グリーン車の展望良好な二階席にて、「それから」水割り×炭火焼タン塩。ちょっと近場の取材に泊まりがけで行くなら、旅気分を盛り上がるプチ贅沢な車内での、このコンビが似合う。
早めに乗り込み窓枠に品々を並べ、気ははやるが発車のベルが鳴ってからプシュッといくのが、汽車旅酒の基本流儀。西日に照る都心のビル群を眺め、芋水缶をチビチビやれば、心浮き立つ臭みに自身も夕陽に照らされたような赤ら顔に。ホロリとソフトな牛タンは、ペッパーにバジルが効いたスパイシーな肴で、プンプンの芋香への挑発的な好敵手。通勤路線を旅路に変えて、クラリ揺られる一期一会。
車窓に海が見える頃には、黄昏後の薄い闇が降り始める。終点まではあとわずか。近場ゆえに夜を見知らぬ街にて、続き酒をいずこにするか、そろそろ探し始めねば。一献一品の小さな酒宴、始まりも天下泰平なり。(130627)