哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

ニュートンが感じた『力』

2007年08月30日 | x欲望はなぜあるのか

人間の脳は、物体の運動を感知すると、その運動を引き起こす力を直感的に感じ取るようにできている。脳には(たぶん大脳皮質の運動野あたりに)その働きをする神経回路があって、運動の視覚情報から自動的にその原因になる力を推算しています。リンゴが地面に向かって動き始める。それは何かがリンゴに力を加えるからに違いない、と直感で感じる。古典力学の『』概念はそこから出てきたのでしょう。頭の固い科学者は、力はニュートンの運動方程式で定義される物理量だと思っていますが、ニュートン自身が感じた感覚は違います。人間が「私は思いっきり力を出したので、とても疲れた」というときの力の意味にとても近い。ニュートン力学がなかった時代のニュートンは、物体を動かす原因となっているはずの何か、たとえば人間に働く意思とか欲望にあたるもの、それを、『力』と呼んだのです。今でも力学を知らないふつうの人ほど、ニュートンが感じた『力』に近い力の概念を持っている。

それは、物体を動かす原因になる何か、というものです。物体は、何もされないときは、静止している。物体が動き出したときは、何かが物体に働き始めたのです。その何かが、力、です。

拝読ブログ:『とべない蜂』と信じる力

拝読ブログ:静止摩擦係数、動摩擦係数、ばねにつながれた物体の運動

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