湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

身体能力・・・人間とは何か?

2016-07-31 17:57:45 | Weblog
「人間とは何か?」

ちょっと大袈裟ですけれど
そんな、根源的な哲学的問いを考えてみます

もうすぐリオデジャネイロオリンピックが始まります
誰よりも速く走り、誰よりも速く泳ぎ、誰よりも重い物を持ち上げる
陸上競技や競泳、重量挙げは、分かりやすい競技です
人類の身体能力の限界に挑むアスリート達の努力は
多くの人々に深い感動を呼び起こします
それが間違い無く偉業であることを、誰もが認めるからです

あの感動は、同じ人間として、自分にはできないことを
アスリート達が成し遂げたことへの感動です
金メダルを獲ることは、人類の頂点に立つことを意味し
新記録を出すことは、人類の限界を突破したことを意味します

人間の走るスピードは、豹にはかなわず
オートバイとは競争になりません
人間の泳ぐスピードは、イルカにはかなわず
モーターボートとは競争になりません
人間が物を持ち上げる力は
ゾウが鼻で物を持ち上げる力よりも強いのでしょうか?
いずれにしろ、フォークリフトやクレーンとは比較になりません

人間の能力は、他の動物と比べて、一番ではありませんし
まして、機械と比べたら、話になりません

スポーツは、あくまで、人間的枠組みの中での闘いです
機械文明が発達した現代では
人間の身体能力は産業社会の主力ではありません
人類の20世紀は

”機械文明が人間を肉体労働から解放した世紀”

と言えるかもしれません

そして、それと呼応するかのように
20世紀は、人類規模で、スポーツが盛んになりました
身体が、それ自体を使って、ゲームをする道具になったのです
これは、人類の歴史にとって画期的なことでした

現代は、人類にとって
身体能力が、生存のため重要条件ではなくなりました
病院で寝たきりでも、長期の生存が可能です
過去と比較すると、身体能力の重要度が極端に低くなり
その一方で、高い身体能力を持つアスリート達は
賞賛や憧れの対象となり、高額の報酬さえ、手に入れるようになったのです
人類における身体能力の持つ意味は激変したということです



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする