Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

腹鰭変形(ニシキフウライウオ)

2017-07-19 19:03:10 | カミソリウオ科

連日灼熱~な天気が続いてますやんばるです。

太平洋高気圧の中心が沖縄島の近海にあり、さらに大陸からのチベット高気圧がその上に被さるように張り出しているのだそうで。

つまり沖縄地方は現在高気圧の二重取り、あるいはダブル高気圧バーガー状態です…。

そりゃあ暑いわけだ。

当分この状態が続きそうで、台風も近づけないスペシャルサマーになってます。

風は南西~西。快晴。

■■

前回からの続きになりますが…

〈カミソリウオ科カミソリウオ属ニシキフウライウオ Solenostomus paradoxus 17年6月12日 沖縄島安和〉

…の育児嚢。

中からベビーがこちらを見つめているような…。

前回のヨウジウオ科に近縁のカミソリウオ科の本種。

左右の腹鰭の縁が癒合して育児嚢になっています。

ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科と比べて、袋状のより完成された育児嚢で、ヨウジウオ科タツノオトシゴ亜科と同じように、卵だけでなく孵化した仔魚もしばらくとどまるのだとか。

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

その育児嚢の中には、発達段階の異なる卵が混在しているそうで、同じ配偶者と繰り返し繁殖する一夫一妻だと推定されているのだそう。

カミソリウオ科は一般に密度が大変低いのだそうで、常にペアで行動することにより、互いに配偶者を確保していると考えられるのだとか。

ただ僕の印象では、こういう卵保護中の個体で、単独でいるところに出会うことが結構あるような…。

画像の個体も、単独で行動してました。

配偶者はどこに行ったのでしょう。

〈同種同一個体 同日 同ポイント〉

カミソリウオ科の体外運搬型保護は、雌が担います。

前回にも書きましたけど、このスタイルなら雄である必要はないですよね。

もっとも、だから雌がするようになりました…というわけではなさそう。

もともとは、メダカのような卵を安全な場所(水草など)に付着させる種の雌が、卵塊を腹部にぶら下げたまま付着場所まで移動していた一時的運搬が始まりのよう。

この一時的運搬が、腹鰭で包み込んでしまう雌自身による体外運搬型保護へと発達したのだそう。

何にしても、雌がお腹で子を守るという姿にシックリくるように感じてしまうのは、僕が人間だからなのでしょうね。

 

コメント
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