暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

襤褸のかみさま

2013-07-30 | -2013
私の中の高潔は
汚れた襤褸を纏っている
下水に何度も流されて
黒と白の区別もつかない
私はそれが憎たらしい
勝手に海まで駆けてゆき
無意味なほどに手を叩く
私はそれを憎んでいる
いくら排泄したところで
気がつけばまたあの襤褸と
ひどい悪臭が後ろ側
にたりにたりとそれは笑う
何を告げるわけでもなく
さも愉快そうに手を叩く
彼の彼女の高潔は
見事な絹を肌に纏い
あるじの隣に従っているのに
私の中の高潔は
それらを指さして手を叩く
さも愉快そうに歯を剥いて
私はそれが憎たらしい
笑うことしかできぬ高潔
襤褸布さえも纏った高潔
何度も何度も下水へ落とし
まだ目玉さえ残った高潔
何とも何とも半端な高潔
溶けろ 喰われろ 臓腑を晒せ
下水でさえも足りないのなら
他人のあれらを食らってしまえ
私はあれが憎たらしい
私の中の高潔は
私をよくよく知っている

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