AirとPocket WiFiという、このところの自分の標準装備で執筆してアップロードしています。

さて、昨晩は米国金融機関の好決算をうけて、金融株が上昇し、BKX(銀行株指数)もこのところの高値をつけた。(画像はBKXの日足)。それに反し、金・銀は下落である。プラチナはオーストラリアの水害事情によって需要がタイトになるという予測から相変わらずあげているが個別的な要因である。

昨年末から、テクニカル的にも金・銀は調整局面にあるが、それをファンダメンタルズから説明すれば、このBKXの上昇がいちばんよい説明になるだろう。要するに、ドルの大量放出でとりあえずお金が回るようになり、銀行も手数料・トレード益があがっているということだ。銀行が儲かるということは、通貨の信用にはよい材料であり、金の価格にはマイナスに働く。

経済全体からみれば、金価格の下落は、危機からの脱出を意味するのでよいことではあるのだが、あくまでも一時期のものにとどまるだろう。これからしばらくの円安期は、危機が去ったかと思われる時期になると思う。金は軟調の時期がしばらく続くのではないだろうか。前にも書いたように1300ドルがひとつのサポートの目安となるだろう。もういいかと思う人が売り、まだまだと思う人が買うというパターンとなる。その張り合いで、サポートが上下するはずだ。

為替の方だが、ユーロドルはやはりこのところの1.34のレジスタンスで上値を抑えられた。ここ数ヶ月でここを超えることはあると思うが、やはり前にチャートに書いたように、1.3から1.4までのレンジで真ん中あたりに収縮していくパターンではないか。ドル安も欧州金融懸念もいずれも根深いものであり、上も下も強固な壁がある。ここを抜ける時の動きはきわめて大きくなるだろう。あえて大胆に予測すれば、まずは株価下落に伴って、大きくダウン(1.1)そしてドル安に伴って急上昇(1.6)ではないか。いずれも今春以降のことになる。





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右往左往している為替だが、基本はドル安・円安というリスク選好タイプになってきているようである。豪ドルが洪水の影響で軟調になっているが、数ヶ月も長引くことはないだろう。

ユーロはひとまず1.3を回復してきたところで、やはり1.3あたりのレンジ相場になりそうな気配である。ただポルトガル問題など次々とネタには事欠かないので、積極的に買っていく気には毛頭なれない。数日前に示したユーロのP&Fチャートで言うと、2002年からの上げトレンドが、「ドル安」であり、2008年からの下げトレンドが「欧州金融懸念」である。これがぶつかっているの(ドルとユーロの弱さ比べ)が現状なのだ。テクニカルとファンダメンタルの見事な調和である。今しばらくこの状況が続くと考えられる。

日本株も回復基調にあることもあり、やはりここは円安が一番固いと思うので、もう少しドル円・豪ドル円でねばってみたいと思う。まずは春先3月がひとつの目安と考えている。


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