FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



ここに来る方の多くはたぶん三橋さんのブログも読まれていると思うが、今日のエントリー(キャッシュフロー)はいつもにもまして企業診断士としての彼のキャリアがものを言うすばらしいエントリーだと思う。
 
前半の、日本は大丈夫、の部分も面白いが、そこは飛ばす。最後に分析してある米国の場合、結局FRBはキャッシュフローを作り出すことはできるので、普通の意味でのデフォルトにはなり得ない。危険なのは長期金利が上がり、ドルが暴落するという形での「デフォルト」であるという結論だ。結論自体は、すでにLEAP/E2020が述べていることと同じであるが、着実な論理で分析してあるので、流れが実証的かつ明快だ。ぜひ読んでいただきたい。
 
彼の近著『本当はヤバくない日本経済』もさっそく読んだが、今までのブログをまとめただけといいながら、幻冬舎のよい編集がついているためか、従来の彼の本よりもいいまとまりを見せていて、私の評価では、三橋氏のベスト本であると言える。こちらもお勧めしたい。日本の置かれた現状についてよくまとめてある。
 
本当はヤバくない日本経済 破綻を望む面妖な人々
三橋貴明
幻冬舎

このアイテムの詳細を見る



コメント ( 6 ) | Trackback ( )




昨日あたりからニュースサイトで見られる報道だが、ニューヨークのグラウンドゼロの近辺の上空で、ジャンボ機(実は大統領専用機エアフォースワンのバックアップ機体)が戦闘機に追跡されて低空飛行を30分続けるという事件があった。下は朝日新聞であるが、内容としてはこれで問題ない。

(引用)

01年の同時多発テロの再来か――。27日午前、ニューヨーク・マンハッタンの世界貿易センタービル跡地近くで、低空飛行するジャンボ機をF16戦闘機が追尾した。実は大統領機の写真撮影だったのだが、市民への事前通告はなく、街は一時、混乱状態になった。

AP通信などによると、低空飛行は午前10時から約30分間。市当局には事前に通知されていたが、警備上の都合で計画の公表は禁じられていた。ある市民は「あまりにも近くに見えたので、2分ぐらいで8割の人が事務所から逃げ出した」と話した。

ニューヨークのブルームバーグ市長はこの日の会見で、自分自身も聞いていなかったとしたうえで、「事前公表しないという判断は、ばかげている」と怒り心頭の様子。ホワイトハウスも「こちらの責任」と平謝りするコメントを発表した。


(引用終わり)

ここで動画も見られる

当然のことながら、ビルで働いている人たちが外に飛び出して大騒ぎになったわけだ。事前に公表しない(市長にも知らせない)で、大統領専用機を戦闘機の低空飛行から写真撮影したというホワイトハウスの言い訳はいかにも不自然だ。陰謀説が好きな人でなくても、軍内部の対立による挑発行為のようなものを想定しない方がムリというものではないだろうか?

経済危機、バイオ兵器とも疑われるウイルスの拡散(直後にオバマがメキシコを訪問したというおまけ付き)、NY上空を戦闘機と共に低空飛行する大統領専用機と、なんとなくB級危機映画のようになってきた米国である。笑




コメント ( 3 ) | Trackback ( )




#最後に追記あり

先週は意外なドル安が生じて、予想以上にドル円を下に持って行ってしまって、円高が発生した。すぐ直前にはドル高だったのだから、まったく相場のモーメントはきまぐれである。たいした材料もないのに上下するのは、相場の不安が根底にあるため、それを利用して、ファンドが売り買いしているものと考えていいだろう。
 
さて、様々な指標は、あきらかに景気回復トレンドをはずれていない。先週注意したGSR(金銀比価)は、週末には極めて大きな下落を見せている。VIXとのダイバージェンスを指摘したところだが、こうなるとGSRの方が間違っていたことになり、景気回復の方向性をGSRも示しているということだ。他に、BKX(銀行株指数)の継続的上昇、CRB指数(商品指数)の上昇、バルチック指数の上昇、LIBORの著しい低下など、すべての指数は景気回復トレンドを示している。今しばらくはこの傾向は続きそうだ。
 
ということで、景気回復ならば円安・ドル安ということになり、先週の円高は来週は是正されてくると考える。週の初めはまだやや不安定であるかもしれないが、週末までにはドル円99円を超えてくると考えている。

ただこの相場不安心理は根深いものがあり、遠からず、本格的な調整もあるかと思うが、それはやはり何か大きな材料が必要ではないか?また、ドル不安による本当のドル安はやはり年末ぐらいにならないと生じないのではないか?以上が現在の上昇トレンドを判断するもうひとつの事情でもある。

(追記)

なお、このところ比較的円安を予測していた若林氏は予測を修正して、5月は大きくドル安が生じて、91円程度の円高までは行くと予測している。これはちょっと頭に入れておくべきだろう。非常に微妙なところだ。決めつけずに流れを見て行きたい。



コメント ( 9 ) | Trackback ( )




メキシコに発生した豚インフルエンザと、カリフォルニアとテキサスの豚インフルエンザが同じ型であることが判明したというニュースが流れた。また、日本では大手メディアでは報道されていないが、すでにニューヨークでも疑わしい患者が集団発生している
 
ブルームバーグニュース(英文)でも、パンデミックのリスクが高まってきたという専門家の言葉を報じている。また、ロイターでも、専門家の言として、流行を食い止めるには遅すぎたと報じている。
 
また、例のアメロ紙幣、ストレステストスクープでお騒がせの、ハル・ターナーのサイトでは、メキシコ・カリフォルニア・テキサス・ニューヨークで同時発生的に起こった今回のウイルス騒ぎを、政府内部関係者からの話として、米軍で作成されていた生物兵器の特殊ウイルスが紛失しており、それによるテロである可能性を報じている。特殊な性質を変形する能力を持ったウイルスであるということである。

例のごとく、ハル・ターナーサイトの報道は話半分でよいと思うが、いずれにせよ、各地で同時発生したとしたらパンデミックの恐れがあるものであると言ってよい。WHOがこの流行をフェーズ4に認定するかどうかが重要な問題となってきた。フェーズ4となると、二ヶ月程度でフェーズ6(パンデミック)に移行するとされており、極めて危険な状態である。まずはWHOの今後の動向にもっとも注目したい。




コメント ( 13 ) | Trackback ( )




昨日あたりからユーロが高くなってきてユロドル上昇=ドル安傾向が出てきた。今回の円高は、ユーロドル下降(ドル高)=ドルストレート通貨下降=クロス円下降の形による円高であったことは先日のエントリーに書いたが、それと逆の動きが出てきたということは、一旦の調整円高が一段落したことを意味するのではないか。
 
今日から円安が加速する可能性もあるのであり、ユーロの上昇とあわせ、ユーロ円の買いに妙味があると考えている。
 
ユーロドルの上昇はこのところリスク選好の極めてよいインジケーターとなっており景気回復期待と連動している。したがって、NY株も今日からは回復する可能性が高いのではないか。

逆に、金はあきらかにリスク回避時に上昇することとなっていて、少し前の円と同じ位置になっている。ということで、ユーロドルと金との連動がまったく見られない状態であるが、これはまだしばらく、この米国景気一時回復局面では、続く傾向と見て良い。本格的なドルからの逃避が起きるまでは、ユーロドルと金との連動はないものと思っている。

以上、このあと、月末くらいまでは、ユーロドル上昇、ドル円上昇、金下降というテーマになると推測している。





コメント ( 8 ) | Trackback ( )




今回のミニ調整はそんなに大きくはなかったようだ。まだ数日の余韻はあるかもしれないが、このあと戻しにかかりそうな気がする。ドル円の下げの主たる原因は、ドル高であり、このドル高は、株が下げたことによって、ユーロやオージーへの投資(リスク選好)が巻き戻されたことによる。だが、実は、その株下げが怪しい理由によるからだ。
 
というのも、昨日の大きな株の下げの原因が、ハル・ターナーのサイトの、ストレステストの結果のリークによるものであったということを聞いたからである。前に、ターナーが行ったアメロのニセ画像のスクープのことを書いたことがあるが、ハル・ターナーという人は、どうも怪しいところのある人だ。人種差別者にして、ユダヤ人ぎらいの、いわゆる極右の行動家である。いままで、ここのサイトの記事がメインストリームの通信社などで報じられたことはなかったので、今回の件は驚きだ。

いずれにせよ、ターナーの記事が原因であるなら、すぐさま市場は回復するはずであり、株が戻れば、ドル高・円高も収まるだろう(FXをやっている人でも、ドル円が下がると「ドル安」と書く人がいるがひじょうに不見識であり誤解を招く。笑)。

なお、ターナーのサイトが伝えた内容は、多くの銀行が実は支払い不能状態であるということであって、ストレステストの結果かどうかは怪しいものの、事実はそうであろう。だが、それが市場に影響するかどうかは別問題というものだ。






コメント ( 5 ) | Trackback ( )




つい先日のエントリーにも書いたが、VIX(NY株S&P500のボラティリティ指数)とGSR(金銀比価・ゴールドシルバーレシオ)のチャートは非常に動きに平行性がある。今回は週足を平行して並べた画像を作ってみたので、よくわかると思う。あまりにも細部まで山と谷が一致しているのに驚かれるだろう。
 
まったく無関係の二者であるが、いずれも株式あるいは信用の「恐怖指数」という点で共通することは前にも書いた。ところが、現在は、不思議なことに、VIXは下降(恐怖度減少)しているのに、GSRは上昇(恐怖度増加)しているのである。平行すべき指標が背反した動きをすることをテクニカルチャートではダイバージェンスというが、まさにVIXとGSRのダイバージェンスと言うべき動きだと思う。
 
ダイバージェンスは一般的に次に起こる動きを暗示するとされる。つまり、相反した動きの片側が実はおかしくて、いずれ、どちらも同じ動きになるというのが基本だ。たとえば、価格の動きと、そのオシレーター指標であるRSIなどはよくそのような使い方をされる。ただ、価格とRSIは平行して動くのが当然であるが、ここでのVIXとGSRのように原理的平行性がわからないものについては、これをそのまま適用することにはもちろん問題も残る。
 
とは言え、ここまで平行性を持ってきたものがずれてきたことにはやはり注目しておきたい。普通に考えれば、株式市場はまだ安心感を持って買い上げてくるが、金融の信用の世界には暗転する予感が大きくなっていていると見ていいと思う。このダイバージェンスが耐えられなくなったところで、株式も再度の大きな下落となるはずであり、今後GSRの動きには特に注目してゆきたいと思う。

ただし、VIXの動きから見る限り、株の大きな崩れはすぐには起きないだろう。年末年始にあまりにも総悲観になってしまったため、その反動は大きい。次の極めておおきなイベント(GMの破綻か、それ以上)がないと相場の動きは変わらないと考えている。VIXとGSRの差に見られるVIXの強さは、もしかしたら、米国その他の政府機関による買い支えによるかさ上げ効果かもしれない(GSRはかさ上げが不可能)。とすると、まだそれはしばらく続くという点も見逃せない。売り方も上げてから売った方が利幅が取れるということもあるだろう。



コメント ( 5 ) | Trackback ( )




今週は大きな動きはないかと思っていたが、欧州懸念が思ったより強くなって、ドル高で終わるという予想外の展開になっている。米国がオバマで新展開を見せているのに、欧州は相対的に対策が手ぬるいという評価だろう。

LEAP/E2020の今月号が出たが、だいたい予想通りの内容である。こちらの読み通り、中国のSDR提案は、かなり多くの支持を得ていること、また、ウォール街にも賛成者がいるということは、ガイトナーの態度から予測ができたが、私も同感である。ニューワールドオーダー構想と摺り合わせが可能なものだからである。

やはりこのままでゆくと、9月の米国金融の新しい年度が始まる前に、本格的な動きが始まると考えてよさそうであり、動きは8月に突然始まる可能性がある。逆に、それまでは、静かに円安・ドル高が進むことも十分に考えられる。先のエントリーでは訳に入れてないが、E2020でも、囚人は逃げ出す前に、その準備をしているなどとは公言しないもので、静かに準備をしてそれとわからない形で逃げ出すという比喩で、中国がドル売りをするにしてもなるべく目立たないように行うはずだと推測している。それは当然であり、とすると、逆に、じわじわとドル安が進むという形もあり得るだろう。また、突然のドル売りもあり得るわけで、非常に予測がたてにくい。

円安とドル安の両にらみ、そして欧州懸念からも遠いというと、豪ドルがもっとも安全なのかもしれない。戦略的にも安くなれば豪ドルは買いだろうし、長期目当てで豪ドル円も考えてみたい。


コメント ( 7 ) | Trackback ( )




先のエントリーでは、無料版仏語版からの英訳の要約および、2chに掲載された有志の方の日本語訳へのリンクを載せた。2chスレには非常に恩恵を受けていることを改めて感謝したい。

さて、今号は、いつもと同じスタイルに戻って、有料版も無料版を詳しくしたスタイルになっているので、無料版に対してそれほど追加すべき情報はないが、一応、ごく簡単に有料版の要旨を以下に記してみる。

1 展望 これは無料版とまったく同一内容なので省略

2 将来予測

「ドルの囚人」となった中国の動向は予測しにくいが、米国債の買いを少なくして短期債に限定していることなど明らかに米ドルから距離を置こうとしている。囚人は一般に逃げようとするものだ。またG20の前にSDRを準備通貨としようという中央銀行総裁の論文を出したのも各国の動向を探ろうとする観測気球だった。G20の多くの国は賛成し、米国でもガイトナー(ウォール街の人)は賛成の模様だったが、米国政府(ワシントン)によって止められた。つまり、アングロサクソン系の金融機関は実は準備通貨の変更の議論にかならずしも反対ではない。「ドルの壁」は堅固ではない。

中国はいずれにせよここ数ヶ月のうちにドル資産を売り、ドルからの「大脱出」を計ると予測される。そしてその次の段階として、他国と協調して、ユーロ・円・元・ルーブル・レアルなどを使ったバスケット通貨の創設へと動き、ドルとポンドは仲間はずれになるだろう。また、こういう動きもなかったら、世界はブロック化して独自のブロック通貨圏による経済をつくる方向に向かうだろう。

3 G20会議が踊っている間、米国の危機はさらに深化した

G20では予測より悪い結果しか得られなかった。この結果10年以上続く制御できない危機となる可能性が高まった。このコースを変える機会は極めて小さく、奇跡でも起きない限り不可能だ。各国の景気刺激策はまったく成果がない。IMFの資金増強はまったく足りない。タックスヘブン規制策は実効性がない。9月に行われる次のG20はさらに危機がきびしくなったニューヨークで行われることになる。

米国のデフォルトへの道は色々可能性があるが、そのうちいくつかを提示する。

1 IMFによる米国予算の統治および予算カット(政治的にほとんど実現不可能。また軍事クーデターの起こる危険性が高い)
2 ユーロ・円・元建ての米国債の発行(不十分ではあるが、ひとつの解決策。ただし1が同時に必要)
3 他通貨に対しての米ドルの半分の平価切り下げ(アメリカにとって比較的痛みが少ない方法なので十分考えられるものである)
4 米国債の売れゆき不振からFRBの国債購入が増え、自然にドルが減価してゆく。(すでに一部進行中。ただそれだけではすまない)

前2者は国際的コミュニティの要求によっておこるがむずかしい。後者は簡単だが危機的結果を招くだけになりがちだ。もちろん、オバマが米ドルの代わりに新準備通貨を提案するという英雄的な行為を行うという第5のオプションもあるが、可能性はほとんどないだろう。

4 金価格のバラドクスの解明

金の現物需要が大きいのに価格が上がらないというパラドクスがある。
 
(いろいろな要素を検討した結果)ペーパーゴールドを扱っている業者は必要な量のうちほんのわずかの金しか手元に持っておらず、明日に顧客の半分が現物を要求してきたら深刻な問題に直面するレベルの金しか持っていないという結論に至った。それはちょうどニクソンショックでアメリカが金兌換ができなくなった時のようだ。

だから我々のチームは、金投機で全てを失いたくない投資家はすべてのペーパーゴールドをただちに現物に交換することをお勧めする。

5 3つの戦略的推薦行動

1 年金・預金・生命保険金などはなるべく流動性を高めて次の段階に備えよ。
(株ベースの年金は解約せよ。その他、夏以降の新情勢を見て対応せよ。)
2 株は値下がりするのでストックオプションは避けよ。
(株で唯一期待できるのは、セキュリティ保障会社の株だ。悲しいことだが。)
3 為替リスクはいまだかつてない大きなリスクとなる。ボラティリティも極大化する。関係者は、1ユーロ=2ドル、1ドル=5元という異常な数値となることを自分の事業のシミュレーションに入れておくべきだ。

---
以上です。

今回もきわめて有益な議論が多いのですが、時間の関係で翻訳は省略させていただきました。特に中国の動向を予測する部分は貴重です。ぜひ本体を購入の上お読みくださることをお勧めします。全体として33号よりも、やや明るい基調となり、ドルが崩壊した場合にただちに次の準備通貨への動きが起こってくるというニュアンスを強く感じます。

購入希望の方は、LEAP/E2020のサイト(英語版購入用)をご参照ください。


コメント ( 7 ) | Trackback ( )




全米でシカゴティーパーティと呼ばれる、政府の支出拡大に反対する運動が盛んになっている。15日の確定申告の日には全国で幅広く運動が行われた。
 
これは米国独立時に、ボストンで、独立派が港に輸入品の紅茶をぶちまけて抗議したという故事(ボストンティーパーティ事件)にならったもので、CNBCのキャスターのサンテリ氏が2月に番組中で呼びかけたことに始まる。
 
この運動は、今は単なるデモであるが、ひじょうに大きなものになる可能性を秘めている。この運動のように、共和党支持者を中心に、オバマ批判の声も出ているのである。
 


このYoutubeの動画はちょっと説明がいるだろう。キャスターが参加者にちょっと意地悪なインタビューをしてデモ参加者がいらだつという場面なのだが、どっちかというとティーパーティにやや冷たい報道という感じがする。これは、主流マスコミのこの運動への批判的姿勢が出た場面であり、それをYoutubeに流している人もおなじ立場なのだろう。アメリカ国内の複雑な現状を知ることができる。


コメント ( 0 ) | Trackback ( )



« 前ページ