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10 Best Silver Jews Songs

2019-12-26 19:56:49 | 音楽
1999年の暮、私は前年末からの精神科入院が長引き、病棟のデイルームで入院仲間のOさんらと紅白歌合戦を見ていた。Oさんはこの年の夏、統合失調症の幻聴・幻覚に襲われ、「天皇陛下がAIDSで死ぬゥ~!!」などと叫んで家族に入院させられ、当初は隔離病棟にいたが経過がよく、開放病棟に移っていたのである。その後も彼はみるみる回復し、翌2000年の夏には退院。私は2001年3月までかかった。

うつ病は長くかかる。時間をかけて人格を押しつぶされ、烙印をおされ、世の中から排除された形だから、立ち直るのはたいへんなことなのだ。いま私は寝る前の歯磨きをルンルンステップを踏みながら行う。ここ2~3年で劇的に薬が減り、夜型から朝型に変った。自分に喝采したい。生きる喜びを取り戻したことに。



インターネットとバカホの普及に伴い、この数年で音楽の聞かれ方はストリーミング/サブスクリプション全盛となった。↑画像の左側は、米国の若いミュージシャンがツイッターに上げたもので、2010年代が終るということで、Spotifyユーザーが10年代に聞いた音楽から自動生成され、このようにツイッターなどSNSと連動して見せることができ、フォロワーに対する自己宣伝になると同時に便利だなということでSpotifyの集客にもつながるサービス。

他の人(日本人)で、やはりSpotifyの機能について「アルバムを聞いたあと、それとは違うアーティストの知らない曲を適当に選んで流してくれ、便利だけどもっと広い範囲から選んでくれればさらによい」とツイート。ウンザリしてしまう。そもそもSpotifyに入っていない音楽はどうなるのか。ロックからクラシックに飛ぶようなこともないだろう。インディー・ロックっていうジャンル名も気色悪い。便利なようでできないことだらけ。

わが国はこの種の不自由の先進国である。iPodなどのMP3プレーヤーが広まり始めたころ、松本人志さんがラジオで、買おうか検討中とのことで「250曲もあれば十分やろ」と。250曲で十分な人がダウンタウンとして歌番組の司会を務め、軽妙な話術でミュージシャンたちを喜ばせ、番組は長く続いた。それらのことに疑問を覚えてしまうような人間だから私は会社員として失敗続きで長期入院に追いやられたともいえるし、逆にアメリカなどはもっと社会が乱雑でエリートも金儲けが上手いから、落ちこぼれた人・枠外の人も資源に換えられるようNetflixやSpotifyなど世界中で利用されるサービスを実現できたともいえよう。

有力音楽サイトPitchforkが2010年代の200曲を発表したものの、それまでの各年代のチョイスと比べ、とてもガッカリさせられるものであった。またPopMatters、American Songwriterなどは曲の単位で年間ベスト30~75曲を選ぶ企画をことしから廃止。人びとの音楽を探し、集め、吟味する力が衰弱しつつある。ヒトの退化。便利さは諸刃の剣—📲




Silver Jews / Trains Across the Sea (1994 - Starlite Walker)
ことし8月に52歳で死去したデビッド・バーマンは、友人(ペイヴメントのスティーヴン・マルクマスを含む)と始めたシルバー・ジューズのギター・ボーカル・ソングライターとして、大きく売れたことはなかったが広い称賛を集めた。Trains Across the Seaは彼が最も初期に作った曲で、「27年で5万本のビールを飲んだ。それは海が桟橋に当るように私を洗う」という最後の歌詞は、人生の苦悩を独特な音楽に昇華する彼の才能を示している。



Silver Jews / How to Rent a Room (1996 - The Natural Bridge)



Silver Jews / Random Rules (1998 - American Water)
Silver Jews / People (1998 - American Water)
How to Rent a RoomやRandom Rulesのように、バーマンはアルバムの冒頭に強力な曲を置く。指針がランダムであるというより、ランダムさそれ自体がはびこっていく傾向を歌っているとされる。マルクマスのペイヴメントが先に成功し、リスナーはペイヴメント経由で彼らを知ることがもっぱらであったが、本アルバムの充実により独自な名声を確立。



Silver Jews / Room Games and Diamond Rain (2001 - Bright Flight)
Silver Jews / I Remember Me (2001 - Bright Flight)



Silver Jews / Punks in the Beerlight (2005 - Tanglewood Numbers)



Silver Jews / Suffering Jukebox (2008 - Lookout Mountain, Lookout Sea)



Purple Mountains / All My Happiness Is Gone (2019 - Purple Mountains)
Purple Mountains / She’s Making Friends, I’m Turning Stranger (2019 - Purple Mountains)
彼の父、リチャード・バーマン(77歳)は弁護士で、いくつかのNPOを運営し、それらはいわゆる慈善とは逆に「喫煙」「ジャンクフード」「動物虐待」「飲酒運転」などに規制を加えないよう政府・有力者にはたらきかける、いわば「悪徳のロビイスト」といえるような存在であるらしい。彼が2009年にシルバー・ジューズを解散させ、長い音楽的沈黙に入ったのは「父と本格的に闘うため」というほのめかしもあったようだ。
しかし実際の彼は2000年ころから薬物に溺れ、自殺念慮に取りつかれ、10万ドルの借金も抱えていたとされる。彼の死後、妻で元バンド仲間のキャシー・バーマンは「彼は燃えている建物に入り、まさに火に包まれたようだったとわれわれに報告し説明する消防士であったと感じる」と語った。


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2 コメント

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Unknown (MUKIMEI)
2019-12-26 23:09:08
以前ステレオラブの投稿されてた時にコメントさせていただいた者です。今回のもなかなか楽しめました!ウィークリーチャートも楽しみにしています(気に入った曲はパソコンで流しShazamで認識→applemusicプレイリストに追加)。良いお年を!
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Unknown (マガジンひとり)
2019-12-27 16:40:04
ありがとうございます!
チャートを利用してくれている人はほぼいないだろうと思っていたので驚き喜んでいます🥰
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