GDPショックで大きく揺れた相場だったが、今日は何事もなかったかのように株高・円安となっている。これは予想の範囲内と言える。というのは、GDPショックで消費増税延期は確定的になったわけで、それと同時に、選挙の間は言うまでもなく、消費税が増税となる2017年度まではなんとしても景気を持たせることは、政府の大きな課題となったわけだ。そのための方法としては、緩和的金融政策によるのがもっとも手っ取り早く、それが引き続き継続されることは明らかだ。
ところで、量的緩和政策の行方は、すでに米国のQEを見ているのであるから、容易に予測ができる。未来の日本が、今、米国として目の前にある。タイムマシンのようなものではないか。つまり、株高による富裕層の資産増大効果、金融抑圧による超低金利の継続、市中にお金が出回らず中央銀行に豚積みになる(貨幣乗数の低迷)、中流階層の没落、貧富の差の拡大などが今後の日本の姿となることはほぼ間違いないだろう。為替で言えば、長期の円安も間違いないところだ。特に日本の場合は、国債残高問題があるため、それを材料に「悪い円安」への連想が働き、米国の場合よりも通貨安の程度は大きくなるだろう。それらによって、経済そのものに本質的恢復をもたらせるかどうか、これはまだわからないが、やや悲観的な気持ちがしている。
というような連想は誰にでもわかることで、とにかく選挙が続く年内は、国内要因からは、株高・円安の方向性は崩れないだろう。もちろん、長期の話と、短期の話は異なるのであり、どこで崩れ・調整があるかはわからないが、長期円安という基本的なスタンスがあれば、慌てることはないものと思われる。
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