地下鉄駅出口目前にある「居酒屋りつ」にて、芋水×キューリハムトマト。かの酒場詩人も放浪してきたこともある、練馬の街角酒場での深酒なら、後半戦は濃いめ酒に究極さっぱりの、このコンビが似合う。
卓二つほどの激狭な店に、ずらり貼られた手書き短冊は、ざっかけない一品酒肴の数々。トマトの赤にキューリの緑が、酔いどれの目に鮮やかで一瞬、頭がシャッキリ冴える。たっぷりマヨで濃い味で行くのが、深酔いのアテにはうれしく、おかわりのたびに芋焼酎が濃くなる水割りの、モワッとしたくせを受け流す。ほどほど酩酊、まだまだ続杯、前後左右ぐるり不覚な一期一会。
路線がつながり遠路を一本で帰れる安心感に、日付が変わる直前まで長居。が、最終電車は何と途中駅どまり。あわてて店向かいの出入り口に飛び込み、泥酔ダッシュの辛いこと。一献一品の小さな酒宴、今宵は波瀾万丈なり。(130620)