風はとても緩やか~、風向もよろしく、海はベタ凪な本日のやんばるです。
もちろん真夏日で、陽光は灼熱~な感じ…。
浅場の水温が30℃を記録するようになりました。
水深15~20mまでいくといきなり24℃くらいまで下がるという落差が激しい状態になっています。
そろそろ台風が必要かなぁ…。
風は南東。晴天。
■■
夏の間、卵を守るいろいろな魚たちに頻繁に出会います。
頻繁すぎて、知らない間に卵に近づきすぎていて、親に攻撃されたりすることも…。
まあ、むこうにしてみればこちらが卵を脅かしているわけで、それに対する防衛行動をしているわけですが。
硬骨魚類の内、卵保護をするのは全体の22%なのだそう。かなり少ない印象ですね。
卵保護には、見張り型・体内運搬型・体外運搬型の三種類があります。
その中の体外運搬型保護を行う魚は、全体の5%なのだとか。
非常に少ないですね。
さらにその中でヨウジウオ科ヨウジウオ亜科は、腹面付着の体外運搬型保護をします。
■■
というわけで…
〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科ヒバシヨウジ属ヒバシヨウジ Doryrhamphus (Doryrhamphus) excisus excisus 17年6月12日 沖縄島崎山〉
画像は、腹面付着の体外運搬型で卵保護中の個体。
〈育児嚢〉で卵を孵化まで保護します。
けれどその〈育児嚢〉は、ヨウジウオ科タツノオトシゴ亜科ほどには発達していないように思えます。
〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科イシヨウジ属クチナガイシヨウジ Corythoichthys schultzi 17年6月22日 沖縄島安和〉
の育児嚢。
わかりにくいかもしれませんが、中の卵は孵化が近いようで、子供たちの目が確認できたりします。
また、画像右下の辺りでは、育児嚢から卵がはみ出しているように見えます。
ヨウジウオ亜科の育児嚢は腹部が襞状に張り出したもので、完全に閉じた袋状にはなっていないよう。
ひっくり返して見たことはないですけど。
■■
魚の場合、卵保護はたいてい雄の役割です。ヨウジウオ亜科もそう。
二枚の画像も雄個体です。
孵化までの間、雄が卵を守っているとき、雌は次の卵を生産するために摂餌行動に励んでいるのだとか。
とはいえ…
例えばスズメダイのような見張り型保護や、体外運搬型保護でもテンジクダイ科の口内保育ならわかるのですけど、本亜科のような腹面付着型なら、特に雄でなくてもいいのでは…とか思えたりも。
観察する限りでは、卵保護中のヨウジウオ亜科の魚が、摂餌に支障が出るほど動きが鈍くなっているようには見えないのですが。
体外運搬型保護は見張り型保護をする祖先から進化したと考えられているのだとか。
卵塊に体を巻きつけたり、卵塊のすぐ上に接して見張るようなタイプから、体外運搬型保護が進化したとする考えもあるのだそう。
もともとは見張り型保護ならば、そのときは当然雄がその役割だったわけで、保護タイプが進化しても、役割の部分は変化しなかったということでしょうか。