ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

旅で出会ったローカルごはんbyFb…京都 『満月堂』の、ラーメンと唐揚げセット

2012年05月16日 | ◆旅で出会ったローカルごはん

「天下一品」のラーメンを初めて食べた時の驚愕は凄まじく、以来どっぷりファンになってしまった。さっぱりした野菜ベースのスープは、麺がからまるほどドロドロに濃く、飲むというより食べている感じだ。
 
 チェーン店だがもとは京都で屋台から始まった、京都ローカルのラーメン。東京で見かける、醤油スープで上品な「京風ラーメン」と比べ、かなり個性が強い一品である。

 
そもそも京風ラーメンとは、京都の外の人間が和風ラーメンを称したもので、ご当地ラーメンではないらしい。京都市街屈指のラーメン激戦区・一乗寺の東大路通界隈を行くと、個性的あふれるラーメン屋が軒を連ね、「京風」ではなくリアルな京都スタイルのラーメン事情がよく分かる。
 
聞いたところ前述の天一に加え、澄んだ醤油スープの新福菜館、背脂醤油スープのますたにラーメンが、主たる京都ラーメン3系統との説がある。天一の総本店は激戦区の近くの白川にあり、ファンとしては原点の味を試したかったが木曜は定休日。そこで案内者の勧めで、目と鼻の先にある同系統の「満月堂」の暖簾をくぐった。

 
麺のメニューは「ラーメン」のみで、ご飯つきの定食が昼の人気メニュー。運ばれてきたのは白濁の濃厚スープに細麺、具は薄めのチャーシューにネギがたっぷりと、見た目は天一のラーメンを思わせる。
 
スープをごってりからませ、ドゥルドゥルとすすると、甘みのあるさっぱり味の中に、一本芯が通った印象。同じ醤油ベースだが、各種野菜から煮出した天一のスープに対し、ここのは鶏豚骨を使って旨味に奥行きを出している。豚骨のクセがいかにもラーメン、といった風味で、パンチがあり病みつきになりそうな味わいである。

 
やや濃厚な分、たっぷりの青ネギが爽やかな存在で、茶碗飯とともにサラッと食べ切れた。意外な組み合わせが、定食についた鶏唐揚げ。揚げたてジューシー、スパイシーだが、ゴロリと3つは主たるおかず並みのボリュームだ。
 
この唐揚げ、京都ではラーメンのサイドオーダーとして、ポピュラーなものらしい。ラーメンの組み立てだけでなく、セットにまで京都スタイルあり。東京の天一ではチャーハンセットが定番な私にとっては、これは胃袋に驚愕!


奥沢ロールと東京ラスク

2012年05月16日 | 町で見つけた食メモ
ちょっと前のネタになるが、今年は母の日に花ではなく、スイーツを送った。話題のロールケーキ「奥沢ロール」で、母の日向け商品で2本セットの宅配受付をやっているのをチラシで見かけ、手配して見た。すると、家内の実家の方から「2本は多かったので」と、1本おすそわけいただき、ご相伴にあずかることに。

 「奥沢」の名の通り、ハイレベルなパティスリーが競う自由が丘にある、東京スイーツファクトリーで調整販売しており、年間数十万本売れるとの人気の品。見ての通り、クリームをスポンジで巻いているというより、スポンジの中身はほぼクリーム。でもボリュームの割には口どけが柔らかく、スポンジとのバランスが絶妙。食べてみると甘さの押し出しがさほどでなく、ミルクの風味の方が立っていて後をひく。一緒に早々にいただいた「お返し」の東京ラスクの、アールグレイの紅茶のほろ苦い香りが対照的だ。

 先日、各地のエキナカ土産店街に、ロールケーキとラスクの店が目立つようになったと書いたけれど、ご当地素材を使った手土産スイーツは確かに喜ばれる品。取材先からの帰りの新幹線に乗る前には、酒や珍味の物色ばかりじゃなくて、これからはご当地スイーツも注目してみよう。