無意識日記
宇多田光 word:i_
 



UMGがEMIを買収とな。一応宇多田ヒカルの所属するレコード会社をUtaDAが元居たグループが飲み込むという構図なので当欄でも取り上げる事になるが、有り体にいえば、あれだけ巨大化したグループだと図体がデカ過ぎて特に何も変わらないかもしれない。市場規模の縮小に合わせて不採算部門を削りリストラを繰り返した挙げ句現場の士気を下げる、なんて事にならぬよう。

確かに、フィジカルがたとえなくなってもレコード会社は大事である。当欄ではそう述べてきた。特に、ほんの一握りの超ビッグアーティストたちの成功をシーン全体の財産として還元するシステムは必要不可欠である。要は金持ちから毟り取る訳だが、それをしないと市場自体が縮むのだから仕方がない。累進課税と意味は同じだ。

ヒカルは今までその「還元する方」だった訳だ。レコード会社を、ひいてはシーン全体を支える立場。もっと言えば「引き止められる立場」だった。このパワーバランスの価値がUMG全体から見てどう見えるか。もしかしたら、こちらが"ワガママ"を言うようであれば「それでは」となるかもしれない。どうなるか。

ただ、通常の戦略として、勝っているチームは変えないだろう。幾ら売上が落ちたとはいえEMI JAPANの中では未だに屈指のアーティストだ。プロデューサーやディレクターを入れ替えるような冒険はしないのではないか…と普通なら思うのだが過去の色んな事例をみると…ちょっと不安は拭い切れない、かな?

寧ろワールドワイドディールがどうなるか、だがこうなってくると北米でのディストリビューション(配給)のバリエーション(手)が増えそうなのはメリットだ。さしあたって、ファンとしとはIn The Flesh 2010 footageに動きがあるか注視しよう…というか@u3musicさんにメンションを飛ばしてみよう。もし停滞の原因がUMG側にあったのだとしたら漸く話が前に進むのかもしれない。が、原因がLive Nationにあるとしたら何も変わらない。期待過剰は禁物である。

そうはいっても今という時代、プロジェクトは個性の集合体である。どの会社でやるか、より誰と誰と誰と一緒に仕事をするかが重要だ。EMIに居るかどうかより、三宅さんや沖田さんや梶さんと引き続き仕事をしていくか、そちらの方が余程影響が大きい。次に@hikki_staffのアカウントを動かすのはどこの誰なのか。この件には色々と注目点があるけれど一番はそこじゃないかな。

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違法ダウンロード刑罰化が本日2012年10月1日より施行される…と言っても、幾ら何でも庶民を次々と逮捕するような事態にはならないだろう。単純に、警察にそんなに人手はないからだ。最初の方に見せしめ気味に「何でそんなんで」という理由で挙げられたりするかもしれない。本来それを「お互い慣れていないから」で済ませる訳にもいかないのだが、現実はそういう風になし崩されていくかもしれない。

金融法改正の時もそうだったらしいが、大抵こういう"正義"みたいなのを冠した法律は誰も得をしない状況を生み出す。元々、商業作品を真正面からアップロードする事例は非常に少ない。あるのは主に無料放送の録画の方だ。なので違法ダウンロードしようとしても基本的には出来なかった。恐らく影響が出るのは海外サイトにアップロードされた作品を日本人がダウンロードするケースだが、アップロード先を取り締まれないからといってダウンロード側に刑罰を、というのは心情的に極めて受け入れ難いだろう。紛糾するのは間違いない…ので、法律は通したけど運用は殆どしませんよ、というのが現実的な落としどころかもしれない…願望に近いけど。

我らが姐さんはこういった事態に対して「なんぼのもんじゃい」と先手を打っている。しかし実際ここの判断は難しい。UTUBEみたいな"大盤振る舞い"は、法律の方が余り想定していなさそうだからである。UTUBEで映像を見るのは勿論合法だが、この動画ファイルをローカルに保存しようとすると途端に雲行きが怪しくなってくる。そういう意味では「違法ダウンロード刑罰」という表現はやや誤解を招きやすく、どちらかといえば「違法ファイルローカル保存刑罰」だと言った方がいい。Youtubeの動画をストリーミングで見るのはOKなんだから。そうなるとクラウドサービスで保存した動画ファイルをストリーミングで見るスタイルのサイトが出来たらどうなるんだろう…とどんどん技術的な話になってくる。ややこしいだけで実りのない隘路である。

ヒカルがここからどんな手を打ってくるかわからない、というか多分何もしないだろう。著作権保持者を取り巻く環境もややこしいとはいえ、キッパリとフリーだと言い切ってしまえばそれで大体収まる。テレビにも依存していないから人生にもさほど影響はない。彼女自身が違法ダウンロードをしたとしてもそれは母ちゃんの昔の姿が見たいという確固たる信念に基づくものだから別にどう取り上げられても大丈夫だろう。結局、この界隈にそんなに問題はない。

後は、Webに上がっているヒカルの動画を出来るだけ…いやまぁ今回はここらへんで。(笑)

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