ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

華丸饂飩十八ヶ品巡礼 一番札所

2014年07月28日 | 町で見つけた食メモ
手弁当なしの7〜8月に入り、外食の不摂生が続く。ここらで是正しなければいかず、仕事先のそばの「はなまる」なら、500kcalメニューばかりなので安心だ。

期間中にヘビーユーズするなら、レギュラーメニューのコンプを目指すのもいいかも。うどんとくれば四国の巡礼、題して「華丸饂飩十八ヶ品巡礼」の旅に出よう。

つけだし、かけだし、お好みの三つの「道場」から、まずは1番札所のぶっかけで。おろしとレモンが、猛暑の中で食欲をそそってくれる。小で286kcalなり。

町で見つけたオモシロごはん…野毛 『NIKE』の、青酎と島魚料理

2014年07月26日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

野毛にありながら離島のカフェのようなたたずまいのNIKE、今宵も多彩な島料理と島酒に舌鼓を打った。酒は八丈島の樫樽仕込みのジョナリー、小笠原の地酒の島ラムといつもの流れで進め、青ヶ島の青酎で腰を据えることに。


絶海の火山島であるこの島、海から取り付く場所のない絶壁に囲まれ、集落は北寄りの平地とカルデラ内のわずかながらの土地に点在している。空撮を見ると、高い壁に囲まれた小さな世界といった感じで、村上春樹の「世界の終わり」の町を思い出させるような。そんな島の焼酎は、サツマイモを素材に麦麹で仕込むスタイル。ブンブン振り回されるような粗野な香りに、島酒の原点たる普段使い感があふれている。

青酎のユニークなところは、酒造の作り手は個々の農家で、それぞれの流儀で作っているため同銘柄でも味が様々であること。この日いただいたのは芋でなく麦焼酎で、7年熟成の35度という糖甘さが分厚く、鼻っ柱をゴンとやられる荒っぽさ。でも度数の割にはスルリと滑るとっつきやすさで、例えれば島人の宴に無骨に招かれた後、気がつけば肩組んで歌い踊っていた、という親しみ感だろうか。

小笠原の塩でいただくヒラマサ・タイ・アジのつくり、甘辛くホックリ煮えた小ムツ、青魚のすり身のハンバーグのようなたたき揚げ。島魚の料理が続いてくれば、お次はどの島で一献するか迷うところ。店のとっておきであるパラオのタロ芋焼酎まで、絶海の青ヶ島からのホッピングが届くだろうか。


ハイドアウト@野毛

2014年07月25日 | 町で見つけた食メモ
一軒目のNIKE、二軒目のボデゴンと、日付が変わるまではお決まりのコースとなっている野毛クルーズ。記憶にないがカメラをたどると、アテもマカサラポテサラの既定路線に乗っていた様子。

三軒目のバーのみ新規開拓なのもお約束で、今宵は野毛本通りに面したビル二階の「ハイドアウト」へ。若いバーテンダーによる我々酔っ払いのあしらいが、軽妙で居心地がいい。モスコもウィルキンソンで、痺れに程よく覚醒。

ワイドモニターでは「カイジ」を流していて、あの人間のクズ的世界観が、夜なべ酒にやけに沁みるな…。

一献一品出合い酒@仙台

2014年07月23日 | ◆一献一品出合い酒
中央通り商店街の「閖上見晴寿司」にて、浦霞冷や×もずく。津波で大きな被害を受けた閖上を訪れた締めくくりなら、彼の地にゆかりをもつ店で漁港の町を偲びながらの、このコンビが似合う。

思い出深い名の店は、かつての名店の流れを汲むと聞く。町ごと消えた佇まいを目の当たりにして、思い乱れる中での一杯に。晩酌セットの小鉢には、丸く太く歯ごたえシャクシャクのもずく。軽めの酢が磯のイキを煽り立て、海そのものの味わいが逆巻く。一ノ蔵の徳利から受けるのは、閖上とともに訪れた塩釜の銘酒。香しくまろやかなまとまりが、海味豊満なアテを深々と取り込んでいく。海に波に思い巡らしつつ、見たもの全てを心に刻む一期一会。

復興と呼ぶには歩みの遅い、海辺の町々を訪ね歩いた日。衝撃と安堵が交錯した先には、すべき手助けが何か見えて来るはずと、今日の意味を反芻しながらの重い想い酒。一献一品の小さな酒宴、まだまだ天下泰平なり。

一献一品出合い酒@館山

2014年07月22日 | ◆一献一品出合い酒
なぎさロード沿いにあるビジネス旅館「日の出」にて、金陵×カサゴの唐揚げ。横浜から手軽な魚探訪の旅なら、お手軽料金の宿が漁獲した地魚とおばちゃんオススメの他所者酒での、このコンビが似合う。

ぶらりと2時間バスに揺られて、やってきたは房総の最先端。東京湾も相模湾も太平洋も、全部いただける素敵な魚どころだ。メインのカサゴは、最近希少な高級魚。白身をパッツリと箸でほぐし、バッといただけば甘みが膨らむこと。迎える酒は四国は琴平、舟の神様門前の御神酒。釣りモノの魚をガッチリ受ける、ふくよかな厚みに杯が重なりゆく。馴染みの湾の魚に遠く瀬戸内の酒が、近場の旅にて出会う一期一会。

海水浴シーズン前で空いているおかげで、食後もおばちゃんと差しでじっくり腰を据える。コップ酒もまどろっこしく一升瓶が登場したら、海との暮らしと魚談義もいよいよ佳境となる、魚どころの宿での一夜。一献一献一品の小さな酒宴、旅の宿にて天下泰平なり。